城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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【WORK】歴史読本連載 第8回「安土城に先立つ革命的な城? 岐阜城」

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月刊『歴史読本』の連載
「城メグリスト 萩原さちこのこだわり城郭探訪」、
第8回は「安土城に先立つ革命的な城? 岐阜城」です。

小牧山城と岐阜城の発掘調査によって、覆りつつある信長の城づくりの常識。
今回は岐阜城の信長居館跡の発掘調査についてうかがい、
その詳細と私的感想、城ファンの萌えポイントを書きました。
昨年の織豊期城郭研究会の集会で聞いた岐阜市教育委員会の内堀課長のお話がとても興味深く、
取材をさせていただいた次第です。
この取材、かーなーりー楽しかった!!!

あのね、岐阜城へ行ったら残念な天守の写真を撮っている場合じゃないですよ!
山麓の居館の後に山上にも登り計6時間ほどご案内していただいたのですが、
まったく時間が足りず、天守の前で立ち止まることなどしなかった…(笑)

もっとも大々的にニュースになっていたのはA地区の庭園。
もちろんいろんな意味で衝撃的でした。
しかし、B地区、C地区も、
なんというかただ分割された庭園スペースではなくそれぞれに特徴があって、
なによりそれらが連携して信長ワールドをつくり出しているのだろうということも
現地で伺いながらコーフンしました。
が、興味深かったのはC地区の奥のスペース!
ここは信長にとっても重要なスペースなんだと肌で感じられます。
肥前名護屋城と構造のある部分が似ていたりして、
となると秀吉のオリジナルでなく信長の発明ということになるわけで、これはまた新発見。
そしてなにより気になるのは…とあんまりネタバレできないので控えますが、
とにかく思っていたよりも、はるかに“予想外”や“検討の余地”が多く、
城ファンとしては夢が膨らむ一方です。

この連載では趣旨から逸れるので書きませんでしたが、
山上部の信長時代の岐阜城の全貌もものすごく気になりました。

むろんこれも私見にすぎないけれど、断片的な石垣のラインなんかを辿っていくと、
私は信長が城域として改造した部分の境界線を感じたし、がらりと雰囲気も変わっているように思いました。
斜面の石垣、信長チックですごいし!
岐阜城の全貌もまだまだ謎。
玄人向けではあるけれど唯一無二の興味深い城だと思うし、やっぱり信長の城は独創的でおもしろい!

そして、岐阜城を知ろうとすると感じるのが、斎藤道三のすごさ。
信長がどこを受け継いでどう発展させたのか、そのあたりも気になるところです。

岐阜市養育委員会の内堀課長、髙橋さん、本当にありがとうございました!
城ファンとしては、忘れられない特別な1日になりました。

 

9994404908143

『歴史読本』2014年8月号
KADOKAWA
2014年6月25日発売