城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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上毛酒造めぐり

先日のことですが、蔵元を訪ねて上毛へ。
3軒の酒蔵を見学させていただき、伝統的な酒造りを学び、
杜氏さんのお話を伺いつつ利き酒をするという贅沢。

「水と米と麹だけでここまでできるのか!」と私は日本酒に神秘すら感じているのだが、
この日に訪れた3軒だけでも三者三様で、いやはや奥深いと感激。
それぞれに美学や個性があって、つくり方も味もさまざまだなあ、と。

そして、聞けば聞くほど、酒造りは科学だ。
たかが水と米と麹だけ、されども、足し算だけではなく引き算も必要。
いや、引き算のほうが大切で難しいのかもしれません。

いい酒は朝から飲んでも酔っ払わない。
悪酔いなど絶対にしない。
酒よ、ありがとう。

ところで、かなり減ってしまった群馬県内の酒蔵も、廃業の理由の多くが経営難なのだそうで。
古きよきものは守り続けて欲しいけれど、
どんな業界・業種も経営の上に成り立つことだし、変化は悪じゃない。

職人気質で硬派なやり方を貫くか、新しいビジネスエッセンスを取り込んでいくか。
その二極分化ではなく、中間的だったり、
斬新に見えてそうでもないアプローチはできないものか。

たとえばホテルや温泉施設などが酒造を傘下に入れる、とかね。
宿泊者専用の酒造めぐりマイクロバスツアーなんかしてくれたら私は食いつくし、
ペアリングディナーだったりしたら、最高だわ。
杜氏さんも食との調和がものすごく大切なのだと語っていらしたんだけれど、提供してくれる人はいないもん。
老舗酒造には老舗旅館、みたいに固定観念でテイストをガチガチに合わせなくても、
双方の妥協点と利点の折り合いを上手につけられれば、それはそれで素敵な空間が生まれると思うけどな。

試飲したらすぐ部屋でころんとしたいし、温泉に入りたい。
宿まで持ち歩くことを考えると、重い瓶の購入は躊躇してしまう。
車じゃないとめぐれないけれど、車だと飲めないから連れていってほしい。
そんな本音は私だけではないと思うのよね。

先日、新潟のカーブドッチワイナリーに宿泊してきたんだけれど、
新しいビジネスモデルにちょっと感激しまして。
要はさじ加減と取捨選択のやり方の問題なんだな、と思った次第であります。

写真は大利根酒造さんです。
土田酒造さんでは悩みに悩み2本購入。
純米大吟醸ソフトもおいしかったです。