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新発田城(新潟)

最新登城日:2009年8月1日

 

しばた、と読みます。
本丸、二の丸、三の丸からなり、棟の門と、5棟の櫓がありました。
新発田城の特徴といえば、2つ。
3つあるシャチホコと、美しい切込ハギ(きりこみはぎ)の石垣です。

 

 
全国でもここだけ!3つのシャチホコ。
このお城にはもともと天守がなく、この三階櫓が実質天守として機能していたそうです。
現存ではなく再建されたもの(2004年なのでかなり最近)ですが、
屋根は丁字になっていて、それぞれの隅にシャチホコが配されている構造ですね。

なぜ、シャチホコが3つあるのでしょう?
諸説ありながらも、裏付けのある有力説はないのだそうです。
美観のためなのか、遊びゴコロなのか、深い理由があるのか・・・。
角度によって2つに見えたり3つに見えたりしてなかなかおもしろいな〜、と思いながら周辺をウロウロ(←怪しい)。
当時の見え具合がどんなものだったかはわかりませんけれど。

 

   この三階櫓は
   自衛隊の敷地内にあるので、
   堀越しにしかみることはできません。
   戦車が見えて、
   ちょっと弱気になる私。

 

 

 


そして、もうひとつの特長、切込ハギ。
これはひとつひとつの石を削って、表面をキレイ整えてから密着させる石垣の積み方で、 
1600年以降に多用されるようになった技法。
表面にデコボコがなく、パズルのようにぴったりとはめ合わさっています。どこかクールでスタイリッシュですね。

新発田城で使われている石は「古寺石」。
上昇したマグマが馳走や岩石に入り込み冷却してできたものだそうです。

 

 
長塀と堀も、当時の美しい姿そのまま。凹凸なく、すらりと続く長塀は珍しいです。

 

 
旧二の丸隅櫓。
二の丸にあった隅櫓を、本丸の鉄砲櫓のあった場所に解体移築したもの。
両サイドを見渡せる、絶妙なポジションに位置していて、小さいけれどデキる感じ。
ちまちま連なっている石垣をひとつひとつ見ていくと、つじつまを合わせたみたいでかわいい。
微妙にラインがズレて、途中よれっとしてます。がんばれ、職人さん!

外壁が漆喰で塗り固められているのは、弾丸や火矢を防ぐため。
さらに腰まわり(石垣のすぐ上)は瓦張りになっている“なまこ壁”。
これもまた、耐久性を増すための工夫です。橋がかかっていた形跡もありますね。

 

 
左/新発田城を愛す会、ステキな会ですね。
こういう方のご尽力のおかげで素晴らしい文化遺産を見ることができるわけです。感謝。

右/募金箱にわずかながらの心を。こちらは新発田城復元の会ですね。
募金をしたら、パンフレットをくださいました。(※募金したら必ずもらえるものではありません)

さらに東京から来たと知るや、ご丁寧なご説明も。
おもてなし精神に満ちた、あたたかい新発田の方々なのでした。
資料がとても多く、見やすく整理されていたのがとても印象的で、大切に守られているお城だと思いました。

  
表門。
石落としが配されたりとなかなか油断ならない、二階建ての門。威圧感がありますね。
かつての姿を残す建物はとても希少で、旧二階隅櫓、表門とも、重要文化財に指定されています。

 

  
立派な算木積み(互い違いになっている、角の積み方)。
二階にはさまざまな展示があります。

  

  
表門を入ってすぐ右手の、辰巳櫓へ。
再建されて、とてもわかりやすい解説がされています。
とくに「継手と仕口の模型」には釘付けになってしまいました。再建についての詳しい資料《よみがえる新発田城》を思わず購入。

 

  

   旧二階隅櫓の内部。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
水堀の外側から見た。辰巳櫓。
新発田城は凛としていて、出しゃばらないけれど存在感があります。
線の細けれど芯がある、ジャパンビューティーみたいなイメージ?

 

   この櫓にゆかりのあるのが、堀部安兵衛。
   櫓の管理責任者だった安兵衛の父は
   消失の責任を取って浪人に。
   その後家名再興のために江戸へ出た安兵衛は、
   高田馬場の敵討で名を挙げるのです。
   地元が生んだヒーロー、といったところ。

 

 

 

 

新発田城周辺は城下町の名残を残していて
清水園や足軽長屋のほか、歴史ある酒造、寺院が建ち並ぶ寺町通りなど、見どころいっぱい。
1日ゆっくりと歩くのもステキだと思います。