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武田氏館(山梨)

最新登城日:2009年3月31日

 

 

武田信玄(晴信)の父・信虎によって築かれ、
その後信虎、晴信、勝頼と3代に渡って使われた、武田氏当主の館。
城、という名称ではなく居館跡ですが、日本100名城にも選定されています。

現在、跡地には武田神社があり、国指定史跡「武田氏館跡(別名躑躅ヶ崎館)」になっています。

 

  

 

武田信玄といえば「人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり」の名言。
国を治めるには城郭よりも人の信頼が大切という考えを重んじ、
生涯自分の城を築かなかったことで有名です。

 

戦のときは、近隣にある要害山城という山城に籠りました。
信玄が生まれたのも、要害山城。
父信虎が戦をするさなか、誕生したといわれています。
政務的役割の武田氏館、軍事的役割の要害山城。
セットで考えればとくに落ち度も不自由もなく、新たに築城する必要がなかったのかもしれません。

 

「人事と治世の天才」とも呼ばれ、主導者として統率力に長けていたといわれています。
優秀ではない家臣を見抜き、その人の性格や個性が活かせるポジションに置いたりするなと、
適材適所で上手に人を使いこなしたとか。
また、部下の傷を「かくれ湯」と呼ばれる温泉で癒させたりと、部下を大切にする人柄だったようです。
そんなボスなら、人は自ら石垣にも掘にもなることでしょう。

 

郷土料理のほうとうも、信玄が陣中食として広めたもの。
栄養たっぷり(当時のものはどうだろ?)で、体の芯からあったまって、
窮地の兵も力づけられたんじゃなかろうかと想像してしまいます。
ちなみに私も大好き。煮込まれたかぼちゃがたまらないです。

 

でも、しいてウィークポイントを挙げるのなら、ちょっと先見の明がなかったかも。
上杉謙信ばかりを意識しすぎたのか、はたまた分かってはいながらもVS上杉謙信で手いっぱいだったのか。
織田信長が起こすレボリューションを察知し、世襲術をあみだすことができず、
行く末を案じてはいたものの、結局武田氏は滅亡してしまいます。
まさか、武田が自分の息子の代であっさりと滅亡するなんて思っていなかったでしょう。

 

  
桜の花が映える、石垣と鳥居。甲府駅方面を振り返ると、どこまでもまっすぐな道。
一直線に武田神社に向かっていて、なんとも気高さのある大手道です。

 

 
神殿にお参りして、おみくじもひきましたよ。武田神社のおみくじには“縁起モノ”が同封されています。
私のおみくじに入っていたのは、金色に輝く当たり矢(中身見えてないですね、ごめんなさい)。
当り矢は、的に矢が当たっているものごとが思い通りになる、利益が上がる、人気が出る、商売繁盛etc
といった

諸願成就みたいです。
ほかにもおかめ(縁起モノなのか?)や小槌とかあるらしいです。
おまけも入って200円。ちょっと楽しいのでオススメです。

 

   左/復元された能舞台
   右/武田信玄が使用したいわれる井戸

 

 

 

 

 

 

 
武田水琴窟。
底に小さな穴をあけた瓶が埋まっていて、そこに水を流すと水滴が落ちて瓶の中で反響 する、というしくみ。
江戸時代の庭師による技法だそうで、耳を近づけると、小さな鈴のような、女性的で繊細な音が響いてきます。
自然の摂理ってすごい。そしてそれを何百年も前に知っていたのがすごい。
誰がどういうきっかけで発見&開発したのでしょうね。

 

 

  
武田氏館は一辺約200mの正方形の主郭(武田神社)を中心にいくつかの曲輪によって構成されていたそう。
案内版の“一応”ってのがちょっとおかしい。
こういうフォントだと根拠があるように見えてしまうから不思議(笑)


お城=天守閣、というイメージを持っていると、
「なんだよ、お城も土台もないじゃん!神社じゃん!」とガッカリするかもしれません。
でも、周辺を散策してみると、土塁(土手みたいな段差)らしきものが残っていたり、
いろいろな共通点を見出せますよ。
「ああ、やっぱりここはお城なんだな」と思うはず。

そして、総構え(敷地の総面積)の広さに驚くこととと思います。
これだけ広けりゃ、なかなか入って来れないなあ、と。
必ずしも大きい、カッコいい天守閣をもったお城が、強くすばらしい訳ではないのですよ。

 

 
疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、
侵略すること火の如く、動かざること山の如し。

「風林火山」の軍旗をはためかせた甲斐の虎・武田信玄の本拠地。
こうして写真でみるとただのうっそうとした林ですが、
その場に立ってふと過去に想いを馳せれば、ざわざわとした風の音にさえ、感極まるものがあります。