城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

●詳しいプロフィールはこちら

城メグリストのサイト

城メグリスト

●お仕事実績はこちら

アーカイブ


歴史探訪ウォーク 「鹿背山城と多聞城」

IMGP2770

木津の文化財と緑を守る会
第2回 歴史探訪ウォーク 「鹿背山城と多聞城」

木津東部交流会館で講演会後、ウォークに出発。
多聞城で再び中井先生の縄張解説を伺う、というもの。
城単体を踏査するのも楽しいけれど、
地域を歩き地元の方のお話を聞くと、
新たな発見があって、違う見方もできるというものです。
これは自分ひとりではできないので、会のみなさんに感謝です。

『戦国大名の城を読む』の松永久秀の項でもちょこっと取り上げましたけれど、
多聞城って独自路線で実に謎めいていつつ、実は根本の極みみたいなところがある、
本田圭祐みたいな城だと思うんですよ。
(※私のイメージ。サッカー詳しくありません)

私は信長の安土城誕生を背景にした
戦国時代後半、土の城から石の城に代わる変遷の城がいちばん好きなので、
多聞城のように、単純にカテゴリ分けできない城は実に興味深い。

どうも安土城を基準に考えがちなところがあるけれど、
年表に端的にまとめられるような直列的なものではなくて、
複雑怪奇なものが全国に点在している。

地方ごとに独自技術があって、独自の文化みたいなものが成立している。
それは信濃の小笠原氏の城だったり、豊前の長岩城だったりもそう。
高度な技術を持つ瓦職人を掌握していた奈良では、瓦の城が発達する。
地域性だったり、登用者の能力とセンスなどとリンクして表立っていく。

少なからず安土城へ影響していくのかもしれないけれど、
短絡的に考えるのは違うのだなあ、と。
信長がいなかったら、日本の城はどう発展していったのだろうか。。。
そんなことを考えていくと、信長の革命って本当に壮大だなと思う。

…といったようなことを中井先生とお話しながら。

私はそのへんのことをじっくり書いてみたいなあと思っていて、
なにか形にできたらなあと思います。
それには少なからず論説を立てる必要も出てくるし、まだまだ勉強も踏査も必要。

 

IMGP2716 IMGP2720

レンガの積み方もいろいろあるの、知ってました?
写真は大仏鉄道の橋台。
長手だけの段、小口だけの段と一段おきに積むイギリス積み。
一段に長手と小口が交互に積まれているのはフランス積み。
土木構造物や鉄道の橋梁はイギリス積みが多いそうです。
中井先生から、石垣のみならずレンガの積み方を教わるとは(笑)!