唐沢山城フォーラムと栃木の城
栃木県佐野市で開催された
唐沢山城跡国指定史跡化記念フォーラム「お城があると夢がひろがる」に行ってきました。
芸能界きってのお城好き・春風亭昇太師匠と奈良大学学長の千田嘉博先生がご出演されるということで。
さすがは知名度の高すぎるおふたり、1000人先着というホール、満席でした。
通路前の座席に座っていたんですが、通路で関係者らしき人がお話していて
「鳥取の山城サミットにも師匠が出ていて…」
「あのときのパネルディスカッションでは…」といったお話をされていて、
思わず顔を伏せつつ、聞き耳を立ててしまいました(笑)
鳥取の山城サミットでも1500人ほどの来場者があったと聞きましたが、今回もすごい人。
「佐野市で平日、しかも城のイベントでこれだけ集まるってすごいねー」と話されていていました。
昇太さんの落語だけでなく、千田先生のご講演やおふたりの城トークにも頷きつつ熱心に耳を傾けていて、濃密な時間だな、と。
城の保存・発掘調査事業についての理解が深まっていくのはいち城ファンとしてうれしいなあと感じました。
地元の方が知ることがなにより大切ですもんね。
私もあれこれ考えさせられ、そして勝手に刺激を受けたりと勉強になりました。
さて、フォーラムは18:30〜21:00だったので、
寝坊しつつも車をぶっとばし、栃木の城をてくてく歩いてきました。
西方城へ行くぞ、と決めていたので西方城、二条城、真名子城。
そしてフォーラムに備え、久々に唐沢山城もゆっくり踏査。
栃木の城はすばらしいー!
土のしなやかな強さを感じます。
技巧的だけど、思考に柔軟性があって土のよいところを生かせている、ような。
(この抽象的な表現に賛同してくれる方がいるか知りたい)
西方城。
やっぱりすばらしい城です。
ひとり山中で卒倒しそうになれる城。ひとり山中で笑っちゃえる城。
トップの写真は、美しき西方城北側の曲輪の馬出。
しかしやっぱり気になる…東丸の馬出とあるところは二重桝形虎口だと思う。。
二条城。
この時期ならちょっとは見えるかと思ったがやはりダメでした(笑)
しかし土塁と石積みがちゃんと見えるところが私の心を掴みます。
ノコギリを持った地元のおじいさんに遭遇してお互いビックリ。
ちょっとお話をうかがえて楽しいひとときでした。
初・真名子城。
予習ナシで訪れてみたら、思いのほかよい城でホクホク。
しかし、昨日最大の疑問は石切り場。
これ、石切場…なの、か?
3点ほど疑問が解消しないのですけれども。
調べてみていないのでなんともですが…。備忘録的に。
そして…東ノ丸ではなく東郭とすべき、とN先生にいわれそう(笑)。
唐沢山城。
有名なのはもちろん、東日本有数の江戸時代初期前後の高石垣。
歴史を辿っていくと城主がめまぐるしく変わっていて、
石垣も場所によって積み方が違い拡張と改築の形跡がありゾクゾクします。
が、やはりすごいのは、
昇太さんも大コーフンしておられた南東尾根筋の2本の堀切!
尾根筋の堀切をあんなふうに技巧的に屈曲させたり食い違ったりさせてしまうとは、ただならぬ城に間違いありません。
そして、雁木の存在。
どんな全貌だったんだろうー!
根小屋の発掘調査も進んでいて、目が離せません。
それにしても、レーザー測量ってすごい。
佐野市教育委員会さんのさらなる頑張りと市民のみなさんの理解に期待です。