瀬戸内海放送「報・動・力」ロケ③
津山城の後は、備中松山城へ。
雲海に浮かぶ城として今人気急上昇中の備中松山城。
著書で必ず取り上げてしまうほど大好きな城でもありますが、
今日は観光客増加に対する取り組みなどを紹介させていただきました。
まず、城下の魚介・海鮮料理店「魚富」さんが開発した「雲海鍋」。
詳しくは瀬戸内海放送「報・道・力」をご覧くださいね。
おそらくそこまで詳しくオンエアされないと思うので、私なりの感想とご紹介を。
雲海ブームに乗っかって盛り上げよう、経済効果を高めよう、とか
安直なチャラい発想のものでなくて、
地域活性化や観光振興に、料理人としての立場でなにか貢献できないか、
地域の人々や子供達に、備中松山城や高梁の素晴らしさを伝えられないか、と考案されたそうです。
それを証拠に、ちゃんとおいしかったです。とてもおいしかった。
見た目のインパクトだけでなく、思いのこもったお料理。
地元名産の食材を使い、野菜や海鮮、鶏肉などたっぷり入っています。
豆乳スープに浮かぶのは…卵白!
豆乳スープは濁らないよう薄味にしてあるので、お好みで柚胡椒や薬味で調味していただきます。
(薄味派の私はこのままでもイケた…魚のお出汁が効いてます)
ポン酢を入れると、また味が変化しておいしかったですよー。
季節によって、具材は変わるそうです。
秋は紅葉型の人参とか生麩とか…よさそうですね。
名物になりそうな予感。
説明される大将に、誇りと愛と心意気を感じましたよ。
観光客がここまで知ることはなくても、
ブームの中で本質がなかなか伝わらないことがあっても、
つくり手にとってはここはとても大切なことなんだな、私も見習いたいな、と
考えていました…たいしたコメントもしないまま(笑)
ちゃんと思いがある、これ大事ですね。
私は高梁市と備中松山城が好きなのですが、
こういうおもてなしの心とか、地元を愛する心とかがやっぱり身を纏う空気に出るのだと思う。
城ファンとしては、もちろんいい遺構とかほかにない城の姿に興奮したりもするけれど、
私も含め、観光客は遺構を評価しに来るのではなく、
そこで過ごす時間を楽しみにくるわけですから。
意識していなくても、そういう空気がつくられているかないかが満足度を左右すると思う。
地元の人に愛されている、理解されているかが大事。
城はずっと、そうやって守られて地域と共存してきたのだから。
備中松山城でも、教育委員会、観光協会の方が来てくださり暑い中長時間お付き合いいただきました。
教育委員会さんには執筆にあたってもご案内いただいたり資料をいただいたりとお世話になっています。
ありがとうございます。
今日も、おもしろそうな資料までご用意してくださってました。
高梁市では、城見橋公園駐車場に立派なトイレを建設したとのこと。
(ここから登城口のふいご峠まではシャトルバスに乗り換えてへ向かいます)
実際に訪れてみてビックリ!城のトイレとは思えぬデザイナーズトイレ。
(ロケ中につき、まともに写真撮ってなくてスイマセン)
女性用トイレには、着替える時に足が汚れないよう折りたたみのシートまでありました。
細やかな配慮がうれしい。
山城では、ご年配の方や女性はとくにトイレの心配が大きいと思うので、
これは訪れる人にとってはとても大きな安心感だと思います。
飲みものなども売っているので、バスを待っている間にここで買えば安心です。
大手門の脇もこれから整備に入るとのことで、
より来城者の安全と快適な見学が叶いそうです。ありがたし。
3月のダイヤ改正で、サンライズ出雲が備中高梁に停車することになりました。
7:14着で、それに併せた雲海タクシーに乗れば、
雲海が見られる時間内に展望台まで連れていってくれます。
この秋〜冬は大ヒットかも。もちろん雲海鍋もね。
いちばんうれしかったのは、二重櫓(国重文)の鍵を開けさせてもらったこと!
たぶん「落とし」という名称の様式だと思うんですが、
引き戸の下部に上下に稼働する棒状の木片が取り付けられていて、
戸を閉じると木片が敷居に挟まって戸が固定されます。
構造としてはシンプルなのだけど、開けるのが難しい!
外から開けるときは、L字状の鉄製の鍵を戸の穴から差し入れて、
この木片を上に持ち上げるんです。
結局、全然できなかった、、、。むずかしー。
普段は非公開の二重櫓、番組で公開されますよー。
備中松山城の二重櫓は天守のすぐ北側にあるのですが、
いざというとき逃げられるよう、南側にも出入口があります。
そして、西側には狭間も切られてます。
内部には修復の際の木材や、修復前の写真、発掘された遺物などの展示も。
古い木材がそのまま残っているし、コーフン。。
ときどき特別公開されてますので、ご興味のある方がチェックを。
KSB瀬戸内海放送「報・動・力」。
5/16(土)0:45 ON AIR。
前日の「スーパーJチャンネル」でも一部放送されるそうです。
トップの写真は、備中松山城でいちばん好きなスポット。