城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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第22回全国山城サミット米原大会

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10月24日(土)・25日(日)は第22回全国山城サミット米原大会でした。

城の未来に関わる仕事がしたい私にとって、実りある2日間でした。
なにより、楽しかったー!

 

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私にもできることがあるのだな、と。
よい勉強の場と経験を与えていただき、つくづく私は恵まれているなあ…
などと思いながら帰京しました。
とりあえず今日思ったことを具現化しよう。

全国の山城を歩いていると、
保存会によってかろうじて守られている城がたくさんある。
実態を調べてみると、うまく軌道に乗っている団体は稀で、疲弊しているケースも。
そうした団体は行政との連携がまったく感じられないことが多く…。
こんな背景から私なりに考えていたことがあったのだけれど、
ハッとさせられるご意見がたくさんあり、個人的にも有意義でした。
とりわけ富山県砺波市教育委員会の野原さんと
増山城解説ボランティア・曲輪の会さんのお話は貴重なものでした。

 

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講演は「城と名物」というテーマ。
難しい時間配分とお題であった…言い訳はするまい…精進します。

山城の活用を考えていく上で、行きつくところは絶対に「地域」。
過去の城を守ってきたのも、未来の城をつくっていくのも、地域です。
活用法の正解などなく、それぞれが持つ城の個性を大切にしながら、
その地域にとって理想の城を地域でつくり、守り、伝えていくことが
望ましい姿だと思うのです。
それにはやはり、まず地域の城や歴史の理解を深めていくことが大切。
その上で、地域が楽しみながら(コレ大事!)、
地域にとってあるべき城の形をつくって城と共存していければいちばん。
そうした城こそ、よそから訪れる私たち城ファンにとっても居心地がよく、
思い出に残るよい城、になっていくのではないかと思っています。

城ブーム、山城ブームはうれしいことだけれど、
人が増えればファンの温度や興味、楽しみ方や求めるものも多様化してしまい、
だからこそ受け入れるほうの対応は難しい。
肝心なのは、本質を見失わないこと。活用の意味をはき違えないこと。
突き詰めればシンプルなところに到達するのではないでしょうか。

城を観光資源として誘致を考えていくとき、
新しいことや目立つことをすれば人は喜んでやって来る、
といった安直な発想は、愚の骨頂だと私は思っている。
歴史とは現在の蓄積であるのだから、
安直な地域の決断は明日には歴史になってしまいます。
以前、とある新聞に私の発言として書かれてしまったのだけれど、
「城ファンは本物じゃなければ納得しない」わけではないですよ、決して。
—本物ってなに?
それを決めた地域の人たちはきちんと城の歩みや歴史、価値を理解しているの?
本質を理解した上で、すべきことの優先順位を熟考した末の判断なの?
—というところです。少なくとも、私の考えは。

シンポジウムでも発言させていただいた通り、
城の活用を行政や地域が考えていくとき、
お金をかけなくても今日からできることはたくさんあるはず。
地道に楽しく、花を育てるように城のある地域を育てていくのがよいのですね。

私は地道にコツコツ、が苦手だけれど…(笑)、
少しずつ、人とつながり自分を磨き、
少しずつ、なにかを返したり生みだしたりしていけたらいいな。
…などと思ったのでありました。

 

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今、猛烈に落ち込んでいるのが、
シンポジウムで「フィッティングボード」の事例を言い忘れてしまったこと。
次の機会に絶対話してやろうと思っていたのにー!
米原駅近くのサークルKサンクスにも設置されていて、前日感動したのにー!

昨年新設された備中松山城の駐車場施設トイレに登場していました。
(私としたことが写真撮り忘れたよう…Wショック)
これ、試しに使ってみたところかなりいいです。
行政の働きなんでしょうか、まさかコンビニが自発的に?
このあたりのことも知りたかった…どなたかに聞いてみよう。
山城以外にも、商業施設やデパートなどでは
女性用トイレだけだけでなく男性用トイレにも設置されはじめているらしい。
1つ4〜5万円ほどのようです。

 

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いつも私にいろんなものをくださる、
大好きな滋賀県立大学教授の中井均先生に今日も感謝。
最後は米原駅で固い握手をしてお別れしました。
たくさん写真を撮ってもらえてうれしい。
明日からこれを見てがんばる(笑)

知っている顔もたくさん見えて、とてもうれしかったです。
次はゆっくり、お城でお会いしましょう。
保存・活用がテーマにつき城ファンには物足りない内容だったかもしれませんが、
感じていただけるところがあったならうれしいです。

地域にとっても城ファン・観光客にとってもよい城が増えていくといいなと心から思います。

いちばんうれしかったこと。
それは、拙著を手に来場された方がけっこういらしたことです。
重いのに、わざわざありがとうございます。
物書きの端くれとしては、これほどうれしいことはありません。涙。
私のサインはただの署名ですが、喜んで書きますのでいつでもお声がけください。

 

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晴天のなか、城も行けました。

前日の23日(金)に米原入りして、上平寺城→弥高寺跡→八講師城へ。
弥高寺跡、初めて行きましたが…なんじゃ、ここ!
大門の桝形虎口がすごい!
中井先生にお会いするなり、あれこれ質問。
夜は米原市教育委員会の方と彦根で小宴。楽しかった。

 

10月24日(土)は山城サミットの見学・交流会で健脚コースに参加。
鎌刃城→松尾寺山砦→松尾寺へ。
松尾寺山砦、一般的にいわれている通り鎌刃城との関連性はないと思ったけれど、
かといって松尾寺との関連も大いに違和感。
鎌刃城の疑問も含め、こちらも、中井先生にあれこれ質問。
中井先生の見解をうかがい、納得。
私の浅い近江の歴史知識では連想できなかったな…知らないことばっかりだ。

城のことは、またゆっくりじっくり書こう。

 

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前夜のレセプション、ご挨拶しきれない方もいて失礼もしましたが、
行政や地域の方々とお話できて有意義な時間でした。
鎌刃城を1本いただきました♡