城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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江戸城石丁場×温泉、夢のコラボ♡

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2泊3日で下田へ行ってきました。

今回の宿泊は、小学生の頃に家族で夏休みによく滞在していたホテル。
地階にある“洞窟温泉”がインディジョーンズ的に探検心を掻き立てられて好きだったんですが、
実はこの洞窟が、江戸城の石垣のために伊豆石を切り出した石丁場(採石場)跡だった!
…と、昨年はじめて知りました。

江戸城の新著を脱稿したてな私、石垣のふるさとについても書きました。
いろいろ調べていて、ホテルの近くにもありそうだな…と思っていたら、
まさかのホテルが石丁場だったパターンです。WAO!
(しかも、ちゃんとホテル敷地内で湧き出た温泉です)
小学校低学年の私、すでに江戸城の石切場を訪れていたのか!…とちょっと感動。

江戸城は、築城時は伊豆半島から石材を海路で運んでいて、
東伊豆の安山岩が中心でありつつ、西伊豆や南伊豆の凝灰岩も用いています。
廻船で伊豆から江戸まで、切り出した石を運ぶんです。

 

下田

ホテルHPより、空撮ph。
洞窟風呂は↑のあたりだから、採ってすぐ船へGO!というわけです。

 

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出っ張ったところの内部、プールのちょい先の下あたりに洞窟温泉があります。

 

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ホテル建設時に石丁場を破壊することなく、残してくれていました。すばらしい!
洞窟温泉へ向かう通路の先がちょっとギャラリー風の見学路になっているんですが、
石丁場に興味がある宿泊客の割合はかなり低いと思われ、、、誰もいません。独占!
そもそも、洞窟温泉は専用エレベーターでB4まで降りなければならないため、空いてます。
滞在中に3回行きましたが、すべて貸し切りでした。
こんなに興奮しているのは、確実に私だけでしょう(笑)

 

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洞窟温泉やビーチへはこの専用エレベーターで降りていくんですが、
そのエレベーターも岩盤を貫いてつくられてるんです。
冷静に考えると、よくつくったな。
ちなみにホテルの設計は吉村順三さんです。
(箱根小涌園や奈良国立博物館新館、皇居新御殿の基本設計をした人ね)

 

かなり暗くて、子供の頃は怖かったなあ。
そういえば、夜は洞窟温泉には行きたくなかった。
そして、ビーチに出たいのに洞窟風呂へ行ってしまったりとけっこう広くて迷った。
…とか、いろいろ30年前の記憶が蘇ってきました。

 

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この下が船着場みたいになっていたのか…?
降りたいところだけど、節度ある宿泊客ゆえ自粛。
ならば逆サイドから攻めるべし。…と、ビーチからアプローチしてみました。

 

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おおーっ!!

 

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別の石丁場も発見。
…というか、もっとゴロゴロあると思う。

 

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この日は強風だったこともあるけれど、このあたりは伊豆にしてはけっこう波が荒いんです。
多々戸浜には、サーファーがたくさん。
サーフィンのことはわかりませんが、サーファーがいる=波がある、ということよね。
子供の頃は大漁サーファーが怖くてここではなかなか遊べなかった記憶も。。

 

東伊豆、西伊豆のほうの石丁場もいくつか見てきました。
ちゃんと記録しておこうと思ったけれど、長くなったしまたの機会に。

…詳しくは新刊で(笑)!

 

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須崎の細間の段。観光地なので行きやすいです。
石丁場…なのかなあ。

 

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松崎の室岩洞。ここは有名な観光地なのでオススメ。人にたくさん会いました(笑)
というか、こんなに人が来るんだ!とびっくり。
しかも、みなさんけっこう興味深げに見ていて。
導くことができれば、もっと知ってもらえ、守っていけるものなのかもと思いました。

 

江戸城との関わりのおもしろさを、伝えたいなあ。。
石丁場って、すごくロマンがある。
石そのもの、地形や地質の話、技術的なことも、私たちに直結していておもしろいけれど、
石丁場はドキュメンタリーであり、ドラマみたいなものもあると思うんですよ。

江戸城の新刊にも書きましたので、ご興味ある方はぜひお楽しみに。
もっとディープに(学術的・専門的ではなくサブカル的にマニアックに)、も企画中。