京都取材おまけ〜二条城・伏見の城と酒〜
京都へ行ってきました。
取材、取材、打ち合せ、取材。
なかなかにバタバタでしたが、時間をつくり二条城へも。
慌ただしく立ち寄ったせいか、いつにも増して二の丸御殿での時間が止まって感じました。
もう10回以上になるけれど、何度訪れてもすばらしい。
いや、10回以上訪れて、ようやくそのよさがわかってきた気がします。
御殿について、次の次の次の次の著書でじっくり書きたいなと思っています。
建築やしくみや御殿の意義というより、
伝統技術や塗料や材料といった素材、背景にある基盤みたいなところを。
完成品を分解してすべての要素を検証していくようなものを書きたい。
養源院にも寄ってきたのですが、ここでも同じようなことを考えていました。
これまであまり深く考えたことがなかった、絵のモチーフに込められた意味など。
こういう思想ってもちろん大名も知っていたと思うのだけど、絵師にオーダーするものなんだろうか。
それとも、現代アートと同じような感じで、
共通の感覚みたいなものはあって、芸術家が提案していくものなんでしょうかね。
文献などで当たり前のように解明されたり、一般的に通説があるものなのかもしれませんが。。
関連書籍などありましたら、ぜひ教えてください。
養源院は好きな場所です。
俵屋宗達の襖絵はここだけでしか見られないのに、意外と知られてないですよねえ。
血天井、隣に立っていたおっさんは「…?」な顔をしていましたが、
私は見上げた瞬間にシルエットが見えてしまいます。
養源院そのものが、ぐっときますよね。
滅ぼした徳川が豊臣の寺を再建するという。しかもそもそも浅井長政の供養のための寺という。
そして徳川の菩提寺になるという。。
茶々と江が姉妹だからと言ってしまえばそれまでなんだけれど、
それを超越した信仰心というか、人を殺めなければ生きることがままならなかった
戦乱の世のどうしようもない刹那みたいなものも感じたりします。
養源院については近々PREMIUM JAPANの連載で触れる予定ですのでお楽しみに。
午後は伏見で城と酒の取材。
といってもひとり観光方式の取材だったので、完全に旅気分でした。
いい城下町にいい水あり、いい水あるところにいい酒あり。
伏見はかつて伏水といわれたほどで、質の高い桃山丘陵からの伏流水が豊富な地。
秀吉が伏見城を築城した後、伏見城下も発展し、江戸時代にもおおいに繁盛します。
とってもやわらかいお水でした。
鉄分を含まずカリウムやカルシウムが適度に含まれていて、酒造りに適しているそうです。
伏見城×伏見城下町の酒、きっといずれPREMIUM JAPANで書くでしょう(笑)
伏見のお酒は好きでしたが、文化のように現在も大切にされていることがわかりさらに好きになりました。
有名な、伏見のお酒80種類が試飲できる油長さん。
魯山人がおいしかったので購入しました。伏見城も、もちろん。
黄桜酒造さんのカッパカントリーでも試飲。
徳利とおちょこに黄桜かっぱが描かれた箸置きを、自分用と友達のお土産に買いました。かわいい!
併設のかっぱ資料館がおもしろくてちょっと見入ってしまいました。
かっぱはフランスにもいるらしい!
そして、お相撲が好きなんだそうです。
しかし、肝心の「なぜ黄桜はセクシーかっぱをCMキャラクターに採用しているのか」
という点は見逃してきてしまいました。
※調べたところ、漫画家の清水崑さんが週刊朝日に連載していた「かっぱ天国」を見た黄桜の先代社長が、
親しみやすくおいしい黄桜の日本酒のブランドイメージにぴったりと感じ、採用されたそう。
それを漫画家の小島功さんが受け継いで、セクシーかっぱが誕生したとのことでした。へえー。
これ、ちょっと反応してしまいました。
伏見城は木幡山と指月があるんです。
秀吉が築いた第3期木幡山伏見城で、関ヶ原合戦後に徳川家康が再建したのが第4期木幡山伏見城です。
ちなみに伏見桃山と言われるようになるのは元禄期といわれています。
さんざん飲んで伊丹空港へ到着したところ、なんと利き酒マシンなる自販機がいらっしゃいました。
2府4県の銘酒が1杯100円で試飲できます。
おちょこをセットして、100円を入れてボタンを押すだけ。ビジネスマンのオアシス発見です。
へべれけな空の旅を楽しみました。