「歴史手習塾」と、世界遺産とか国宝とか
3月17日(日)に、彦根で講演があります。
彦根城内にある滋賀県立彦根東高校新聞部の報告、
新聞部のみなさんとお話しできるのもとても楽しみです☺︎
お近くの方、ぜひお越しいただきたいです。
世界文化遺産を目指す彦根城、今年10月に事前評価の結果が出ます。
また私自身は、4月には滋賀県主催のシンポジウムにも登壇予定、3月には天守国宝化を推進している丸岡城についての講演もあります。
今回は「民間だからできる講座を」というオファーに突き動かされるものがありお受けした次第で、お声がけくださった方の思いと熱意に賛同していてまったく迷いはなく。
ただ、「世界遺産」「国宝」というキーワードが入るとなかなか関わるのが難しく(木造復元もね)、登壇するだけで誤解されたり批判を受けることも。。
…ので、スタンスを記しておきます。
中途半端に余計なことは言わないほうがよいのかな、ここに書くのはどうなのかなという迷いもありつつ。。
以下、長いです。
*
私は「世界遺産」や「国宝」は称号に過ぎないと思っています。
だから「世界遺産目指しましょう!ウェーイ!」みたいなことは講演では言わないです。
もちろん称号を得るのはすごいことだし素晴らしいことで、そこで奔走している方々を否定する気も毛頭ないです。
ただ、大切なのは“称号を得ること”ではなく、“称号を得るだけの価値があることを知ること”だと思うのです。
前者に固執・翻弄されている団体や市民の方、実際にいるんです。少なからず。
そして、後者がしっかりできているかどうかで、その先の道筋が天と地ほど変わります。
私はそれを、細々とでも伝えたい。
世界遺産を目指すことは悪いことではないけれど、市民いや国民ひとりひとりが当事者意識を持てるか、どう関わり、捉え、考えていけるか。
ひとりでも多くの人が地域の宝に敬意を払えることができれば、少しずついい方向に光は射していく。
その結果がどうであれ、その道のりこそが今は大事なのだと思っています。
もちろん、いろいろな意見や考え方、事情や立場があって、私が正しいわけじゃない。
違って当然、どれも尊重すべきこと。
むしろ、一極化せず、賛否含めて多角的・多面的な議論は不可欠だと思う。
熱くなったり、わざわざ議論の場に足を運ぶのは、少なからずそれぞれが思いがあるからだと思うんですよね。
だからこそ、議論の手段は慎重に選びながら、方向を見失わずに耳を傾け話し合いましょう。と思います。
私に影響力があるわけでもないし爪痕残したいわけでもないですけど、そんなことは問題ではなく。
関わっている以上は私自身にとって譲れない大切なことなので、ちゃんと向き合っていきたいと思っています。
自分の考えや発言を振り返る柔軟性は持ちたいし、その上で伝えられる人になりたいので。
どんな大事件も歴史の渦中でいずれ薄れていってしまうように、影響力のない意見や小さな出来事なんて消えてなくなってしまうんだろうけれども。
こういう人が過去にもいて、数人くらいは賛同する人がいて、そうやって歴史は重ねられてきたのだし、無駄なことはないと信じたい。
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4月は京都女子大学教授の母利美和先生、5月は淡海歴史文化研究所所長の太田浩司先生がご講演なさいます。
ぜひ併せて聴講いただければ。
私も別件でお目にかかれそうなのでお話を伺いたいと思っています。