鳥取城のパンフレット
リニューアルした鳥取城と太閤ヶ平のパンフレットを
鳥取市教育委員会のご担当者さんがわざわざ送ってくださいました。
完成度がすばらしいー!
さっそくお礼のメールをしたら、好評だそうですでに増刷とのことです。納得!
城ファンの立場からすると、申し分ないです。
マップも見やすさ、情報の細やかさはもちろんですが、
情報量も広く浅すぎず深すぎずで、しかしわかりやすさに徹している印象です。
編集的な構成や読みものの割合も、ストレスにならずちょうどよいなと思いました。
サイズや紙の厚さもよく、片手に城歩きをすることを想定すると使い勝手がよさそう。
より深く、鳥取城や太閤ヶ平を楽しめる方が増えると思います。
きちんと鳥取城の価値を訴えるものになっているし、
かといって固くなりすぎず、バランスよいですね。
1~3ページの「城の歴史」も、わかりやすくまとめられていていいなと思いました。
戦国時代・安土桃山時代・江戸時代・近代・現在と5時期に分けてそれぞれの鳥取城の姿を紹介してあるんですが、
意外とこうした時代による城の違いという点は
城の基礎知識や変遷を理解してとわからない部分だと思うので親切かと。
歴史が苦手な人もこれなら重要なところがすっと頭に入る気がします。
鳥取城の場合は大きく戦国時代と江戸時代の姿が異なり、
その2つが共存しているのが大きな特長であり見どころなので、
その背景を教えてもらえると、頭が整理された状態で歩けますね。
私がこの仕事をはじめたきっかけのひとつが
「城を訪れても見どころがよくわからない、
これではせっかく来ても素通りして帰ってしまう。
…城の見どころをわかりやすく解説した本を書かなければ!」
というものだったので、
こんなステキなパンフレットが用意されていると思うと感動すら覚えます。
地域の方も、鳥取城が誇らしくなるのではないでしょうか。
鳥取池田家は徳川家から厚遇されていて
(藩祖光仲の曾祖父が徳川家康だから)、
外様大名で唯一、居城に葵の紋の瓦の使用も許可されているんですが、
江戸城中の門の巨石を使った立派な石垣も、鳥取池田藩によるものなんですよ。
中の門の写真も載っていて、東京都民としてはうれしかったです。
ちなみに虎ノ門三井ビルディング前に残る江戸城外堀で唯一の櫓台も、池田光仲によるものなんですよね。
鳥取池田家、なにげにすごいです。
鳥取市さんには昨秋の「全国山城サミット鳥取大会」でお世話になり、
シンポジウムでの発言をヒントにしてくださったとのことでした。
たいした発言はしていないのですが、
もし力になれた部分があったなら、とてもうれしい。
発掘調査現地説明会資料と調査研究年報もお送りいただきました。
とてもうれしい!
中ノ御門で絵図と同じ水路と枡が見つかったとのことで、
こんなにしっかり残っているんだなあとわくわくしました。
擬宝珠橋は約35mもあるそうで、
復元が実現すると国内最長クラスになるそうです。楽しみ。