センゴクセミナーで佐柿国吉城
我ながら楽しそうすぎる、わたし(笑)
毎年現地見学に参加させてもらっている
滋賀県米原市のセンゴクセミナー2015で、福井県美浜町の国吉城へ。
講師の中井均先生と一緒に写真を撮ってもらいご満悦♡
中井先生がちょこっとピースをしてくれている…う、うれしい。
佐柿国吉城へは行ったことがなく、念願の登城。
中井先生の解説のほか、若狭国吉城歴史資料館のOさんが直々に解説してくださり
とてもとても楽しかった。
「いつになったら来てくれるんですか」と言われていたOさんに面目も立った(笑)
山麓の居館と詰城から構成。
山上の詰城だけでなく、山麓の城主居館跡からも石垣が発掘されているそうで。
石垣の築造時期の違いから、居館は江戸時代も使われていたもよう。
関ヶ原合戦後の京極氏時代と、それ以前のものの2時期か。
中井先生が説明しているのは、最下段南面石垣の立派な算木積み(京極時代)。
土の城だと思われていた国吉城、
発掘調査により主郭はほぼ全域が石垣で囲まれていたことが判明。
3段の石垣がセットバックしていたようで、
①高さ約4mの石垣(登城道を登り切ったところから左に1段降りた面)
②幅約4mの道(登城道)
③高さ約4mの石垣(登城道の右手/石垣はちょっと斜め上に折れ曲がる仕様)
④幅約4mの道
⑤高さ約4mの石垣(堀切を越えた左側斜面)
という構造とみられるそう。
なんとー!!どんな城だったんだろう。
城下町からの見え方を意識した織豊系らしい城だったのだなあ。
4mが好きなのか、どうやら構成上の基準値らしい(笑)
木橋がかかっていたという堀切を通過して登城道を登り切ると、
帯曲輪を経て主郭北西側の虎口に到着。
北西虎口は2回クランクする石垣づくりの近世っぽい虎口。
鏡石らしき巨石もありました。
城下を一望!
つまり城下からもこの面は見えていて、豪壮な石造りの城がそびえていたんだろう。
石垣には宝篋印塔が多く使われているとのことで、一部が展示されてました。
なんだかかわいい柄だわ。
主郭東側にも虎口があり、越前へ面するため豪華だったもようです。
大野さんからの詳細な説明を聞きながら、うーんと想像をめぐらす。
石垣が続いていたであろうラインを辿ると、随分と立派な虎口だったらしい。
主郭には川原石が敷き詰められていたそうですが、
虎口の坂道部分では発見されていないとのことでした。
ここからは若狭湾がすぐそばに見えます。
現在の国道27号が、ほぼ丹後街道だそう。
この主郭から尾根先に見えるのが岩出山砦で、
その南西に見えるのが朝倉方の中山付城、その背後に駆倉山付城、狩倉山付城。
かなりの至近距離です。
地図や図面と照らし合わせながら、
標高197.3mに立つこの城が若狭東端を守る若越国境の城だと実感。
中井先生曰く、
このラインで城の様相がががらりと代わり、朝倉の城になるとのこと。
うう…まわってみたい。
国境の城はこういうところがおもしろいなあと思う。
けれどいかんせん、土地勘がないのが残念。
やはり関東人の私は、このあたりの歴史や地理・地形は疎すぎるなあ。
知っていたら、もっと楽しいのに。
歴史資料館で資料をあれこれ入手したので、読み込んでまた教えていただこう。
主郭の東南隅には土塁というか土壇がありました。
なにか天守に匹敵する建造物があったのだろうか…。
切岸に石がごろごろ散在していて、聞いたところ石垣が崩れたものとのこと。
その先には大きな堀切があって、南東側をしっかり遮断していました。
ちょっと降りて見てみたところ、さらにその先に4〜5つの堀切が。
最端部らしきところでサル軍団に遭遇したので慌てて戻りました。
北西の曲輪群は行く時間はなく、なんとなく確認。
登城道の中腹にある伝二ノ丸は全員で立ち寄りました。
現在の登城道は後からつくられたもので、
この伝二ノ丸を通るのが正規ルートだっただろうから、
城主居館跡の西側を通ってここに至ったということ…?
見ものは、西側から東側への動きに備えた、立派な喰違虎口!
高い土塁は南側だけにしかなく、西と南からの侵攻に備えた曲輪のようです。
若狭歴史資料館、きれいで展示が見やすくて、登城前後に寄れてすごくいい。
ブックレットや講演録も充実していて、思わず散財。
史料が揃った図書コーナーのようなところもありました。
センゴクセミナーはランチ付き。
潔いブルーが美しい若狭湾のそばで、甘えびー。
うどんとそばが一緒になった「うそば」も若狭名物だそう
晴天のなか城を歩けたし、たくさんお話しも聞けたし、
道中のおしゃべりも楽しかったし、地のものも食べられたし。
そして若狭国吉城は歩きやすく整備されていて、なによりいい城だったし。
秋の休日を満喫でした。
センゴクセミナーはいつもお気遣いがあって楽しいです。
伊吹薬草の里文化センターのTさん、ありがとうございます!
〆のみかんソフト。かなり美味でした。