文藝春秋連載「一城一食」第12回
もう9月号が発売されてしまったので読めぬのですが。
月刊「文藝春秋」2020年8月号、連載「一城一食」第12回は
🏯小田原城
🥢超特選蒲鉾 古今(鈴廣)
🍶鈴廣「箱根ビール」「海と大地」
でした。
鈴廣さん、有名企業だけあって取材がとても楽しかった!
それを書くということを、もっとやりたい。
奇矯な事業展開に思えてただのアイディア寄せ集めにならないのは、理念の強さと浸透力。
ブレない軸があると、選択肢と可能性がおもしろいように広がるな。
実行力より前に、構造式を読み解く力、構成する力が必要。
一貫した理念の上に“物事を見る別の目”がこの企業にはあって、
その目が、蕾の多いビジネス構造を生み出すのだな、と。
大手企業でも個人でも同じですね。勉強になります。
あと、伝えることに対する真摯さと重要さを教わりました。
一時的に興味を引くことは簡単だけど、
扱い方が雑だと、知られることはあっても伝わることはないのだ、と。肝に銘じようと思います。
今回の取材とは関係ないところだけれど、
製造現場を見学していて、職人さんの多さ、しかも若い方がずいぶん多いなあと感じ、ふと尋ねたところ、
鈴廣さんでは「魚肉たんぱく研究所」なるものを設立していて、
味や製法だけでなく、「伝統の技」も科学的に立証しているそうです。
その取り組みに触れ、職人の道を目指す方がいるとのこと。
「この文化はすばらしいのだ!」「歴史的な価値がある!」「伝統は守らなくては!」
…などとただ叫んでいるだけではダメで(不必要とは言わないけど)。
自分の価値観や世界観で一方的に語っていても、
聞いてはくれるかもしれないけれど、本当の意味でちっとも伝わらない。
自発的に考えてもらう、感じてもらう、動いてもらうためには、
ある種の熱意が邪魔をすることもあるのかもしれません。
広めるのではなく伝えるためには、
そんなことよりもっともっと必要で重要なことがあるのだ、と、
それを感じ考えられたのが、私にとってはこの日の取材の一番の収穫でした。
思わず読み込んでしまった、魚肉たんぱく研究所のサイト。
URLは、すり身ドットコム。一途だな。笑。
https://www.surimi.com/