城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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四国城めぐり&島めぐり-6

10月9日、いよいよ直島に発つ日。
もうこの2ヶ月でエピソードは語り尽くしたので、フォトギャラリー的にお楽しみください。

 

  
   

島へ渡る前に、早起きして栗林公園へ。
栗林公園はミシュラン日本の庭園ベスト5にも入る、日本を代表する回遊式大名庭園。
江戸時代初期に造られ、文化財庭園としては日本一の広さを誇る特別名勝です。

こちらの花園亭で、おかゆの朝食がいただけるのです。
水面に映る朝日がキラキラ。静寂と開放が入り交じる、凛とした感じ。
うどんもいいけど、おかゆもナイス。早起きっていいなあ、と思いました。

 

   

食後は庭園内をおさんぽ。
ハート型に刈られたつつじは女子スポット。私は出口に備え付けられたハタキの用途のほうが気になります。

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さて、ようやくこの旅のメイン会場、いざ直島へ!!
…と思ったら、なんと、フェリーが大混雑!
いや、混雑を予想してかなり早めに高松港へ行ったのですが、その人混みや想像以上。NHKもいたくらい。
ギリギリ次のフェリーの乗船券購入権を得たものの、それでもなーんにもない港で4時間待ち。
(このあとの人、直島には行けなかったんじゃないかしら…)

そこで、機転を利かせて、空席のあった男木島行きのフェリーに乗り込むことに。
直島に宿を取っていたおかげで、臨機応変な動きができました。

 
  
こちらは、高松からフェリーで20分のところにある女木島。
下船はせず、船上から港を見下ろす。鬼ヶ島?だそうで、鬼の銅像が島の入口に鎮座してました。
カモメがいっぱい!と思ったら、これもアートのひとつでした。
 
 
  
  
おだやかな海を見ているうちに、男木島に到着。
どどっと押し寄せる観光客をよそに、のんびり釣りをしている島民の方の姿に、まずはほっこり。
 
 
    
   
男木島は、面積1.37km、人口200人の島。
平地がほとんどなく、斜面に密集して民家が建ち並び、その間を縫うようにして細い路地が通っています。
 
 
 
左/ジャウメ・プレンサ「男木島の魂」 右/ 井村 隆 「カラクリン」
 
 
いいですね、こういう光景。こどものあそびば。
 
 
   
   
ジェームズ・ダーリング&レスリー・フォーウッド「ウォールワーク5 –カモ島からカモ神社へ–」周辺。 
 
「翌日に行けたらいいね〜」なんてのん気に考えていた男木島だけれど、実によかった!
石垣で埋め尽くされた島で、城メグリスト的にはもうコーフン。
 
 
 
左/アートの一部と勘違いしそうな、おじさんの帽子 右/谷口 智子「オルガン」 
 
 
  
  
西堀 隆史「うちわの骨の家」
 
 
  
これも「オルガン」の一部?リボンちゃんが懐かしい。
 
 
   
眞壁 陸二「男木島 路地壁画プロジェクトwallalley」
 
 
   
オンバ・ファクトリー「オンバ・ファクトリー」
 
 
   
  
谷山 恭子「雨の路地」
時間になると雨が降ります。これ、好き。
 
 
   
   
高台の豊玉姫神社は安産の神様。
まるで城歩きをしているかのような、石垣の路地がステキ。
 
みんなアート目的の観光客なので基本的に大騒ぎしている人はいないのだけれど、
普段は静かなんだろうなあ、こんなにたくさんよそ者が押しかけて、迷惑なんだろうなあ、なんて思って
ちょこっとお話をしたおばあちゃんにそれとなく伝えてみたら、
「たくさん人が来てくれてうれしいんよ。もうすぐみんな来てくれなくなるけん、さみしくなるねえ」と
ニコニコしながらおっしゃっていたのが印象的でした。
他を寄せ付けないことが基準のこの発想が、すでに私の汚れた都会人の心を表しているようで、
ちょっぴり恥ずかしくもあった瞬間でした。
 
 

島こころ椅子プロジェクトグループ「島こころ椅子プロジェクト」
 
 
   
左、左から2番目/漆の家プロジェクト「漆の家プロジェクト」 
3番目/高橋 治希「Sea Vine」、 北山 善夫「誕生─性─生─死─家─男木島伝説」などは40分待ちの大行列。断念。
右/北山 善夫「誕生─性─生─死─家─男木島伝説」の一部。
 
 
   
中西中井「海と空と石垣の街」コレ見たかったんです。
 
 
   
この<めおんバーガー>が尋常じゃなくおいしく、感動すら覚えました。
「モスにご当地バーガーとして持ち込んだら採用されるんじゃないか」とか
めおんバーガーの商品化について物議を醸し出したほどでした。
 
 
   
左、左から2番目/カフェでゆれていたオブジェ。
3番目、右/川島猛とドリームフレンズ「川島猛とドリームフレンズ」 まるいのは、想い出玉なんだそうだ。
 
 
最終フェリーが定員オーバーだったら大変、ということで、後ろ髪引かれつつも男木島を後にし、直島へ移動。

 

男木島の方のお手製たこ飯がおいしかったです。ビールもグビッとね(食べもののことばっかりです)。
 

 

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直島は大きく分けて3つのエリアに分かれます。ひとまず、家プロジェクトへ。
アプロプリエイトプロポーション 杉本 博司「護王神社」 は地下に降りられますが、60分待ち。
地上の姿だけ見て、あとはうろうろ。焼肉エビピラフなのか、ピラフ2種なのか考えながら…。
ほかに、須田 悦弘「碁会所」、千住 博「石橋/空の庭/ザ・フォールズ」など。  
室内の水のアート、Sea of Time’98(時の海’98)「角屋」が好きでした。(撮影NG)

 

  

期間限定のアートフェスとは関係なく、ベネッセミュージアムやら地中美術館やらもある、すでにアートな直島。
街並みとか、お宅のしつらいとか、区役所までなんだかステキ。
バスの中から見た小学校も、なんだかアート。この島出身の人、センスよさそう。
この真ん中の写真のお宅、本当にステキ!住人の女性も、上品で清楚で綺麗な方でした。

 

   
大竹 伸朗 / graf「はいしゃ」  
ここも大行列だったようですが、終了寸前にすべりこんだおかげで10分待ちくらいで見られました。
こまかいところまでなんだかユカイ。

 

  
宿のある宮浦港へ戻って、きれいな夕陽を見ました。本当に、キレイだったのです。
草間彌生のかぼちゃの中から見る、まあるく切り取られた夕陽もステキ。

 

   
直島でいちばん楽しみにしていた、直島銭湯I♥湯(あいらぶゆ)。
アーティスト大竹信朗さんの、美術作品であり、実際に入湯できる施設。夢で見たことがありそうな銭湯です。
デザイン・設計協力はgrafなんですね。
こんなに要素が多いのに、飽きがこないし、なんだか落ち着く。新しいのに懐かしい。
近代アート居心地ではなくて、お風呂屋さん、って感じがしましたよ。

混んでましたが、人数制限してくれていたおかげで、洗い場が足りないことはなく。
でも人が待機していると思うとやや急ぎ気味になってしまい、
タイルをひとつひとつ眺めるゆとりはありませんでした。
トイレもちょっと凝っていたみたいなんですが、見られず。
宿を出る前にトイレを済ませるという優等生的行動が裏目に出ました。残念。

タオルやらお風呂セットやら、いろいろグッズも購入して満足です。
 

宿泊は、居酒屋さんの座敷を部屋としてあてがわれるという、斬新な体験しました。
ある意味くつろげて楽しかったけど、無防備だったなぁ…。
「どこで顔洗うんだろう、シンク?」とか「もしかして、居酒屋の酒を深夜に飲み放題!?」などと
いろいろ考えていましたが、わりとちゃんと宿泊仕様でした。
Mさん、予約ありがとうございました!

 
*四国城めぐり&島めぐり-7 へ続く
 
 
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