城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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【城メグツアー#9 江戸城北の丸夜桜ウォーク】レポート

城(46)の日江戸城パトロール → に引き続き、
【城メグツアー#9 江戸城北の丸夜桜ウォーク】を開催しました。
花見の定番・田安門の桜のトンネルから、千鳥が淵緑道を半蔵門までを歩きます。

お花見のルーツは、2つあるようですが、平安時代まで遡り、嵯峨天皇が催した宴がはじまりのよう。
室町時代にも、武士階級の間で楽しまれていたことがわかっています。
織豊期だと、豊臣秀吉の<醍醐の花見>が有名ですね。

それまで貴族や上流階級だけがたしなんだお花見という風流を庶民に教え推奨してくれたのは、
徳川8代将軍・徳川吉宗。そう、<暴れん坊将軍>のモデルさんです。
江戸城吹山(現・東宮御所)の御殿にあった桜を、隅田川堤や飛鳥山に移植したのがきっかけです。

なんてったって吉宗公は、あれもこれも、数々の改革をした方。
(これはもう、吉宗トリビアで本が一冊できそうなので割愛)
さすがしんさん、お城を抜け出して町人に扮し、城下のトラブルを1人で解決!
・・・なんてことはなかったと思いますが、やっぱり庶民の見方ですね。

千鳥が淵緑道の桜並木は、江戸城築城時からあったわけではなく、おそらく戦後に植えられたものでしょう。
靖国神社や戦没者慰霊碑の近くですから、そのあたりの事情も反映されているのかもしれません。

さて、江戸城についての城メグツアーガイドは、重要文化財、現存の田安門からスタート。
田安門は、田安徳川さん家の門です。田安徳川家は、徳川御三卿のひとつ。
ということで、御三卿、御三家について、現在の名残、代官町通りについてなどをご説明しつつ、
北の丸の存在やら、江戸時代以前の姿、時代による変化などをトーク。
江戸城郭全体の位置確認など、ディスカバー江戸城していただきました。

ちなみに、御三卿をつくったのも、8代将軍吉宗公です。
後継者争いを防ぐために、次男・三男を分家させました(田安家・一橋家)。
※これに9代将軍家重が次男を別家させ(清水家)、三家が確立。

江戸城のあるこの地は、東京のど真ん中ですから、交通の利便性は抜群。
東京近郊の方にとっては、散歩がてら訪れられるお手軽なお城です。
緑も多く、道路が舗装されており、ウォーキングするにも最適。そして、一部が皇居ですから、安心・安全!
江戸時代の中枢として、264年間、日本のすべてがここから発信され、現在の東京の基盤がここにあるんです。

北の丸公園として整備されているので、<皇居の隣のデカい公園>と認識されているかもしれませんが、
実はこの場所は、なかなかに格式高い、立派な江戸城内なのですよー。
日本武道館も、城好きから言わせると、すごい立地なのです。

江戸城をあるく城メグツアー、プランが無限に広がりそうです。
気軽に楽しめるツアーをプランニングして行きたいと思いますので、
どうぞ、軽〜い気持ちでお城あるきに来てくださいね。

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