小豆島 石の歴史シンポジウム
小豆島 石の歴史シンポジウム
「大坂城の石垣普請と瀬戸内の石切丁場」
~世界最大級の大坂城石垣を支えた島石の魅力を求めて~
に参加してきました。
5日は、シンポジウム。各分野のスペシャリストによる基調講演やパネルディスカッション。
6日は、石切丁場跡をめぐる「石の道探訪」と、瀬戸内の海と石をめぐる「石の里クルージング」。
石の写真ばかり載せられても、さっぱりなんのことやらわからないことでしょう。
ああ、1枚1枚ストーリーがあるんですが。しかも、かなり厳選の写真なんですが。
濃密すぎる石の歴史、いずれ書きたいなあ。ちゃんと記事を書きたい。
ひと言でいうと、「大坂城の石垣はスゴイ!」ってことです(ざっくり)。
歴史的石造構造物として価値があり、現代の専門家から見ても技術面で学ぶことが多いそう。
姫路城は世界“文化”遺産なんですが、大坂城はポイントというか存在意義がベツモノで、
世界“土木”遺産として価値がある、というのが結論です。
城を支える石材の魅力と、石材からひも解く城郭史のおもしろさ、
土木遺産の価値についてしみじみと考えさせられました。
このイベント、今年が大坂城天守閣復興80周年ということにちなむようで、
大坂城の石垣の材料である小豆島の上質な石とその文化を掘り下げる企画。
大坂城は「太閤さんの城」などと言われていますが、
秀吉時代の大坂城は地下に埋まっていて、現在の姿は徳川時代のもの(天守は昭和です)。
徳川秀忠の命による天下普請、つまりは現代でいえば国の一大事業なわけで、
一大名が築いた城とは比べ物にならないほど、いろんな意味でハイレベル。
そして、その背景にはおもしろい情勢や人の動きがあるわけです。
文化財として世界遺産レベルの価値があるかどうかは私には判断できませんが、
国指定の遺産がありながら、まったく知られていないのがもったいないなあ、と思いました。
たいていの人が、小豆島=オリーブ&醤油、では?
城や歴史や島や石が好きかとかではなく、観光地としても知名度の低さは否めない。
歴史好きが「こりゃスゴい!歴史的価値がある!」と叫んでいても、
マニアの世界のマニアトークでしかないんですよね。
何事も、価値を伝える、知ってもらうというのは、道のりが長く難しいですね。
宿泊した旅館が先生方と同じで、移動のマイクロバスも先生とご一緒!
車内で繰り広げられる先生方のストーントークはアツいものがありました。
わかりやすく説明してくださり、勉強になるというより、感心と発見の連続でワクワク。
先生方の専門分野が違うので、石材としての魅力、力学的な観点、歴史的な意味などなど
サイドストーリーもさまざまでとても楽しかったです。