城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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ブリューゲル版画の世界

【ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界】@bunkamura ザ・ミュージアムを観てきました。

私は版画もキリスト教も西洋美術もブリューゲルもまっっったくの無知で、 
感想を述べるレベルではないのですが・・・。

「スミ1色の濃淡、1本の線で、ここまで表現できるんだぁ〜」とまずはベタに感動。 
だって、日本では織田信長が桶狭間の戦い(1560年)とかしてる頃ですよ。 
日本が群雄割拠しているとき、はるか海の向こうでは豊かな発想と思想が飛び交って、 
こんなすばらしい芸術作品が次々と生まれていたのですねえ。 
そりゃ織田信長も南蛮文化を取り入れますよ。

 

・・・と話が逸れましたが、 
ブリューゲルの版画には諺やちりばめられていて、いわゆる風刺画みたいな作品のオンパレード。 
ヘンなイキモノがうじゃうじゃ登場します。 
まるで百鬼夜行の妖怪みたいなのだけれど、これがシニカルでおもしろい!

バックボーンがわからず、諺の裏側は「?」だらけだったけれど、 
作品の向こうに人々の生活や考え方が見えて、ドキッとしたり、ほのぼのしたり。
風景画もステキだったけれど、<第4章 人間観察と道徳教訓の世界>がよかったかな。 
ジャンルを問わず、人間描写みたいなものが私は好きなのです。

ブリューゲルさんという方は、 世の中をまっすぐに、誠実に見ていたんだろうなあ、と感じました。 
ヘンな生きものたちはグロテスクだけど、なんだか愛嬌があって、キモかわいい。 
そのキモかわくんが自分の中にも住んでいるから、親近感がわくのかもしれませんね。 

こちらで、いくつかの作品をズームアップしてみることができます→click!

 

 

ピンポイントのお気に入りは、<第5章 諺を通じて知る「青いマント」の世界>の《大食》。
作品の中に、自分のビール腹をリアカーに乗せて歩いているコビトがいるの。かわいい〜(笑)!!

 

・・・と、なかなか奥深いブリューゲルの世界を、私なりに楽しんできました。
版画や西洋美術に詳しい方に、いろいろ聞いてみたいところです。
8月29日までやってますので、ぜひ。
 
 
 
ただし!!! この美術展、時間と体力と集中力があるときに行ってください。
細部の描写がポイントだけに、ささっと全体を見て、気に入った作品をじっくり・・・とはいきません。
舐めるようにぐいーっと近づかざるをえないので、1作品に滞在する時間もおのずと長くなります。
(40もの諺が隠れちゃってる作品なんぞは、さあ大変!)
ギャラリーもけっこう多く、エネルギーが必要ですよ(笑)
 
 
 
入口で渡されるリーフレットもかわいいのだ。
 
 
サイトも凝ってます。一読してから行くべし。→click!
 
 
 
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