城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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香川元太郎さん作品展「迷路遊びからお城イラストへ」

明石市立文化博物館で今日から開催、香川元太郎さんの作品展へ。

人間国宝(私認定)の香川さん。
久しぶりにお会いできて、お話も伺えて幸せでした。

なんでしょう、この人を幸せにする作品たちは!
迷路や隠し絵に留まらない遊び心が満載。
さらに、説明されないとわからない、マニアックでユーモラスな香川さんワールドも全開!

「カブトムシは必ず胴体に切れ目が入るから、それを竪堀に見立てて山城と融合してる」
「迷路だけど高低差的に全体は石山本願寺をイメージ」
「戦国時代には日本にいない動物を間違い探しにしてる」
「上京と下京をここで分けて、舞台が京都だから密かに明智光秀を描いてある」
…って、そんなことできるのは香川さんだけです!笑

人々や動物の動きや表情も、ひとつひとつがやさしくてかわいいなあ!
絵画としての美しさ繊細さもあって、ずっと見てられる☺︎
香川さんのお人柄があふれてる。
4時間くらいかけて見たかったです。

やっぱり香川さんは人間国宝!
ていねいにご説明くださるも、「それ一般人できないです」って言っちゃったもん。
共同制作されている香川志織さんにもお久しぶりに☺︎
志織さんの絵本の世界もステキでした。

 

もちろん、お城ファンにはおなじみの城郭復元イラスト原画もたくさん展示されてますよ。
9/1まで。
お近くの方はぜひぜひぜひ。
小学生大興奮間違いなし!

 

修復取材/姫路城の漆喰

姫路城の修復事業をしている左官工、株式会社山脇組の山脇社長に漆喰のお話を伺ってきました。
お忙しい中、取材ご対応いただきありがたく。
申し訳ない…と思いつつ、3時間も居座ってしまった。。
思いと信念のある方は本当に魅力的。

専門的なことはもちろん。
ちょっとしたお言葉に、歴史の重み、城の真髄、本質的な価値を感じるのです。

このすばらしさをどう表現しよう、どうにかして伝えたい。
このまま増えろ!わたしのドーパミン。

 



⁡脱皮して切り開きたいのにその能力がない感じ。
しかしないものは仕方ないのであるものでどうにかするしかない。
こんなことの繰り返しですね。
私も自分のジャンルの職人になりたい。学びたい。

 

最終的には前のめり!笑

 

北海道取材

今週は北海道。道南4日間を終え、大移動して道東に着きました✈︎

道南、かつて地続きだったこともあってか、松前の縄文遺跡なぞは青森や秋田と共通するらしい。
今回は中世以降の取材なんだけど、その時代も津軽安東氏下の豪族がやってくるんだもんね。

5月に古代東北の取材をしていて、あれやこれや北海道と共通項あるなあ、などと考えていたんだけども、
北海道からも東北を知ることができるとは!
点と点がつながると歴史は楽しい☺︎
そしてつながった線は、やがて蜘蛛の巣のように複雑化する。
(キレイにいくといいんだがたいてい頭こんがらかる)

⁡つながるといえば、
江戸後期に松前藩家老の蛎崎波響(12代資広五男)が描いたアイヌ絵「夷酋列像 」2組のうち1組が
フランス・ブザンソン美術考古学博物館にあると知り驚き。

先月、函館五稜郭に通じる城塞を見るためブザンソンを訪れたのだけど、日本からブザンソンへ渡ったものもあったとは…!

幕末に美術工芸品として、なのかなあ。
担当の方が専門外につきよくわからなかったんだけど、いろんな意味で気になる気になる。
そういえば、北斎美術館の広報の方がフランス人の来館者が多いと言ってたな。
幕末のフランス人にも、なにか共感できるものがあったのかもしれません。

 

 

写真は仕事と関係ない、おととい訪れた、函館の千畳敷砲台・戦闘司令所跡。
4時起き全集中で取材を片付け、食事も取らず時間を捻出。
意外と暑くてフラフラになった上、意外と残存度高く廃墟感強めで…怖かったっす。笑

 

連載第291回目は石垣山一夜城

朝日新聞デジタル&TRAVELの連載「城旅へようこそ」。
連載第291回目(6/17配信)は石垣山一夜城です。
Yahoo!ニュースにも転載されております。好評。
感想ありがとう☺︎

何度訪れてもすばらしい!とても好きな城です。


珠玉の名城!秀吉が築いた総石垣の城・第1号 石垣山一夜城

*バックナンバーもすべて無料で読めます

 

フランスから帰国

フランス人は親切な人が多く、すぐに「大丈夫?」って声かけてくれるのが印象的でした。
現実的に役に立てるかは別として、今自分がどう思うかを大切にしているというか、何事にも自分軸があるような。
そして、とっても自由!
でも、“奔放の上の自由”ではなく“素直の延長線上にある自由”のような。
なんにせよ、迷わず声をかけられてナチュラルに笑顔で気の利いた言葉が返せるのは
人としてかっこいいし美しいなと思いました。

パレ、シャトー、シタデル、フォート。
その違いと変化、日本との相違点や共通項とその理由。
自分の目で見て、時系列に沿って整理しながら体系的に考えられてよかった☺︎☺︎☺︎
じっくり消化して、昇華して、書きたい。
ああ、ブザンソン城塞とヌフ・ブリザックとリール城塞は本当にすばらしかったなあ!!

 

 

パリに住む姉にも5年ぶり?に会えました。
一生飲んでられるくらいワインおいしかったー。

 

 

パリオリンピックはさほど盛り上がってなかったです。笑

 

フランス/フィリップオギューストの城壁

パリでいちばん感動した、フィリップオギューストの城壁。
フィリップ2世が十字軍遠征時にパリを守るべく、12世紀(!)に囲んだ全長540メートルの城壁。…の断片。

 

 

 

 

「中世のパリは本当に、シテ島を中心にした小さな城塞都市だったんだなあ!」と。
城壁の東西端に建てられた城塞のうち、西端がルーブル城塞(後のルーブル宮殿、現在のルーブル美術館)。
つまりルーブルが中世パリの西端なんですね。
中世の残り香、たまりません。

 

 

高さは10メートルくらいかなあ。
60メートル毎に高さ15メートル3階建てのの棟が77本、右岸に6、左岸に5の門が置かれていたらしい。

ここに限らず、文化財の残存度(保存・修復度)が高いなあと思いました。
あと、パリの都市構造を見ていると江戸城下町のすごさがわかる。笑

 

ルーブル、ヴェルサイユももちろん堪能。
いろいろ行きたいところがあったんだけど、とくにパリの美術館は行ききれないですねー

 

フランス/ロワールの古城

「フランスの城見てくる」と伝えた人がイメージしているであろう、世界遺産・ロワール渓谷沿いの城にようやく。

100以上のうち7城しか見られなかったけど、いやはや、それでも個性豊か!
用途・築城/改変者・時期などなど。
悲喜交々の歴史ストーリーが感じられました。
ダヴィンチ設計説、シャンボール城の二重螺旋階段よかったですよ。

トップの写真はロワールの古城ではなく、笑
パリ東部のヴァンセンヌ城、囚人の壁画。
王の城なのにやがて監獄としても使われたカオス感。
窓なくて窓枠とお花描いたりするのかわいい☺︎

 

フランス/モン・サン・ミシェル

モン・サン・ミシェル!

修道院は簡古素朴というか華美の逆方向の美で。
ステンドグラスも、透けた空の青を含めて完成する感じがとてもよい。

城ではないけど要塞化された歴史あり、
城壁の一角には狭間や石落とし(やや後付け感ややかわいめ)もありました。

 

フランス/リール城塞

リール城塞。
ヴォーバン初期、日本人には親近感高めな稜堡5つの五稜郭。(築造時期は恐ろしいほど遡ります)

 

星型内部は現役の軍事基地につき侵入禁止。
入ったら殺すぞ的な緊張感、犬とランナー多すぎなほのぼの感、
手つかずな廃墟感、のコントラストがよきよきよき◯

五稜郭の外側にも城塞は広がっていて、現在はただただ平和なシタデルパーク(城塞公園)に。

 

ロゴかわいいです☺︎

思いのほか見ごたえありでメモ満載でした。
ここ好きだなー

 

 

フランス/ヌフ・ブリザック

今日はココでした。
世界遺産「ヴォーバンの防衛施設群」のひとつ、ヌフ・ブリザック。
東3.5kmにはドイツ国境のライン川、そしてブライザッハ。
これが江戸中期に成立していたとは…!

 

 

 

 

楽しみすぎて、自作のTシャツで攻城。
Tシャツで居場所を説明するスタイルです。

 



「クールなシャツ着てるからこれあげるよ!」と
案内所のお兄さんがヌフ・ブリザックのパネルくれました☺︎

こんなことしてもらえるのは子供かオタクだけ。笑