城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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コクーン歌舞伎「天日坊」

コクーン歌舞伎を観に行ってきました。
中村勘九郎(元勘太郎)さん、お父さんの勘三郎(元勘九郎)さんと声もセリフまわしもそっくり。遺伝子ってすごい。
…というひとまずしょーもない感想。

こういう、正統派のベースは守りつつ、新しいものを取り入れていく感じは好きです。

沖縄復帰40周年記念 紅型 BINGATA-琉球王朝のいろとかたち-

]

愛してやまないサントリー美術館、今回も尋常じゃなくよかったー。

複雑繊細なものほど、究極のシンプルなんだな、と。とくに目ではなくて心で見るものは。

最近ちょっと凝り固まってたので反省。。

思わず図録も購入してしまいました。

 

24時間マラソン

2012.7.14~15に行われた
コニカミノルタ ランナーズ 24時間リレーマラソン in富士北山麓公園大会
に出場しました。

13〜4人が1チームになって、襷をつなぎながら
1周1.6kmのコースを24時間走り続けるというもの。

お友達に誘われ軽い気持ちで初参加してみましたが、いやー、ステキすぎました。

実は「24時間頑張って走り切ったー!」という達成感はほとんどなくて、
ただただ24時間とにかく楽しかったというのと、
ステキすぎる人たちに囲まれて私ってば幸せ~、というふわふわした気持ちに包まれてました。
すごい豪華で乗り心地のよいお神輿を用意してもらって、
乗っけてもらってワッショイされて、終始ご満悦だった感じ。

人とつながるありがたみって、わかってはいるし知ってもいるけど、
自力でコントロールできるものではないから、心の底から実感できることが奇跡に思えてくる。
温泉ダッシュ、夜の花火大会、富士山の夕暮れ、夜明け前の空。
チームメイトの頑張る姿やキラキラの笑顔…きれいなものをたくさん見ました。忘れません。

奇跡と偶然とは紙一重だなあといつも思う。
ピンク&ブルーチームのみなさん、私と出会ってくれてありがとう。
&レッドリボン軍のみなさん、感動をありがとうございます。
※赤いユニフォームの本気チームがレッドリッボン軍。なんと4位!なぜか私が誇らしい(笑)

 

集合写真、ここに載っけていいのかなー。
まいっか。ミニミニサイズで。
写真見てるだけで泣けてきちゃうな(←涙腺ゆるゆる)

沖縄取材2012

琉球王国へ1泊2日の弾丸取材。
せっかく7月の沖縄へ行ったというのに、
ビーチなど行く時間はなく、ひらすらグスク、グスク、グスク。
でも、移動中にちょこりと青い空と広い海を堪能できました。沖縄は空が広くていいですね。

沖縄の歴史は重い。そして深い。
''本島の人''はともかく''日本の人''と面と向かって言われると考えてしまう…。

ちょっと頭が痛くなったけど、キレイな空と海でパワーチャージできました。

本島のお城も「史料がない」はよくあることですが、沖縄の史料は本当になにもない。
史料どころか、沖縄戦で全部失ってしまったんですね。本当に、全部。
名古屋城本丸御殿の障壁画は疎開して無事だったり、
姫路城が無事だったのも、天守を狙われないよう覆って隠したという説があるほどですが(諸説あります)、
こういう言い方は不適切かもしれませんが、沖縄に比べればある種のゆとりがあるということですね。
なんというか、リアルな沖縄の位置付けを感じました。

 

 

沖縄の城はグスクといい性質も構造も本島の城とは一線を介すもの。歴史も技術も在り方も全然違う。
琉球石灰岩というやわらかな(でも固くて重い)石材を使った、たなびくような曲線の石垣が特長です。
本島で、総石垣の城の始祖を安土城とするなら、1576年。
しかもこのときは高石垣ではないわけだから、築造技術は比になりませんね。
首里城、今帰仁城、中城城、勝連城、座喜味城の5つのグスクが、
その関連遺産の4つの遺物(園比屋武御嶽石門、玉陵、識名園、斎場御嶽)とともに世界遺産登録されているのですが、
首里城以外は人がいなさすぎで残念に思いました。由々しき問題です。
もっと文化財のすばらしさを広めていかないと!

沖縄の方は、いろんなエッセンスを上手に取り込んで、
それをただ真似するのではなく独自のものをつくり出すセンスがあるんですね。
だから独立国家としての文化が確立されていながら、どこかノスタルジーを感じたりするのだと思います。
その話を取材先の方にしたら、
「沖縄は独自のものがないので、他から取り入れるしか手がないのですが…
でも、たしかに取り入れて生み出すのは得意かもしれません」とおっしゃっていました。

グスクだけで一冊本が書けそうな気もするし、
琉球王国の歴史、琉球王国の文化。なにか形にしたいなあと強く強く思ったのでした。
これをいうと沖縄の人に怒られそうですが…
ノウハウがないのか、不向きなのか、あんまり編集が上手じゃなさそうです。
数が少ない訳ではないのにあまりいい資料や文献がないし、まとまりが悪くて読みにくいものが多い。
ネタがあるのにもったいない。
編集者のみなさん、狙い目ですよ(笑)
もちろん、ライター・作家もね。
 

日本城検定開催記念シンポジウムin東京

日本城検定開催記念シンポジウムin東京 に行ってきました。

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タイトル:「日本の城の魅力を語る」
会場護国寺 天風会館1F(自由席)
シンポジウム内容
小和田哲男 氏:「戦国の城の魅力を語る」
加藤理文 氏:「後北条氏の城」
中井均 氏    :「徳川の城」
鼎談「関東の戦国城郭」
コーディネーター:中井均 氏
講師:小和田哲男 氏、加藤理文 氏、中井均 氏
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こんな豪華な先生方が東京に集結してくださることなんてないです。贅沢!
そして関東ということで北条の城について。
これを書いているのは、実は9月。備忘録的日記なので内容はもう書きませんが
忘れることはない内容でした。

関東出身のくせに北条の城についてまだまだ不勉強なところがある私。
きちんと勉強し直したいジャンルです。

日本城検定の特典小冊子のコラムを書かせていただいてます。
シンポジウム後、楽屋にご挨拶に行ったら、先生方が大盛り上がりしておりました。
少年のような無邪気なお城トークだったのでしょうか。…というちょこっと裏話でした(笑)

イキウメ「ミッション」

大好きな劇団イキウメ【ミッション】をシアタートラムを観てきました。

今作はかなりよかったぞ。
私も日々、使命について少なからず考えるのだけど
形のないものって空しくて、度をすぎたり方向を見失いやすいんですよね。
でもそういうところが人間らしいところなのだけど。

違う表現や世界に目を向けて自分なりに考えることは大事だなあ、と。
 

天下統一!城攻めナイト

「全国城攻め手帖(メディアファクトリー)」発売記念イベント
天下統一!城攻めナイトに行ってきました。

ゲストはいまあ城好き著名人の筆頭、春風亭昇太師匠。
スライドを使ったトークショー、かなりわかりやすくて会場が一体化してました。

昇太師匠は本当にいつも楽しそうにお城の話をなさいますね。
当たり前すぎて失礼ですが、トークのテンポがすばらしくて時間を忘れるほど話が楽しい。
山城なんて知らない人でも、なにやらワクワクしてしまうのも納得です。
私も少しは表現力をつけたいものです。

ちなみに昇太師匠、「城好きの人」というムード歌謡でCDデビューするそうです(笑)

大人計画「ウェルカム ニッポン」

愛して止まない大人計画の久々の本公演へ行ってきました。

うーん、わからなかったー!(笑)
エネルギッシュではあったけれど、
私の今日の心理状態では奔放すぎてついて行けなかった。。
確実なのは(毎回共通の総論)、
舞台上の阿部サダさんはやっぱりまぶしすぎるということと、
俳優をしているときのクドカンはかっこいい、ということです。

私はまだ、この震災の触れ方にはちょっと抵抗があったかな。
いや、けっして軽率な扱いというわけではないですが。
しかし、それこそが松尾節というか、
しょうもないことでゲラゲラ笑い転がせられた直後に
ちょっと嫌な気持ちにさせられたりするのが、ある意味いかにも、なんだな。
人間の歪みや暗い部分に直面するのは、ものすごく重い。けどおもしろい。
 

江戸時代の脳トレ

最近ちょいと江戸の歴史や文化を勉強しているのですが、
先生が頭の小休止として出題してくれる<判じ絵>がおもしろい。

判じ絵とは、半単語の音を絵に置き換えて表現するもの。
たとえば、トップphでいうと、
8番→「2本(にほん)」の「橋(はし)」に濁点がついて「日本橋」、
9番→「8(はち)」匹の「蝶(ちょう)」+「“のぼり”の上が切れているので“ぼり”」で
「八丁堀」、という具合です。

なぞなぞ好きな江戸っ子の茶目っ気たっぷりの知的娯楽。
笑えるものから、あまりのくだらなさにイラッとするものまでいろいろだけれど、
江戸時代の人は頭がやわらかかったんだあ、と感心。
必要なのはカンとユーモア、かな。
最初はまったくわかりませんでしたが、慣れてくるとひらめいてくるからフシギです。
 

代官山の手ぬぐい屋さん「かまわぬ」も判じ絵。
「鎌(かま)」+「輪(わ)」+「ぬ」。「へのぬ」じゃないですよ。

江戸っ子は教養が高かったこともわかりますね。
読み書きができなければ、こんな高度な言葉遊びはできませんもん。

江戸しぐさと落語の会

<江戸しぐさ>とは、江戸商人が生み出し町衆へ広まっていった、
トラブルを避け、気持ちよく暮らすためのセンス。
日常の立ち居振る舞いから言葉使いまで、人との付き合い全般にわたる知恵のことです。

雨の日、狭い下町の路地でがすれ違うときには、
相手が濡れないよう、お互いに傘をさりげなく斜めにする<傘かしげ>、
船に誰かが乗ってきたときは、全員が少しずつ詰めて席をつくる<こぶし腰浮かせ>、
足を踏んでしまったら、踏んだほうが謝るのはもちろん、
踏まれたほうも「こちらこそ、うっかりしてまして」というそぶりで返す<うかつあやまり>。

「へえ、こういう心配りができたら上品でいいなあ」くらいに思っていたのですが、
商人のリーダーが築いた行動哲学であるというルーツを聞いて納得。
上に立つ人のマナーやエチケット、自意識や心構えが網羅されたものであるのだと。
そこには徳川家康がつくりあげた国家構造も関係していて、ふむふむと聞き入ってしまいました。

江戸しぐさでいう“しぐさ”とは、「仕草」ではなく「思草」と書くそう。
つまり、思いやりが行動となったものです。
人にして気持ちいい、してもらって気持ちいい。共生の精神ですね。
そして、マナーではなく“くせ”だというところがポイント。
譲り合いの心を大切にし、自分は一歩引いて相手を立てる。
いばらず、こびず。相手を尊重し対等な人間同士として接することを
ごくごく自然に実戦していた、ということなんですね。
こうすればいい、こう言うべき、というマニュアルを実戦するのではなく
とっさに判断して無意識に行動する。これはけっこう難しい。

ちなみに江戸っ子の気質というのは
○目の前の人を仏の化身と思う
○時間どろぼうをしない
○初対面で肩書き、年齢を聞かない(人を見る目を養う)
○遊び心を忘れない(なぞなぞ大好き)
○世辞が言える
○口約束を守る(公約違反はもっともNG)
○見て分かることは言わない、読んでわかることは聞かない
○人の領域に入らない(餅は餅屋)
○知識ではなく感性で決める(情報に左右されない)
…などなどだそうです。

ものすごく共感できるのは、私が東京出身だからでしょうか?
(代々の江戸っ子ではありませんが)
上方との違いが出ているような。。

江戸っ子というと威勢がよくてちょっとガサツなイメージもありますが、
言葉使いがていねいで、“世辞”を言えるのが、本来の江戸っ子。
この“世辞”というのは、機嫌を取るためのおべんちゃらではなく、
「こんにちは(今日は)」の後に続く「いいお天気ですね」のような
会話が弾むきっかけになるような、気の効いたひとことのことだそうです。

なぜこの日記タイトルかというと、
<落語には江戸しぐさをテーマにしたものが多い>ということで
三遊亭竜楽師匠の『天災』を聞く会でもあったから。
しかし長くなるのでこの話は割愛します。
お後がよろしいようで〜(←これも江戸しぐさ)。