城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

●詳しいプロフィールはこちら

城メグリストのサイト

城メグリスト

●お仕事実績はこちら

アーカイブ


第18回「城の自由研究コンテスト」表彰式

審査員をさせてもらっている、
第18回小学生・中学生「城の自由研究コンテスト」の表彰式。

毎度書きますが、皆さんの柔軟な発想力と探究心よ!
疑問を持って、テーマを決めて、そこから逸れず、地道に調べ、尋ね、まとめ、考察できるのはすごいこと。
それを、筋道を立てて文字や図版や模型に落とし込むのには、エディトリアルな能力もいるかと。
(親御さんもすばらしいのでしょうね)
情報がいくらでも簡単に引き出せるこのご時世だけれど、
知識や情報の寄せ集めでは研究にならないし、
原点は頭や目や足を使った地道な積み重ねなのだと、再認識させられます。
その姿勢は私の仕事理念にも通じるところで、
毎年、身につまされる思いがします。。。

これは日本城郭協会理事としてではなく私個人の意見だけれど、
城の研究者になってほしいわけでもなく、城の道に進んでくれなくてもよいと思っている。
長い人生の中で、城を通したこの経験が、ひとつ役に立てばいいな、と。
こういう姿勢で物事に取り組める人は、きっと何をやっても物事や他人に関心を持てて、
真摯に取り組める立派な大人になるのでしょうね。
写真のようなふざけた大人にはならんであろう(笑)
偉い人はなれないかもしれないけど、豊かな人になると思う。
私は偉い人より、豊かな人のほうが魅力的だと思います。

21名の受賞者のうち、
文部科学大臣賞の鵜飼航くんと、日本城郭協会賞の土橋優里さん、
学研プラス賞五十嵐智洋くん・充輝くん、審査員特別賞の宮原知大くん、室伏好誠くんの5名がスピーチを。
感動のあまり、わたくし泣きそうになりました。。

もっとも感激したのは、鵜飼航くんと土橋優里さんが、
名古屋城再建や首里城正殿の焼失に触れ、
その歴史の中にある時間や人に思いを馳せたコメントをしていたこと。
数百年残っている建物=文化財、という無機質な物の見方ではなく、
血の通った見方で、自分なりに価値を見出して、しっかり発言していることに感動しました。
城を通じて、人々が積み重ねた時間や思いに触れてくれている。
それを、こんなに年が離れていて、生きてきた環境も常識も経験も、
価値観すら違うであろう私が共有できたことが、とてもうれしかったです。

そもそも歴史とは、そうやって1日1日が積み重ねられて作り上げられているものなんですよね。
ほかの受賞者のみなさんも同様で、
どんな研究テーマ、アプローチであれ、自分なりに城に向き合った人は、
そこに存在する時間や人々の尊さに触れることができるのだなと思いました。
ということは、裏を返せば、私にできること、すべきことは、まだまだまだまだあるのだな、と。
私もみなさんを見習って、大切だと思うものを大切に、伝えていきたいと思います。

受賞者のみなさん、おめでとうございます!
そして、ありがとうございました。

それにしても、みなさんかわいいかったなあー。