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萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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【城メグツアー#4 彦根マラソンツアー〜城めぐり篇〜】レポート

遅ればせながら、11/12(金)〜14(日)の旅、ダイジェストです。

1日目(11月12日)は、城メグツアーに先立ち、1日前乗りして、ひとり奈良へ。大和郡山城&高取城へ登城してきました。
お城レビューについては、改めて。<城ある記>でじーーくり書きますね。

 

まずは、大和郡山城。
日本には100名城以外にも名城がたっくさんあるんです。大和郡山城も、私が思うそのひとつ。
かなり語ることがたくさんありますが、簡単にザザッと。

 

現在遺構が残る姿、築城したのは豊臣秀長。豊臣秀吉の異父弟です。
まず、近鉄大和郡山駅の脇にある交番が天守閣モチーフなところに、城へのリスペクトを感じます。
三の丸には現在市庁舎が経ち、二の丸跡には現在高校が建っています。
ぽつりぽつりと残る城郭の足跡をたどりながら、現在は道路になっている鉄御門を抜け、本丸へ。
城内を電車が横切っていくという、珍しい風景も見られます。

 


復元された追手向櫓、追手門、東隅櫓を見上げながら、本丸内へ。

 

無骨な野面積みの石垣。これは本当に圧巻!
写真右は、柳沢文庫(旧柳沢邸)。
(江戸時代に入り、かの柳沢吉保の長男・柳沢吉里が藩主となり、以後柳沢家がこの地を繁栄させます)
ご配慮いただいて、学芸員の方にごあいさつ。
特別に展示の解説もしていただき、貴重なお話がうかがえました。ありがとうございました!

 



柳沢神社を抜けると、天守台がしっかり残っていました。

 

天守台からの景色。ぐるり、二の丸方面まで見えます。

 


特筆すべきは、転用石の多さ!石棺のフタと思われるものも。
とくに、お地蔵さまが逆さに石垣に突っ込まれた<さかさ地蔵>は有名です。
のぞきこむと、お地蔵がそこに・・・!90cmもある、立派なお地蔵さまです。隣には、供養塔。
奈良県は石がないからという説もあれば、突貫工事だったため、周囲の墓地などからかき集めたという説も。
この天守台には、平城京羅城門の礎石や、石地蔵、五輪塔などの石が惜しげもなく積み込まれているそうです。
よーく見ると、お地蔵さまがごろごろ。

 


城下町の町割と趣きが色濃く残っているのも、郡山城の魅力。
お寺もたくさん残っているので、いかにして敵の侵入経路を塞いだかも、見えてきます。
(お寺は第2、第3の防衛施設です)
大和郡山城は、金魚の町。柳沢保申が財政難を脱却のために金魚の養殖を推奨し、その生産高は全国区なのです。

 

染めもの屋さんの一角だから、紺屋町。町名の由来なんかもわかりやすく記してあるので、歩くのが楽しいです。
 

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奈良県高市郡高取市にある高取城は、山城好きなら知らない人はいないであろう名城。
岩村城(岐阜)、備中松山城(岡山)と並ぶ、日本三大山城のひとつです。
海抜583m、麓からの高低差は446mを誇ります。

 

奈良産業大学によるCG再現がすばらしい!!
こうして見ると、いかに壮大な山城だったかがわかります。
ここから、その壮大なCGを見ることができます。必見。  →
中世の面影を残す古い街並み<土佐街道>もステキ。壺阪寺を見下ろして、車でぶーんと、高取山へ向かいます。

 


高取城も、語ることがたくさん!
詳しくは<城ある記>で語りますが、それはもう難攻不落の山城ですよ。
城内は周囲が3km、郭内は周囲が30kmにもおよぶ、巨大さ。

 

本丸跡の高石垣。コレ!!石垣ファンにはたまらないシルエットです(笑)くぅ〜!
勾配がなく、す〜っとまっすぐに積み上げられたこの石垣は、織豊時代の積み方なんです。

 


要塞としての高取山の立地のよさ、井戸跡、転用石、天守への侵入ルートと防衛機能…。
本丸内も、おおいに散策の価値があります。

 


本当に広いので、そこそこハードなハイクになります。
この日はガイドさんが2人もついてくださり、かなり奥深いところまで連れていっていただきました。

 


石垣の保存はとても難しく、維持費も修繕費もたくさんかかります。ごろごろ、もうどんどん崩れてきています。
この遺構から紐解けることが本当にたくさんあるので、もったいないです。なんとか守りたいものなのですが…。
もう、明日にも崩れそうな石垣を見ていると、胸がきゅ〜となっちゃいます。
とにかく、石垣ファンならば1日でも2日でもいられる(なんなら住みたい)お城ですね。

 

高取の名所、五百羅漢にも連れて行っていただきました。すべてビミョーに表情が違うという、お地蔵さま。
写真左の新しいほうは最近つくられたもので、写真中が、本来のもの。ホントにお地蔵さまがいっぱい。
「城メグリストの本、楽しみにしてるよ」と応援してくださった、ガイドの椿本さんと。
どうせなら高取城で撮るべきでした(笑)

 

*城メグツアー#4 彦根マラソンツアー〜二条城と石垣篇〜 へ続く

 

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