城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。著書「わくわく城めぐり」(山と渓谷社)「日本100名城めぐりの旅」(学研)「お城へ行こう!」(岩波書店)「図説・戦う城の科学」(サイエンス・アイ新書)ほか。共著、連載多数。メディア・イベント出演、講演、講座のほか、城フェス実行委員長もしています。
城メグ日記は、お城のあれこれから関係ないことまで語る、萩原さちこのblogです。

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9.11〜三陸牡蠣復興合同応援祭〜

東日本大震災から、早いもので6ヶ月。
節目のこの日、宮城県石巻市で行なわれた、SWEET TREAT311→ &日本オイスター協会→ 主催の
三陸牡蠣復興合同応援祭に、炊き出しボランティアとして参加させていただきました。

 
  

5ヶ所での同時炊き出し、私はHRHのメンバーと牡鹿半島へ。
前にもこの地を訪れたメンバーによれば、冠水被害状況や道路の復旧、開店店舗数は劇的に変わったそうですが、
それでもまだ、こんな状態。

半島というだけあって、交通の便が悪い。
以前も書きましたが、こうした地域の条件というのはかなりネックで、
物資のお届けやボランティアの数にもかなりの差が生じている。
地域側が、連絡手段がないために、サポートを要請できない、なども事情も。
とくに、お年寄りの多い集落などは、若い現地のボランティアスタッフがいないと、まわっていきません。
半年経っても、まだまだ、生活のサポートが必要な地域がたくさん。

 

   

今回は避難所の台所をお借りしての、ゆったり炊き出し(こんなことしてたら、このあと戦場)。
麻婆茄子の下ごしらえ、茄子の素揚げをしております。

 

   

遥か海を越えたフランスから被災地に届けられた、ワイン。
SWEET TREAT311から、有名パティシエさんによるスイーツ。
カメラマン蓮井幹生さんのスマイルレター→
人を笑顔にする、写真ってステキ。蓮井さんの写真は本当にステキ。
写真をなくしてしまった方がほとんどだから、涙を流して喜ばれる方もいらっしゃる。
 

 

たくさんの後方支援に支えられて、今回もこんなに豪華なお食事を届けることができました。 
愛情たっぷり、超〜おいしいよ!

 

元気なハチマキおじさんに肩を抱かれて、記念撮影をパチリ。

震災から半年経って。
私が直接見たのは、今回の避難所だけですが、
お話をしたり、以前よりもそういうふれあいの部分に、たくさん笑顔を見せてくださるように思いました。
もちろん食事も喜んでくださるのだけれど、
「温かいものはありがたい~」という状況からは少し逸脱してきたようです。
少しずつ、いい意味でもよくない意味でも、不自由な生活に対しては慣れが生じているのでしょうか。
絶望的な表情の方はお見かけしなくなったようにも思います。
ただ、だからといって問題が解決したのではなく、問題が変わってきただけ。
仮設住宅に入った方にも、何かしていきたいね、と話し合いました。

世代や環境が違っても、やっぱり人は人とつながれるのは幸せなこと。
被災地の方とお話をすることは、私にとっても心の栄養です。

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炊き出し後は、ガタガタ道をぶっ飛ばして、石巻市雄勝中学校へ移動。
気仙沼市と石巻市の合同慰霊祭へ立ち寄りました。

地震が起きた14:46に黙祷を捧げたあと、生徒さんによる「雄勝復興太鼓」の演奏がありました。
東日本大震災、9.11同時多発テロで犠牲になった方たちへの
鎮魂と追悼、廃校となった校舎への感謝と復興の決意を込めたもの。
太鼓は津波で流されてしまったため、廃材のタイヤを代用。
タイヤとは思えぬ力強い音色で、心に響いて仕方ありませんでした。

 

  

雄勝中学校校舎の壊滅的な被害は、修復できるレベルではなく、取り壊しが決まっています。
生徒さんたちは、現在は遠く離れた学校で間借りして学校生活を送っており、
震災後、半年ぶりに母校を訪れたのだそうです。

すぐ向かいにある山が壁になって第1波がせき止め、ゆるゆると冠水。
そのために第2波が増勢、そして続く第3波が根こそぎ破壊したようです。
だから、校舎の1階よりも3階のほうが、損壊が激しい。
木々を見渡すと、驚くほど上のほうまで津波の跡が残っている、木の変色で、浸水の度合いがわかる。

Tシャツには、<たくましく生きろ>の文字。
これを見て、「ああ、私はこんなTシャツ着させられたことなかったな」と思った。
たくましく生きる必要がなかったから。 
いや、わりとたくましかったけれど、たくましいの次元が違う。

たくましく生きろ。背中を押してくれる言葉でもあるけれど、
たくましく生きるしかない子供たちに、切なさも感じました。
前向きに、希望を持って生きるのは素晴らしいことだけれど、
そんなにいつも頑張らなくてもいいし、無理せず、当たり前の生活をさせてあげたいとも思うのです。

ただ、こういう言葉に支えられて、やっと生きられる子もいるんだろう。
自分のバランスを保てる子もいれば、
「頑張らなきゃいけない、弱音を吐いてはいけない」というギリギリの精神状態がむしろ支えになる子もいる。
これは、大人も然り。

 

太鼓の後は、雄勝中学校歌の合唱。
最後に、「29年間、お世話になりました、ありがとうございました!」という言葉。
スピーカーもテープもないから、もちろん伴奏なんてないのだけれど、
こんなにも揃うものだのだなあ、と心が震えました。
ひとつになれる術があるって、やっぱり素晴らしいことだと思いました。
歌、音楽、言葉。この世に表現があって本当によかった。

私は母校が創設何年かも知らないし、少なくとも、私はこんなふうに校舎に感謝したこともなかった。
震災以降、自分の人生に感謝ばかりです。

 

  

少し前までは、被災地に積まれた瓦礫や車は<一時的に置いてあるもの>だったけれど、
最近は、その地にもともとあるかのようになじんでしまっている。
この地は再開発されることがないから、これらはこの後片付けられる予定はなく、この状態が完結なのだそう。
廃材が根を生やして、朽ちはじめている。
どこもかしこも立派なクモの巣で覆われて、草木が生い茂る。こんなところに自然のパワーを感じるのが残酷。 

 

 

建物の上に乗り上げている観光バスが降ろされることはないし、必要もない。

もう一度作り直すことができるものもあるけれど、
完全に元通りになることはないし、どうしても帰ってこないものもある。
復興、再生というのは簡単だけれど、元に戻らないことが多すぎて、
現状維持が精一杯で、二の足を踏んでいるのも現状だと思います。
できるものとできないものがあるんだなあ、と悲しくもなるけれど、
ただ、前へ進もうとする姿に、いつも逆に励まされます。
私も、感傷的にならずに、ゆっくり、できることを。

 

うまくまとめられていませんが、
できること、やるべきこと、生きること。
私なりにいろいろ感じ考えさせられた、貴重で大切な1日でした。
ありがとうございました。

ステキすぎるボランティアのメンバーも私の宝。
人のつながりって本当にすごい。
ピースフルで刺激的で、キラキラした毎日を生きる人ばかりです。私もこの一員でありたい。
たくさんの後方支援、寄付やご協力にも心から感謝です。ありがとうございました!

 

  

それにしても、落ち着きのない私。
集合写真を撮るくらい、おとなしく前を見てようと思いました。
でも、この写真を見ての通り、楽しい楽しいボラなのです。

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