東京国立近代美術館 「14の夕べ」
国立近代美術館のアート・イベント【14の夕べ】に行ってきました。
美術・ダンス・音楽・演劇・朗読などさまざまなジャンルのアーティストが
14日間にわたり日替わりで行うイベント。
2日目は、谷川俊太郎さん、福永信さんと、古川日出男さんの3人でした。
谷川俊太郎さんは本当にステキ。
日本語が持つステキな音の世界を教えてもらいました。
谷川俊太郎さんほど言葉を操る人だからこそ、
文字・活字の表現にこだわっていると勝手に思っていたけれど、
文字と音は同等と思っているそうです。
(かつては、詩の朗読なんぞ音声の記録という認識だったけれど、
あるとき日本語の音が持つ奥深さとおもしろさに気づいたとか)
「言葉はまず意味を考えるが、意味の他に音やイメージもある。
意味だけだと意味しか考えないが、
言葉の音やイメージは理性を超えて体の中に入ってくる」のだそうだ。
うまく表現できないのだけれど、
日本語の音やリズムって、こんなに豊かで楽しいんだなあ、とびっくり。
思わず目を閉じて聞いてしまいました。わくわくしながら。
字面の表現ばかりせこせこと考えがちな私はハッとさせられました。
たとえば紙媒体なら誌面、webならディスプレイ上で表現するものなのだけど、
表現の限界は決めてはいけないんだなあ、と。
だって、読む人は日本語を読み、心や頭の中だとしても言葉を発するのだから。
ライターと作家は書き方も言葉の扱い方も違うけれど
最近はライターっぽくなくなってきているのと、話すお仕事も増えてきたので、
もっと広義で、日本語を生業とする者としては大切にしたいなあ、と改めて。
ここまでスケールの大きな表現はできないけれど、
なにかこう、ステキな日本語を扱う人になりたいなと思ったのでした。