城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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福井城坤櫓等復元整備検討委員会

小雪舞う福井城。
福井城坤櫓等復元整備検討委員会でした。

前も書いたけど、
本丸南西面石垣のはらみは福井大地震前からあの状態で、
近年の観測数値もほぼ変動ないそう。
先日の能登地震の影響もほぼないとのことでした。
(今後の維持・保存や櫓建造の影響は慎重に検討、
委員会でも議論してます)

委員会の後、福井大学名誉教授の荒井先生と、
関西大学名誉教授の西形先生とお話しを。
工学的な観点から見る石垣のメカニズムは
私の認識とはまた少し違うのだな、と勉強になりました。


さて、3月16日に金沢-敦賀間が開通し、
ついに福井に北陸新幹線がやってきました!
ピカピカの敦賀駅、ダイナソー感が増した福井駅!
でも昨日は米原から移動したから
特急しらさぎ短縮により逆に不便だったYO!

長比城

先々週の関ヶ原でも先週の米原でも語った、長比城。
今日は須川砦まで縦走できて満足満足。

 

 

 

信長の来襲に備えて強化した、THE国境の緊迫感!
東山道を見下ろすこの眺望!
コンパクトだけど戦略・戦況をリアルに伝えてくれ、朝倉・浅井の技術を教えてくれる名城だな、と。
近江における境目の城のあり方も再考できました。

 



米原市の山城ガイド養成講座、今年度の最終回。
わたし講師だけど、がんばったから中井先生に花押もらいました(7枚目)
自分で自分を讃えるスタイル!笑
米原市のみなさんもお疲れさまー!

来年度も講師させてもらいます。受講生のみなさん、また来年度!

 

中井先生、濱崎先生と!

整備してくれている宇野さん。
8年前くらいに訪れたとき、仲間数人で一生懸命に登城道をつくっていた方なのです。
そのとき話したこと、覚えてくれてうれしかった!
たまにサイトとか見てくれてるみたいで、「先週も講演会行こうか迷ったんだよー」と。
お元気に活動されていてよかったあ。
かつて直登するしかなかったマニア限定の長比城を、
上級者でなくても歩ける、これほど見やすい城にしてくださって本当にありがとうございます!

 

彦根で講演

井伊家の菩提寺、佐和山城下の清涼寺にて、彦根城についての講演でした。

世界文化遺産を目指す彦根城、今年10月に事前評価の結果が出ます。

世界遺産の称号を得るのはすばらしいこと。
でも大切なのは“称号を得ること”ではなく、“称号を得るだけの価値があると知ること”。

そもそも歴史とは切り取られた一時期でなく、今日の決断もいずれ歴史になる。
そして、誰かに決められたものではなく、価値や道は、地域で、自分で見出してほしいな。
市民ひとりひとり(特別史跡彦根城、国宝天守は彦根市民のものではないから厳密には全国民)に、
当事者意識を持って本質に目を向けてもらいたい、
そんな思いを込めてお話ししました。

今朝1時間半くらい城下を散策したのだけど、
城下町含む彦根城の独創性と受け継がれた現況に改めて感激。
また、講演にあたり江戸中期〜後期の史料や近現代までの資料を読んで、
彦根藩の特殊性は江戸時代や幕藩体制を知る上で本当におもしろいなと感じました。
わりと知ってるつもりの彦根、まだまだ知らないこといっぱいだ。勉強したい。

 

私の講演の前に発表してくれた、滋賀県立彦根東高校新聞部のおふたり。
事前に拝見した新聞コピーにすでに感動。
わたしライターですと名乗るのが憚れるほどの、取材力、中立性、構成力、筆力。
(16年連続全国最優秀賞受賞とのこと!)

お隣の伊藤くんはお城好きが高じて彦根城内に建つ彦根東高校に進学したそうですが、
好きな方向に引っ張られることのない、ブレない記事とプレゼンに感服!でした。
このような新聞部が存在することが、すでに彦根の文化であり遺産…などと思ってしまいました。

お話ししたら普通の高校生でかわいかった。笑
私も城を好きな気持ちは負けないぞ。
深め、考え、工夫して、伝えていこうね。

 

中日新聞の記事に

昨日の彦根城での講演会。
すばらしい記事!中日新聞さんありがとうございます!

私にお声がけくださった主催者も喜んでいて、よかった!

思いのある地道な活動はきちんと形になり、やがて思いのある記事になるのだな、と思いました。

 

米原にて講演とトークショー

滋賀県米原市にて、講演&滋賀県立大学名誉教授の中井均先生と対談。
左は、司会の伊吹山文化資料館の高橋順之さん。
楽しかったあ!

中井先生、先日までエジプトに行ってらして。
朝からそのお話も聞けて楽しい1日でした。

夜宴までの空き時間に、カロムというボードゲームを順之さんに教わりました。
知ってる?楽しーい!

滋賀ではなく湖北限定、彦根ではカロムだけど米原ではカルムだとか、
いろんな論争があるようです。

…知らんわ!笑

こういう最近のものでも、論争ってかつての領地争いの境界線と重なるよね。
(というか、何かとかこつけて勃発してる?)
天気と言葉と文化は戦国期頃の国境で変わる。
まさに今日の対談のテーマ「境目の地・米原」を思わせる火花散る攻防でした。

全然うまくできなくて負けちゃった。
籠城戦をどう凌ぐかみたいな戦術も要るな、これ。
大好きなお宿、上平寺御城下うむにもあるそうなので、
次に泊まるときは、夜な夜なリベンジだ!(私が勝つまで!)

 

久保井朝美さんと山中城デート

HKサタデーウォッチ9気象キャスター、お城好き気象予報士の久保井朝美さんと山中城デート。

 

  

こんな美女が障子堀ではしゃぐ時代になりましたよ!
…と、完全におっさん目線で目を細めつつ、写真を撮りまくってしまいました。

ご本人の許可を得ましたので、朝美ギャラリーをお楽しみください♡

 

障子堀ワッフル(売店で売ってる)のポスターにしたら、売上げ10倍になると思う。

 

朝美さんのキラキラの根源は、内面の美しさなんだな。
自然体で、すべてに配慮と敬意があって。
いい意味でゆるくて、この点は親近感しかない。笑

予報通り(さすが!)の快晴で、
私の萌えゾーン、萌え横堀、萌え横矢までくまなく見てもらえて、よかったよかった。
お仕事もご一緒したいから、わたしがんばる。

 

で、いちばん大切なのはこちら!
朝美さんが初の著書「天気が変えた 戦国・近世の城」を上梓されました!バンザーイ!

まだバラっと読んだ程度なのだけど、ほこほこ幸せに。
人柄が感じられるあたたかい文章、探究心と考察、そして城への愛がひしひし。
それを本職の“伝える”スキルで、寄り添うようにわかりやすく届けてくれている印象です。

城は地勢と密接だから、もちろん天候とも密接なんですよね。
今も、山岳地域の方はお天気と共存してますもんね。
私の生活圏にはない感覚だし、恥ずかしながら気象に疎いので、
いろいろ教えてもらえてうれしかったです。
拝読前から質問攻め。贅沢な時間でした。

贈呈のとき、ちょっとグッときちゃった。
思いを持ってがんばって書いていたし、
1冊つくり上げる幸せも大変さも感動も、分身が世に出ていく喜びも恐怖も、私は知っている。
…と、先輩風を吹かせながら、逆にいろいろ気づかされ励まされもしました。

「お客様、そろそろ…」と店員さんに言われるまで、
この後ワイン片手に城トークは続いたのでありました。
ああ、楽しかったー!!!

 

関ヶ原古戦場シンポジウム2024

関ヶ原古戦場シンポジウム。
雪降る関ヶ原にご来城ありがとうございました。
びっくりされたんですけど、関ヶ原での講演は初!
嫌われてなくてよかった。笑

講演後のパネルトークをご一緒した
歴史タレントで関ヶ原観光大使の小栗さくらさん、アナウンサーで恵那観光大使の西村知穂さんと。

素敵なおふたりとのトーク、楽しかったです。
知穂さんとは昨夜、久々にお酒を飲みつつお話しできてとてもうれしかった!

知穂さんは2008年、さくらさんは2009年から関ヶ原のお仕事してるそうで。
2009年、、わたしまだ会社員。
城を仕事にするなんて考えてなかったなあ。。
人生いろいろ島倉千代子。粛々と歩くのみ。

2024年も開催!城組の会員限定イベント

今、来年度のTシャツつくってます。

今年も城組会員限定イベントを開催します。4月7日(日)、東京・秋葉原にて。
14:30~のイベントは、スペシャルムービー先行上映会とトークショー。
16:45~からは宴もありますよ。
会員のみなさま、カンパイして城トークしましょ。

詳細やお申し込み方法は、3/1配信の会員限定コラムor会員様宛お知らせメールにて。

*有料会員様限定イベントです。
無料会員/入会希望の方は、城組サイトのお問い合わせフォームからご一報ください

 

対馬の歴史ガイド養成事業

今回の対馬は、請け負っている歴史ガイド養成事業でした。

この類の仕事も増えてきて、、本当に難しい。
手探りで、むしろ勉強させていただいています。

要するに、地域資産をどう守っていくのか、地域の価値をどう底上げするのか、なんですよね。
その問題意識の共有あっての、誰がどの立場で関わっていくか、
歴史遺産にどう向き合っていくか、どれだけ関心を高められるか、かと。
(もちろん活かされるしくみづくりも大事)

私は全国の城をひとつでも後世に残したくてこの仕事をしているんだけど、
そのためにいちばん大切で必要不可欠なのは、地域の人の理解だと考えている。
だから学びと模索を重ねながら、地道に寄り添い伝えていくしかない。
そのコミュニケーションの手段として用いているのが、書くことや話すこと。
明確に棲み分けるのであれば、ガイドではなくインタープリターということになるのだと思うけれど、
もっと根本的な話で。

各フィールドでスキルや知識の修得が不可欠。
そんなことは当たり前だけど、実は二の次で、なんのためにどうなりたいのか、軸みたいなものは必要。
その軸は確固たるもの/立派なものじゃなくていいし、状況とともに変わってもよいのだけど、
少なくとも必要性を自覚して立ち位置を定めないと、問題意識も目標も明瞭化しないし、おそらく続かない。
それは、理不尽や壁に立ち向かう矛にもなるはず。
…なんてお話をしました。

市や観光協会、組織をつくる立場、団体を運営する方、市民のみなさんなど、
いろいろな方のお話が伺えてよかったです。
毎日うまくいくことばかりではないけど、それぞれちゃんと向き合っている方ばかり。
私もこの場に入れる人間になりたいなと思うのです。

…ので、こんなへっぽこでいいのかと反省し、
昨朝は5時に起きて坐禅しました。笑

写真は、県指定有形民俗文化財・豊玉の猪垣。
清水山城の石垣(とくに登り石垣のような急斜面の石塁)しかり城下町の防火壁しかり、
厳原の石垣・石積みの系譜がいまいち理解できなくて、ちょっと調べたりしてるんですが。
文化財課の方にいろいろ伺ったところ、ルーツを辿るひとつの参考としてご案内いただきました。

参考というか、、、すごいぜ!

 

      

 

高さ1mちょい、上幅は40〜60mくらい、全長250mくらい残ってました。
間詰もしっかり。たぶん砂岩。
確かに、清水山城の急斜面の石塁と似てる(積み方というより用い方が)。

交易を辿ってもそれぞれが海を向いているため、
島内でも西部から技術は伝播しないんですねえ。。


来年度も対馬に通えそうでとてもとてもうれしい。
やりたいことがあるから、今日からまたがんばる。

対馬の西山寺

 

昨日から対馬です。
1ヶ月ぶり。毎月来られてうれしい!


こちら私の定宿、国書偽造気分を味わえる西山寺です。
朝鮮通信使の外交機関「以酊庵」が置かれていたのが西山寺なんです(江戸中期以降)。

江戸時代初期、国交回復の橋渡しを務めた対馬の宗義智は、やむなく交渉成立のため国書を偽造。
それが江戸幕府にバレないよう、偽国書に合わせて朝鮮からの返書も改ざんしちゃいます。
ちょろまかすべく不正の連鎖は続き、義智の死後も組織ぐるみの反逆罪を重ねていくのです。
この国書偽造がやがて家老の柳川調興に暴露され、
徳川家光が直々に江戸城大広間で裁定を下す…という大事件に発展するわけなのですが。

この頃の宗氏の生き様、私は好きです。

最前線たる国境の地で板挟みになりながら、
結果的に防衛協定を締結させ朝鮮貿易の独占に成功したバランス感覚よ!
均衡の保ち方、判断力や行動力が、政治家というより商人っぽい。笑
宗氏って関ヶ原の戦いで西軍につきながら改易すらされておらず。
つまりは、この地を治められるのは宗氏しかいないってことなんですよね。
家光が証人喚問した柳川事件も、
確立しつつある江戸幕府の基盤や理念を垣間見る出来事な気がして興味深いです。


先ほど博物館で青銅器の企画展(明後日まで)見てきたんですが、
交易においても古代からずっと中継地なんだなあと実感する展示でした。
対馬って軍事的緊張が高まると最前線になってしまう地で、だからこそ古代から近代まで遺跡の宝庫。
自然も文化も技術も独自性があって。
江戸時代の城下町も、中世的な構造と近世的な構造が共存していたりと本当におもしろいです。


…そんな話は一切しませんが、明日は清水山城の現地見学会です。
対馬市教育委員会文化財課の方も一緒に清水山城を解説します。楽しみ!
国境の島たる最前線の緊張感、秀吉の狂気と脅威、突貫築造ならではの石垣、
グロッキー状態でたどり着いたであろう日本軍のみなさんが見上げた見事な石塁、
そして絶景を堪能しましょうー。
実は今日も登ったけどな!笑


ちなみに西山寺の宿泊者は早朝に坐禅体験できるんですが、もちろん一度も参加したことはない。
だって、対馬は不夜城も楽しすぎるんだもん!笑
明朝も起きないことをここに誓います。

対馬っていろんな意味で離島っぽくなくて、飲み屋が多く、なぜかやたらスナックも多い。
対馬海流の恵みに感謝しつつ(呼子のイカ、あの子たちも対馬出身なのよ!)、
対馬お城大使として不夜城をしっかり堪能したいと思います。⁡

 

あ、西山寺。
宿坊といってもWiFi完備の快適な洋室です。