城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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献杯

震災後のボランティアでご一緒した方が急逝しました。

私は基本的に自分で見聞きしたことしか信じない。
だから、自分の目で確かめるまでは信じるまい。…と思っていたけれど、
ボラ仲間が喪服を着ていて、現実にお通夜が営まれていて、
ああ本当なのだなと思いました。

とても元気な人。健康かどうかではなく、
なんというか生命力にあふれた活気のある人だったので、どうも信じられない。

そういう大がかりなドッキリもしかけそうな、
いたずら好きな少年のようなイメージ。
だから、その姿を前にしてもまだ、
むっくり起き上がって驚かせてくれそうな気もしたし
お通夜後にみんなで集まっている席でも、
そろそろ登場しそうだな、とふと思ってしまった。
でも、起きなかったし来なかった。

私は継続的には東北へ足を運べなかったけれど、
その人は何年も足繁く通い、もう地元の人なのかというくらいでした。
だからそんなにたくさんご一緒できたわけではないのだけれど、
密度とか回数とか関係なく、
私にとっては印象に残る人だったし、人間味のある魅力的な人だったな。
うしゃしゃしゃと常に笑っていたけれど、
ボラ先で同じ部屋に雑魚寝したことがあって、
翌朝、その町がとりあえずの対策で積んだ瓦礫の山を見ながら
「なんとかしなきゃね」といつもと違う顔でつぶやいていたのが印象的でした。

人は、ある日突然いなくなるんだな。

ありきたりだけど。
当たり前のように生かされていることに感謝して、毎日を大切に生きよう。
そして、会いたい人に今すぐ会いに行きましょう。

ご冥福をお祈りいたします。

【WORK】男の隠れ家2014年7月号「五大老の居城」

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特集は「三英傑の城と城下町」。
私は「五大老の居城」というところを書きました。6ページ。
小早川隆景の城、もっと調べてみたいなと思いました。
彼ほどの人がどんな城を築いてどう活用していたのか気になります。

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男の隠れ家 2014年7月号
三栄書房
2014年5月26日(月)発売
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【WORK】連載『萩原さちこの「名城に学ぶ」』第11回

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Bizコンパス連載「萩原さちこの「名城に学ぶ」」、
第11回は
「松山城/迷うのが楽しい、巨大迷路のような城」でございます →

城下からの風景も情緒があり、天守からの眺望も見事。
道後温泉もすぐ近く、食事もおいしい。
旅行メインのビギナーさんにおすすめしている城です。

城としての見どころも多く貴重な遺構もあるため、
ちゃんと見たい人も大満足間違いなし。
よい城です。

よか城サミット!

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第33回全国城下町シンポジウム熊本大会の
メインフォーラム「よか城サミット!ここだけバイ!逆説の名城日本一決定戦」、ぶじ終了しました。

 

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作家の井沢元彦先生とご一緒できて、物書きの端くれとしては感動。
終演後は加藤先生と熊本城デートして、これまた幸せなひとときでした。何度見てもよか石垣ばい!!
そして、昨日訪れた南関城がとてもよかったぞ、と。

 

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いろいろ勉強&刺激になりました。
明日からまたがんばろうっと。

【WORK】歴史読本連載 第6回「鳥取城攻めの秀吉本陣 太閤ヶ平」

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月刊『歴史読本』の連載
「城メグリスト 萩原さちこのこだわり城郭探訪」、
第6回は「鳥取城攻めの秀吉本陣 太閤ヶ平」です。

信長にはじまる陣城の活用、
秀吉の鳥取城攻めの経緯と三重の包囲網、一時的な陣城とは思えない太閤ヶ平の構造と遺構、
太閤ヶ平の存在意義の考察まで。

3月の信長の城シンポジウムでも少しお話した太閤ヶ平、
1日がかりで西尾先生にどっぷりご案内いただいたという思い出も含めて、
最近もっとも感動した城です。書けてよかった!

大河ドラマの放映に合わせてつもりでしたが、
予想以上に播磨時代のドラマ進行が遅く、
まだまだ鳥取城攻めに至っていない、
というサイドストーリーがあります(やっと幽閉された…)。
ま、播磨時代をじっくり描いてくれているのがおもしろいのですけどね。
この感じだと、鳥取城攻めは大河ドラマはあまり描かれないような気がします。

歴史読本6月号の特集は、明智光秀。
先日編集部に打ち合せに行ったとき
「次は明智光秀あたり人気がでそうですよね〜」などと発言したら
「次号は光秀特集なんですよ」と言われて驚きました。

石田三成ファンが増殖したように、
明智光秀の有能ぶりにスポットが当てられる日は近いのかもしれません。

 

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『歴史読本』2014年6月号
KADOKAWA
2014年4月25日発売

早稲田大学エクステンションセンター 講座開講

早稲田大学エクステンションセンター2014年度春学期講座
現存遺構を楽しむ!「城めぐり」入門
が開講しました。

第1回のテーマは
「天守」を楽しむ〜現存12天守の種類と発展〜 でした。

ありがたいことに、満員御礼です。
キャンセル待ちの方もたくさんいらしたと聞き、お城への関心の高さを感じました。
受講いただけなかった方、またの機会にぜひお会いしましょう。

新聞の連載

しんぶん赤旗で連載させていただいている「お城へGO!」、
本日5/9掲載ではや第6回が終了しました(全9回)。
期間限定で記事が一部ネット公開されているようなのでリンクを→
第5回(5/2掲載)は備中松山城です。

先日、尊敬する小和田哲男先生から「連載読んでますよ」とコメントを頂きました。
もう9回分書き終えたんですが、全面的に書き直そうか考え中(笑)
こういうことをしていて、なかなか仕事が進みません。。。

新聞でちょこっと連載というのは、もっと開拓すべきところだな、と。
意外と新聞連載は読まれていて、いろんな意味で反響が大きい。
当たり前だけど、著書を手に取ったりリンクをクリックするという
読者の自発的なワンクッションがいらないから、
興味のなかった人に読んでもらえる可能性が高まる。
つまり、読者との距離がかなり近くなる。しっかり読みたい人との距離も取りやすい。
そういう意味では、自分のめざすところを書くには望ましい媒体だなあと思います。

もう少し新聞記事的な文章スキルも上げてみたいし、そもそも苦手じゃない。
少なくとも、ネット記事よりははるかに私に合っているなあと思ったりもします。
骨太な仕事もしていきたいですからね。

…というわけで、別の新聞の連載を目指してみたいと思います。
どなたか、つながりやオススメがありましたらご紹介くださいませ。

2014春の益子陶器市

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益子陶器市に行ってきました。

春夏の恒例行事にしたいところですが、気づけば2年ぶり。
お気に入りの作家さんの作品を見て、掘り出し物を探して。たのしい!

歩き疲れて青空の下でビールを飲むのがサイコーなんですが、
前日の過剰すぎる飲酒により、私としたことがノンアルだったのが心残りです。
ワイン、2本は飲んでないけど1.5本は飲んだな…そりゃ残るな。

 

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写真は、寺門広気さんという作家さんの小皿。
手前のイラストは大坂城とのことだったので、購入してしまいました。
絵付けや釉薬のかけ方などなど、いろいろお話ししてくださるのでいつも楽しいです。

私はお城好きであることをあまり自分の口からは言わないのですが、
「以前も、お城が描かれたこのサイズのお皿買ったんですよ」というお話から、そんな話題に。
「城好きから見ると、この大坂城はどうですか?」という質問に
「五重だとよいと思います。大坂城の天守は五重なので」とお答えしたところ
…ちょっとショックを受けておられました(笑)
調子に乗って、「地面に直接建てられているので、石垣の上に乗っていたらよりリアルかと思います」とも。

「そうですか!今度いらっしゃるときはもっといい城を描いておきます」ですって。
次回が楽しみ(笑)

 

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・白い器を買わない
・大きめの丼を買う
・大きめの中鉢を買う
・片口を買う
という希望も叶い、いいお買いものができました。
煮沸も完了。盛るものの精度も上げるよう心がけつつ、大切に使います。

ベトナムの旅2014

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14年ぶりのホーチミン・ミトーへ行ってきました。
缶ビールが34円のステキな国。ベトナム料理LOVEにとってもたまらない。

 

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南国なのに、南国好きではない私が落ち着けるのは、
どこかフランスの風が吹いているからなのでしょうか。
別にフレンチテイストが好きなわけでもないですが、エッセンスが入り交じる世界には惹かれる。
建物も天井が高くて、抜け感がある。
ちょっとしたデザインや配色、空間のつくり方がとても好きです。

トップの写真は、ベストショット(笑)
ここのわんこはやさしい顔をしてる。

 

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14年前に訪れたとき、「前世はベトナム人かもしれない」と思ったくらい、しっくりなじんだ都市。
ベトナム戦争が集結したのは、1975年4月30日で、
南北統一され現在のベトナム社会主義共和国に改名したのは1976年。
つまり私と同い年なのです。
1975年4月30日、解放戦線旗を掲げた戦車が大統領官邸に無血入場を果たした映像は
数年上の世代の方であれば、昔の出来事ではなく、テレビで見たリアルタイムな光景のようです。

わずか24歳なのに活気に満ちあふれていて、とくに女性の強さを感じた都市。
そのときの私は、ちょうど最初に就職した会社を退社した直後でした。
そんな状況だったこともあり、自分の足で立つことを教えてくれた気がしたのです。
だから、ちょっと特別な場所ですね。
 

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14年後の感想としては…少し商売慣れしちゃっていたりとさみしい一面もあり。…女性が強くなりすぎていた(笑)
もっと殺伐としていた記憶がありますが、ずいぶんと先進国になっていました。

ミトーへ向かう途中の、サイゴン川と平行する立派な2車線の道路も10年前にできたというし、
ミトーへは4年ほど前に高速道路ができ、かなり様子が変わってました。
さらには、なんとメコン川に橋がかかっていて驚き。
ジャングルクルーズも、あんまりジャングル感がなかったな。

 

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1台たりとも街中でシクロを見かけなかったのはショック!
14年前は根切り交渉しまくり、あらゆるところへシクロで乗り付けたのになあ!
新旧の旧の部分がなくなりつつあり、ちょっぴりさみしかったです。
建物も、古いものはだいぶ減ってきていました。
ビルと古い家屋がごちゃ混ぜになってフシギな感じも、あと数年後にはなくなってしまうのかもしれません。

 

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ベトナムは色がいい。雑貨やサンダル、バッグなどいろいろ買いました。
バッチャン焼きは見送り。
スーパーではバインセオの素やフォーやライスペーパー、調味料などの食材も激安で購入。
30度以上の猛暑のなかで生肉や生魚を売っているのが日常的のようでしたが…食中毒にはならんのでしょうか。慣れ?

 

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私は歴史が好きなのだけど、決して年表を追うのが好きなわけではない。
歴史というのは過去の切り離された出来事ではなく、現在と並列に存在するものだ。
今この瞬間も、1秒後には歴史になる。
そうした刻一刻と動く状況や情勢のなかで、人の感情が動いたり変わらなかったり、
瞬間のうちにいろんなものがうごめきぐるぐるまわって、新しい明日と新しい歴史をつくっていく。
つまり、歴史を気にするということは、今と向き合うのと同じこと。
私は、その歴史というものを、絡まった糸をほどくように解読していったり、
糸の先っぽや端っこを引っぱってみたりするのが好きなのだ。
そして、これは城が好きな理由でもあるけれど、
そこに普遍のようなものを見つけるのが楽しいし、生きている意味をちょっと見出せた気がして安心する。

海の底に潜っていくように事実を探るような作業ではなくて、
自分自身と第三者として対面して、必要であれば常識や感覚をちょっとだけ軌道修正したりするような。
よく、旅は自分探しだとかいうけれど、それとも少し違う気がする。
発見したり改めて気づいたり、というよりは、とぎすます感じに近いのかも。

だから、その場所に立ったときに一瞬だけ見えるようなものを表現したいという気持ちになる。
それは歴史がどうこうとか、やれ食べ物がおいしいとか、何が便利とかどこへ行ったとか、
一方的な情報の発信ではなくてね(それも場合によってはやるけれど)。
誰かがどこかで思いついたり綴ったりするものじゃないものをつくりたい。そういう仕事がしたい。

そんなことを、14年前とすっかり変わったミトーへの車窓からの景色を眺めながら考えていました。
その風景の写真、1枚もないけどね。

 

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…こうして語るとものすごく哲学的な旅をしているようですが、
こんなことを考えたのは旅行中のほんの15分ほどです。
とにかく暇さえあればビールを飲み、笑ってしゃべってはしゃいだ旅でした。

 

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ところで、今回は行きませんでしたが、戦争証跡博物館はオススメです。
ベトナム戦争の傷痕を展示してある博物館です。
見るべきだと思うけれど、いわゆる悲惨な画像や血が苦手な人はNGです。

今となってはおもちゃのように屋外展示されている戦車や戦闘機のほか、
銃口を突きつけられた女性をはじめとした、戦火の悲惨な写真やパネル、
枯れ葉剤の影響で朽ち果てた様子とその被害の記録、
枯葉剤の影響で奇形になってしまった胎児のホルマリン漬けまで。
たしか、落とし穴で毒針が体に刺さるしくみの見本なんかもあった気がします。
目を覆いたくなるような、かなり狂乱に満ちたショッキングな内容でした。
亡くなった兵士の数よりもはるかに多い犠牲者がでているという事実は、知っておくべきだと思います。

戦場カメラマン沢田教一さんがピューリッツァ賞を受賞した
「安全への逃避」は、たしか教科書にも載っているもの。
教科書に載っているとつい忘れがちですが、本当に最近の出来事なんですよね。
博物館には、一ノ瀬泰造さんの弾丸が貫通したニコンFの写真もあります。

かなり重い気持ちになりますが、たしか出口の売店に
ベトナムの子供たちが書いた戦争と平和の絵がハガキになったものが置いてあって、
それに本当の平和を感じたのを覚えています。

ちょっとベトナム戦争のことを知りたくなったので、調べてみようかな。
映画は「シクロ」や「夏至」なんかも、今さらだけどもう1回観よう。

「よか城サミット」のお知らせ

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よか城サミット!!熊本っぽいネーミング!

第33回全国城下町シンポジウム熊本大会のメインフォーラム
「よか城サミット!ここだけバイ!逆説の名城日本一決定戦」に出演いたします。
作家の井沢元彦先生、城郭研究家の加藤理文先生、熊本青年会議所理事長の
野瀬田隆氏と4人でトークセッションさせていただきます。
一応、わたくしコーディネーター。ドキドキ。

シンポは5/16〜18の3日間開催、
よか城サミットは最終日5/18(日)10:00〜、市民会館崇城大学ホール大ホールで開催です。

お近くの方、ぜひ!…って、思いあたる人いませんけれど(笑)

詳しくは第33回全国城下町シンポジウム熊本大会のサイトで→