城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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大嶽城おまけ〜虎御前山城

大嶽城ウォーク→ の前に、虎御前山城に寄ってきました。
本気の登山の前に軽い登山をしてみた私、我ながらタフだなと思いました。
他の参加者の方にたいそう驚かれましたとさ。
とはいえ時間がなく織田信長の陣後まででリターン。
晴れたり霙が降ったりの気まぐれな天候にもてあそばれ、ぐちゃぐちゃになって帰ってきたのでした。

 

虎御前山城は織田信長が小谷城攻めのとき本陣とした城ですが、
よくもこんな目と鼻の先に陣取ったもんです。
もうこの時点で、勢いは圧倒的に信長が勝っていたんでしょうね。
その状況下で数年持ちこたえた小谷城の防備力の高さに感嘆すべきか。

このお城、小ぶりですがなかなかよいです。軽い気持ちで行くのにおすすめの山城です。

大嶽城おまけ〜長浜グルメ

大嶽城の帰り道、
お城がご縁で知り合った名古屋から参加のお仲間と、3人で長浜に立ち寄ってきました。
一緒に大嶽城を登れただけでも楽しかった上に、グルメツアーまでできてサイコー。
やっぱりお城めぐりにグルメはつきものですね。

 

またまた登場の大好物!長浜の郷土料理・焼鯖そうめん。
何度も言いますが、なぜ焼鯖そうめんが全国区の絶品にならないのか不思議です。
全国区どころか、滋賀県内でも湖北限定ですよね。彦根や安土ですら見ません。
この味を東京で再現できたら大ヒットすると思うのですが。
…というか東京でも食べたい!
奥のしじみの佃煮も激ウマです。ありがとう、琵琶湖。

 

こちらサラダパンは、長浜で大人気というローカルフード。
マヨネーズで和えた刻みたくあんがサンドされています。
陳列棚の充実っぷりに人気の高さを感じますね。
気になるお味は…1個でいいです。1個は完食できます。
(私はマヨネーズもたくあんも苦手なもので…好きならおいしいのかも?)

 

そして私の「名古屋駅ホームの噂のきしめんを食べたい!」
という私の小さな夢も叶えてくれました。
わざわざ新幹線を途中下車すつ価値があると話題の、人気NO.1の住吉のきしめん。
ホームの立ち食いそば屋なのに、天ぷらはオーダー後に揚げてくれるのね。
うみゃーでした。

焼尾砦〜大嶽城ウォーク

小谷城下まちめぐりウォーク実行委員会さん主催の
ウォーキング・ツアー「信長の小谷城攻城ルートー焼尾砦から大嶽を攻略するー」
に参加してきました。

念願の大嶽城。いやー、楽しすぎました!!
こんなに素晴らしい城とは思いませんでした。
こりゃ、もはや小谷城なんかどうでもいいですよ。…ってくらい。

小谷上山田から北西の尾根上にある砦・焼尾丸を経由して本丸を目指し、
福寿丸、山崎丸、御屋敷跡ぐるり。なかなか本気なコースです。
専門家のお話も聞けて大満足。
 

ウォークというよりアドベンチャーな感じに。。
いいですねえ〜。いかにも中世の山城です。
織田信長は、暴風雨の中ここを通って朝倉義景を追撃したことになっていますが、
地形が多少変わっているとはいえ、甲冑姿でここ通れたのかは疑問です。

標高495m。
浅井長政が小谷城としたのは小谷山中間部にある南東の尾根で、
現在小谷城として一般の観光客が登城するのはこの部分です。
しかし小谷城のある小谷山はものすごく大きな山。
つまり小谷城は小谷山の一角で、背後のピークに立つのが大嶽城というわけです。
築城時は大嶽が本丸でしたが、長政の頃は支城という位置付けでした。
この山が支城にすぎないとは、スケール大きすぎです。小谷城恐るべし。

 

「丁野城と中島城はこの立ち位置なのか」
「虎御前山城って、大嶽城から見るとこんなふうに見えるのね」
「小谷城の横顔も、全然表情が違うんだなあ」
…と、スケールの大きさを実感できたことや、合戦時の城の距離感を実感できたことに感動でした。
私はゲームをやらないのですが、きっとこれはゲームと同じ感覚なのだと思います。
ああこういうふうに連携するんだ、とか、こういう立地だからこんな戦略を立てたんだな、とか。
遺構を発見したり、目に見えるものを探し確認し連想させることも楽しいですが
こういうタイムスリップ体験が、やはり城あるきの醍醐味ですね。

 

小谷城最中をおやつに頂いたのがうれしくて、記念撮影に登場させてみましたが、
そんなことをしているのは私だけだったみたいです。
(ちなみになぜか五重天守のフォルムですが、小谷城に天守はありません…)
ランチタイムには、リンゴや黒蜜きな粉固め?を配ってくださってうれしかったな。
距離感がちょうどよくて、適度におもしろい滋賀人、やっぱり好きです。

高橋さん、お心遣いありがとうございました!
思い出に残る素敵な1日でした。また参加させてくださいね。
 

【WORK】なるほど!よくわかる英国王室の歴史

洋泉社さんから2012年3月26日に発売された【なるほど!よくわかる英国王室の歴史】に
ちょこりと執筆させていただきました。
今年はエリザベス2世の即位60年のメモリアルイヤー。
ウイリアム王子の結婚、オリンピック開催など、英国&英国王室は大盛り上がりのようです。

私が得意なのは日本史のみ。
ですが、逆にすんなり入れて、楽しく書かせていただけました。
もともと私はノンジャンルですし、知らない世界に出会うのは楽しい。

今さらながら…
日本史に限らず歴史や物事を段階的に追うことが好き&得意なのだ、ということに気づきました。
なんというか、隠し持っていた特技を発見&再認識した気分です。

それにしても、英国王室のみなさんはややこしい!
スコットランド王ジェームズ6世が初代イングランド王ジェームズ1世になったり、
ジェームズ1世の子なのにジョージ1世だったりして、
「なんで名前変わんねん!お前誰やねん!」と喋れない関西弁を発したくなります。
しかし、日本史上の人物にも同じことがいえるわけで、
よく「武将の名前が似ていて覚えられない」などと耳にするのは
なるほどこういう感覚なのだと謎が解けました。
歴史をすんなり理解するプロセス、わかりやすくまとめるポイントとは何かを
フラットな頭で考えるいいきっかけになりました。

日本のスケールが小さく、年表がみちみちした短期間集中型な歴史であることも再認識。
イギリスが戦争したり侵略したち文化や産業を発展させたりと激動する中、
「日本:鎖国中」の1行で済んでしまうこじんまりさ(笑)

それにしても、英国王室のみんなってば、やんちゃ。
ダイアナ元皇太子妃の事故死、チャールズ皇太子の不倫&再婚報道に
「なんてスキャンダラスなんだ!イギリス王室は崩壊寸前か?」などと思っていましたが、
歴代の王族達は、そんなことは序の口の暴れん坊っぷりです。
欲望のままに生きる民族なのか?
恥ずかしながら、日本の皇室と同じ正統派なイメージを持っていた私には
衝撃の連続だったのでありました。

大人計画「ウェルカム ニッポン」

愛して止まない大人計画の久々の本公演へ行ってきました。

うーん、わからなかったー!(笑)
エネルギッシュではあったけれど、
私の今日の心理状態では奔放すぎてついて行けなかった。。
確実なのは(毎回共通の総論)、
舞台上の阿部サダさんはやっぱりまぶしすぎるということと、
俳優をしているときのクドカンはかっこいい、ということです。

私はまだ、この震災の触れ方にはちょっと抵抗があったかな。
いや、けっして軽率な扱いというわけではないですが。
しかし、それこそが松尾節というか、
しょうもないことでゲラゲラ笑い転がせられた直後に
ちょっと嫌な気持ちにさせられたりするのが、ある意味いかにも、なんだな。
人間の歪みや暗い部分に直面するのは、ものすごく重い。けどおもしろい。
 

江戸時代の脳トレ

最近ちょいと江戸の歴史や文化を勉強しているのですが、
先生が頭の小休止として出題してくれる<判じ絵>がおもしろい。

判じ絵とは、半単語の音を絵に置き換えて表現するもの。
たとえば、トップphでいうと、
8番→「2本(にほん)」の「橋(はし)」に濁点がついて「日本橋」、
9番→「8(はち)」匹の「蝶(ちょう)」+「“のぼり”の上が切れているので“ぼり”」で
「八丁堀」、という具合です。

なぞなぞ好きな江戸っ子の茶目っ気たっぷりの知的娯楽。
笑えるものから、あまりのくだらなさにイラッとするものまでいろいろだけれど、
江戸時代の人は頭がやわらかかったんだあ、と感心。
必要なのはカンとユーモア、かな。
最初はまったくわかりませんでしたが、慣れてくるとひらめいてくるからフシギです。
 

代官山の手ぬぐい屋さん「かまわぬ」も判じ絵。
「鎌(かま)」+「輪(わ)」+「ぬ」。「へのぬ」じゃないですよ。

江戸っ子は教養が高かったこともわかりますね。
読み書きができなければ、こんな高度な言葉遊びはできませんもん。

江戸しぐさと落語の会

<江戸しぐさ>とは、江戸商人が生み出し町衆へ広まっていった、
トラブルを避け、気持ちよく暮らすためのセンス。
日常の立ち居振る舞いから言葉使いまで、人との付き合い全般にわたる知恵のことです。

雨の日、狭い下町の路地でがすれ違うときには、
相手が濡れないよう、お互いに傘をさりげなく斜めにする<傘かしげ>、
船に誰かが乗ってきたときは、全員が少しずつ詰めて席をつくる<こぶし腰浮かせ>、
足を踏んでしまったら、踏んだほうが謝るのはもちろん、
踏まれたほうも「こちらこそ、うっかりしてまして」というそぶりで返す<うかつあやまり>。

「へえ、こういう心配りができたら上品でいいなあ」くらいに思っていたのですが、
商人のリーダーが築いた行動哲学であるというルーツを聞いて納得。
上に立つ人のマナーやエチケット、自意識や心構えが網羅されたものであるのだと。
そこには徳川家康がつくりあげた国家構造も関係していて、ふむふむと聞き入ってしまいました。

江戸しぐさでいう“しぐさ”とは、「仕草」ではなく「思草」と書くそう。
つまり、思いやりが行動となったものです。
人にして気持ちいい、してもらって気持ちいい。共生の精神ですね。
そして、マナーではなく“くせ”だというところがポイント。
譲り合いの心を大切にし、自分は一歩引いて相手を立てる。
いばらず、こびず。相手を尊重し対等な人間同士として接することを
ごくごく自然に実戦していた、ということなんですね。
こうすればいい、こう言うべき、というマニュアルを実戦するのではなく
とっさに判断して無意識に行動する。これはけっこう難しい。

ちなみに江戸っ子の気質というのは
○目の前の人を仏の化身と思う
○時間どろぼうをしない
○初対面で肩書き、年齢を聞かない(人を見る目を養う)
○遊び心を忘れない(なぞなぞ大好き)
○世辞が言える
○口約束を守る(公約違反はもっともNG)
○見て分かることは言わない、読んでわかることは聞かない
○人の領域に入らない(餅は餅屋)
○知識ではなく感性で決める(情報に左右されない)
…などなどだそうです。

ものすごく共感できるのは、私が東京出身だからでしょうか?
(代々の江戸っ子ではありませんが)
上方との違いが出ているような。。

江戸っ子というと威勢がよくてちょっとガサツなイメージもありますが、
言葉使いがていねいで、“世辞”を言えるのが、本来の江戸っ子。
この“世辞”というのは、機嫌を取るためのおべんちゃらではなく、
「こんにちは(今日は)」の後に続く「いいお天気ですね」のような
会話が弾むきっかけになるような、気の効いたひとことのことだそうです。

なぜこの日記タイトルかというと、
<落語には江戸しぐさをテーマにしたものが多い>ということで
三遊亭竜楽師匠の『天災』を聞く会でもあったから。
しかし長くなるのでこの話は割愛します。
お後がよろしいようで〜(←これも江戸しぐさ)。

【WORK】池田書店「城の楽しみ方完全ガイド」

池田書店さんから2012年3月に発売された
新刊「城の楽しみ方完全ガイド」執筆させていただきました。
図書館にも在庫している、池田書店さんの <楽しみ方完全ガイド>シリーズのお城版がついに登場。
わかりやすく、楽しみ方のポイントが簡潔にまとめてある入門書です。

昨年書かせていただいた【歴史を訪ねる 城の見方・楽しみ方】 → と同じく小和田哲男先生の監修です。
【歴史を訪ねる〜】よりも初心者向けのラインナップで、表現もやさしくなっております。

全国の書店、ネットショップで発売中。
ぜひご覧下さいませー。

小池アミイゴさん個展「東日本」


※DMより引用

小池アミイゴさんの個展「東日本」へ行ってきました。
前職で何度かイラストのお仕事をお願いしたアミイゴさん。
イラストも素晴らしいけれど、この世界もかなり好きだなあ。
「違う表現をしていかないと凝り固まってしまうから」と。
アートな作品というのは、使う脳が違うのでしょうか。

アミイゴさんの使う色、とくにピンクの色と使い方がとても好きです。
色や線にも生命があるんだなあ、とかぼんやり考えながら見ていました。
絵筆のひと刷毛に強さや弱さ、エネルギーやシンパシーが宿っている感じ。
「印刷で出にくい色」と真っ先に考えてしまうのは職業病ですが、
印刷物やディスプレイで再現できない色というのは、
すなわち人間に近い体温のある色、ということなのではないでしょうか。

これは書いていいのかわかりませんが…
「城の絵、描いてみたい」と言ってくださりうれしかったなー。
「きれいというより怖い」というなにげない一言、かなり核心をついてます。
そう、城とは本来美しいものではないのです。
その視点は感動的なものがあって、
「ああ、やっぱりこの方はアーティストなんだなあ」と思いました。

アミイゴさんが書く城の世界かあ!それはそれはステキだ。がんばろ。

SPECE YUIさんのHPから、作品の一部を見ることができます →
やっぱり印象が違うので、実物を見てほしいところですが…

うづめ飯

津和野で、郷土料理の<うずめ飯>なるものを食しました。

お出汁をかけたごはんの下に、煮含めた椎茸や人参、刻まれた蒲鉾や高野豆腐が隠され、
刻んだせりとすりおろした根わさびが添えられています。

質素倹約の時代に具を隠して食べた庶民食であるとか、
骨をうずめるという意味で出された婚礼料理であるとか、
根わさびを味わう特別料理であるとか、など諸説あるようです。

しみじみした料理だけど、なにげにおいしい。
特産わさびがピリッと引き立って、
日本酒を試飲しまくった後にはかなりよい感じでございました(笑)