城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

●詳しいプロフィールはこちら

城メグリストのサイト

城メグリスト

●お仕事実績はこちら

アーカイブ


2024年も開催!城組の会員限定イベント

今、来年度のTシャツつくってます。

今年も城組会員限定イベントを開催します。4月7日(日)、東京・秋葉原にて。
14:30~のイベントは、スペシャルムービー先行上映会とトークショー。
16:45~からは宴もありますよ。
会員のみなさま、カンパイして城トークしましょ。

詳細やお申し込み方法は、3/1配信の会員限定コラムor会員様宛お知らせメールにて。

*有料会員様限定イベントです。
無料会員/入会希望の方は、城組サイトのお問い合わせフォームからご一報ください

 

対馬の歴史ガイド養成事業

今回の対馬は、請け負っている歴史ガイド養成事業でした。

この類の仕事も増えてきて、、本当に難しい。
手探りで、むしろ勉強させていただいています。

要するに、地域資産をどう守っていくのか、地域の価値をどう底上げするのか、なんですよね。
その問題意識の共有あっての、誰がどの立場で関わっていくか、
歴史遺産にどう向き合っていくか、どれだけ関心を高められるか、かと。
(もちろん活かされるしくみづくりも大事)

私は全国の城をひとつでも後世に残したくてこの仕事をしているんだけど、
そのためにいちばん大切で必要不可欠なのは、地域の人の理解だと考えている。
だから学びと模索を重ねながら、地道に寄り添い伝えていくしかない。
そのコミュニケーションの手段として用いているのが、書くことや話すこと。
明確に棲み分けるのであれば、ガイドではなくインタープリターということになるのだと思うけれど、
もっと根本的な話で。

各フィールドでスキルや知識の修得が不可欠。
そんなことは当たり前だけど、実は二の次で、なんのためにどうなりたいのか、軸みたいなものは必要。
その軸は確固たるもの/立派なものじゃなくていいし、状況とともに変わってもよいのだけど、
少なくとも必要性を自覚して立ち位置を定めないと、問題意識も目標も明瞭化しないし、おそらく続かない。
それは、理不尽や壁に立ち向かう矛にもなるはず。
…なんてお話をしました。

市や観光協会、組織をつくる立場、団体を運営する方、市民のみなさんなど、
いろいろな方のお話が伺えてよかったです。
毎日うまくいくことばかりではないけど、それぞれちゃんと向き合っている方ばかり。
私もこの場に入れる人間になりたいなと思うのです。

…ので、こんなへっぽこでいいのかと反省し、
昨朝は5時に起きて坐禅しました。笑

写真は、県指定有形民俗文化財・豊玉の猪垣。
清水山城の石垣(とくに登り石垣のような急斜面の石塁)しかり城下町の防火壁しかり、
厳原の石垣・石積みの系譜がいまいち理解できなくて、ちょっと調べたりしてるんですが。
文化財課の方にいろいろ伺ったところ、ルーツを辿るひとつの参考としてご案内いただきました。

参考というか、、、すごいぜ!

 

      

 

高さ1mちょい、上幅は40〜60mくらい、全長250mくらい残ってました。
間詰もしっかり。たぶん砂岩。
確かに、清水山城の急斜面の石塁と似てる(積み方というより用い方が)。

交易を辿ってもそれぞれが海を向いているため、
島内でも西部から技術は伝播しないんですねえ。。


来年度も対馬に通えそうでとてもとてもうれしい。
やりたいことがあるから、今日からまたがんばる。

対馬の西山寺

 

昨日から対馬です。
1ヶ月ぶり。毎月来られてうれしい!


こちら私の定宿、国書偽造気分を味わえる西山寺です。
朝鮮通信使の外交機関「以酊庵」が置かれていたのが西山寺なんです(江戸中期以降)。

江戸時代初期、国交回復の橋渡しを務めた対馬の宗義智は、やむなく交渉成立のため国書を偽造。
それが江戸幕府にバレないよう、偽国書に合わせて朝鮮からの返書も改ざんしちゃいます。
ちょろまかすべく不正の連鎖は続き、義智の死後も組織ぐるみの反逆罪を重ねていくのです。
この国書偽造がやがて家老の柳川調興に暴露され、
徳川家光が直々に江戸城大広間で裁定を下す…という大事件に発展するわけなのですが。

この頃の宗氏の生き様、私は好きです。

最前線たる国境の地で板挟みになりながら、
結果的に防衛協定を締結させ朝鮮貿易の独占に成功したバランス感覚よ!
均衡の保ち方、判断力や行動力が、政治家というより商人っぽい。笑
宗氏って関ヶ原の戦いで西軍につきながら改易すらされておらず。
つまりは、この地を治められるのは宗氏しかいないってことなんですよね。
家光が証人喚問した柳川事件も、
確立しつつある江戸幕府の基盤や理念を垣間見る出来事な気がして興味深いです。


先ほど博物館で青銅器の企画展(明後日まで)見てきたんですが、
交易においても古代からずっと中継地なんだなあと実感する展示でした。
対馬って軍事的緊張が高まると最前線になってしまう地で、だからこそ古代から近代まで遺跡の宝庫。
自然も文化も技術も独自性があって。
江戸時代の城下町も、中世的な構造と近世的な構造が共存していたりと本当におもしろいです。


…そんな話は一切しませんが、明日は清水山城の現地見学会です。
対馬市教育委員会文化財課の方も一緒に清水山城を解説します。楽しみ!
国境の島たる最前線の緊張感、秀吉の狂気と脅威、突貫築造ならではの石垣、
グロッキー状態でたどり着いたであろう日本軍のみなさんが見上げた見事な石塁、
そして絶景を堪能しましょうー。
実は今日も登ったけどな!笑


ちなみに西山寺の宿泊者は早朝に坐禅体験できるんですが、もちろん一度も参加したことはない。
だって、対馬は不夜城も楽しすぎるんだもん!笑
明朝も起きないことをここに誓います。

対馬っていろんな意味で離島っぽくなくて、飲み屋が多く、なぜかやたらスナックも多い。
対馬海流の恵みに感謝しつつ(呼子のイカ、あの子たちも対馬出身なのよ!)、
対馬お城大使として不夜城をしっかり堪能したいと思います。⁡

 

あ、西山寺。
宿坊といってもWiFi完備の快適な洋室です。

 

関ヶ原古戦場シンポジウムの視察で

3月9日(日)開催の「関ヶ原古戦場シンポジウム」に、講演とパネルトークで登壇いたします。

 

 

その視察を兼ねて、松尾山城と玉城をご案内いただきました。

 

   

久しぶりの松尾山城、やはりすばらしかった!
美しいー!
玉城にもようやく行けました。
うん、これは近隣の城もまわりたくなりますね。

 

いずれの城も、立地を実感できる景色がすばらしい!
街道を見通せ、国境が感じられる。
城から見えるものって歴史を考える上でとても大事で、
かつ、城歩きを楽しくしてくれるものだと思います。
関ヶ原の大きなポテンシャルと感じました。

シンポでは、そんな思うところをお伝えできれば。
パネルトークは、フリーアナウンサーで恵那観光大使の西村知穂さんをMCに、
歴史タレントで関ケ原観光大使の小栗さくらさんと3人で。
少し門外漢という気もしてますが、楽しみです。

これまで何十回通りすぎたであろう、関ヶ原。
ご縁がなかったのでとてもうれしい。

お近くの方、ぜひお越しください。
申込受付中、先着400名様、無料です。

 

台湾の城と砲台

台湾に行ってきました。

最終日は、淡水という港町。
時間をもらって、単独で紅毛城と滬尾炮台へ。
(誰も付き合ってくれなかった笑)

 

 

滬尾炮台がなかなかおもしろかった!

 

             

 

清仏戦争後の1886年築造、土塁で囲まれた方形の砲台で、7mくらいの内壁の間をまるで堀のようにしてる。
急坂のトンネルを用いた砲座とか、弾薬格納スペースとか、日本にはたぶんない感じのものも。
フランスは西側の海岸から上陸して地上戦を展開したようで、南側の河口と合わせて西側にも砲台を設置。
合計5つの砲台を連携させていたみたいです。
時間がなくて行けなかったんだけど、2本の防御壁みたいなものを構築していたらしい
(日本の城における総構的なやつ)。

 

 

   

世界史はさっぱりわからんのですけど、台湾には諸国に支配された複雑な歴史が刻まれてるんですね。
紅毛城のレンガの積み方も、オランダ式、イギリス式、日本式と混在していたり。
でも、言葉とか漢字の使い方とか文化とか、今に根付くものの多くはやはり中国系なのだなあ、と思いました。

 

 

 

地名や大型店舗名に「城」を使いがちなのが気になって。
訊ねてみると、それも中国の城を含む地域の在り方を連想させるものでした。
囲まれた支配区域、みたいなニュアンスが漢字そのものにあるようです。

西表島を訪れたときに瓦とか古建築の装飾が台湾と似てる気がしたんですけど、今回はあんまり感じなかったなあ。
先住民は共通らしいので、そこに何かあるかもしれません。

 

江戸城の外濠&豊島屋対談 ツアー

毎日新聞旅行さんで、
江戸城の外濠ツアー&老舗酒舗・豊島屋酒造の吉村俊之社長との対談があります。

慶長元(1596)年に神田・鎌倉河岸で、一杯飲み屋として創業した豊島屋さん。
本ツアーのおみやげは、期間限定醸造「白酒」は、江戸後期にメガヒットした逸品。
天保七年(1836)の『江戸名所図会』にも、白酒を求めて豊島屋に殺到する描かれています。

豊島屋酒店さんのスタンディングバーがKANDA SQUAREにあって、
おつまみもおいしくてとてもオススメなのですが、
この日はお店が休みにつき、特製おつまみセットを用意してもらいました。

前半のツアーでは、清水門脇の千代田会館から90分ほどご案内します。

ぜひお越しください。

 

「歴史手習塾」と、世界遺産とか国宝とか

 

3月17日(日)に、彦根で講演があります。
彦根城内にある滋賀県立彦根東高校新聞部の報告、
新聞部のみなさんとお話しできるのもとても楽しみです☺︎
お近くの方、ぜひお越しいただきたいです。


世界文化遺産を目指す彦根城、今年10月に事前評価の結果が出ます。
また私自身は、4月には滋賀県主催のシンポジウムにも登壇予定、3月には天守国宝化を推進している丸岡城についての講演もあります。

今回は「民間だからできる講座を」というオファーに突き動かされるものがありお受けした次第で、お声がけくださった方の思いと熱意に賛同していてまったく迷いはなく。
ただ、「世界遺産」「国宝」というキーワードが入るとなかなか関わるのが難しく(木造復元もね)、登壇するだけで誤解されたり批判を受けることも。。
…ので、スタンスを記しておきます。
中途半端に余計なことは言わないほうがよいのかな、ここに書くのはどうなのかなという迷いもありつつ。。

以下、長いです。

⁡*

私は「世界遺産」や「国宝」は称号に過ぎないと思っています。
だから「世界遺産目指しましょう!ウェーイ!」みたいなことは講演では言わないです。
もちろん称号を得るのはすごいことだし素晴らしいことで、そこで奔走している方々を否定する気も毛頭ないです。
ただ、大切なのは“称号を得ること”ではなく、“称号を得るだけの価値があることを知ること”だと思うのです。
前者に固執・翻弄されている団体や市民の方、実際にいるんです。少なからず。
そして、後者がしっかりできているかどうかで、その先の道筋が天と地ほど変わります。
私はそれを、細々とでも伝えたい。

世界遺産を目指すことは悪いことではないけれど、市民いや国民ひとりひとりが当事者意識を持てるか、どう関わり、捉え、考えていけるか。
ひとりでも多くの人が地域の宝に敬意を払えることができれば、少しずついい方向に光は射していく。
その結果がどうであれ、その道のりこそが今は大事なのだと思っています。

もちろん、いろいろな意見や考え方、事情や立場があって、私が正しいわけじゃない。
違って当然、どれも尊重すべきこと。
むしろ、一極化せず、賛否含めて多角的・多面的な議論は不可欠だと思う。
熱くなったり、わざわざ議論の場に足を運ぶのは、少なからずそれぞれが思いがあるからだと思うんですよね。
だからこそ、議論の手段は慎重に選びながら、方向を見失わずに耳を傾け話し合いましょう。と思います。

私に影響力があるわけでもないし爪痕残したいわけでもないですけど、そんなことは問題ではなく。
関わっている以上は私自身にとって譲れない大切なことなので、ちゃんと向き合っていきたいと思っています。
自分の考えや発言を振り返る柔軟性は持ちたいし、その上で伝えられる人になりたいので。


どんな大事件も歴史の渦中でいずれ薄れていってしまうように、影響力のない意見や小さな出来事なんて消えてなくなってしまうんだろうけれども。
こういう人が過去にもいて、数人くらいは賛同する人がいて、そうやって歴史は重ねられてきたのだし、無駄なことはないと信じたい。

⁡*

4月は京都女子大学教授の母利美和先生、5月は淡海歴史文化研究所所長の太田浩司先生がご講演なさいます。
ぜひ併せて聴講いただければ。
私も別件でお目にかかれそうなのでお話を伺いたいと思っています。

北海道から沖縄へ

新千歳から関空に飛んで大阪1泊、そこから那覇へ。沖縄3日目です。

サッポロクラシックをオリオンビールに持ち替えてがんばってます。
寒くても暑くても、常にビールはおいシーサー。

⁡城の発展はすなわち兵器の進展でもあり、楽しそうに話すことではない一面があるよなあ、と
ときどき思うのだけど、その負の末路がこれか、と沖縄に来るたび思う。
グスクもいいけど、近代史も学び伝えないとね。⁡

 


首里城はだいぶ元気になってました。
いろいろ思うあれこれは、いずれ記事で。

 

 

東京はかなり寒いとか。
南国の青い海、波音付きでどうぞー。

 

ウポポイへ

今日も北海道。

今しがた目の前をよぎったブラウンの小動物に
「ルールルルル」と黒板五郎風に呼びかけたところ、
ただの猫だったのが今日のダイジェストです。

「ゴールデンカムイ」と「水曜どうでしょう」の聖地も行け。
オタ活、推し活、スシ活、バー活となかなか充実できました。


今日は念願の、ウポポイ(民族共生象徴空間)と国立アイヌ民族博物館へ。

チャシについての展示は皆無ですけど、
アイヌの歴史と文化を知れとても楽しかったです。

コタンのチセ(家屋)は「神窓」を最優先して向きを定め、
その向きは、白老では東だけれど、川の上流だったり信仰の山だったりと地域によって異なる。
コタンは一定数を超えると分散していくため、
ある程度の地域性は追えるものの実際にはかなり混在し、そのため説も多い。
…そんな話が興味深かったです。
あと、いろんなカムイがいることも。

中世における本島(といっても地域差あるが)の地域支配のあり方と比較して考えていくとおもしろいなあ、と。
今は否定されているみたいだけど、やっぱり縄文っぽいよね。

万物の調和を目指す施設なだけあって、
心ざわつく日々の中、ちょっと心おだやかに。
つまりは愛とはリスペクトなんじゃなかろうか。…などと思いつつ。
特急すずらんの車掌さんのすばらしい観光アナウンスに感激しつつ、
車中では昨日札幌の書店で購入したアイヌの本を読んだりと、ちょっと旅行気分も味わえました。

夜はジンギスカンをご馳走に。
今宵のみなさん、ありがとうございましたー!

 

続・昨日のポスト。
デコピン見られました!かわいいー。

 

1月30日は札幌

ありがたいことにすっかり毎年恒例、1月30日は札幌でお城トークの日。
寒い中足を運んでいただき、それだけでうれしい。
いつもありがとうございますー!

地域ごとに、お客様の反応や興味は異なり。
そのひとつひとつ、ご感想やご質問の一言一言が、
私にとっては執筆につながる大切な気づきにもなります。
先方との打ち合わせも滞りなく、ただただよき方向に。精進あるのみ。


大通りの雪まつりには大谷翔平が降臨!
「これから隣にデコピンつくるんだよ。オレがつくるんじゃないけどね!わはは!」
…と、現場の陽気なおじさんが教えてくれました。

デコピン見たかったよ…
毎年、絶妙に製作中なんだよね。笑
でも、つくってるとこ見るの楽しい!