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萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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松江観光ダイジェスト

先週末の仙台城&白石城のことを書くと思いきや、6月までさかのぼって松江のお話です。順番、順番。
松江城以外の城下町観光スポットをダイジェストで。

 


本丸を抜けて鎮守の森散策コースと呼ばれる林道をてくてく。
内堀沿いを10分ほど歩いてまずたどり着くのが、天守閣城山稲荷神社。

 


松江城付近には神社がとっても多い。
敵の進路を遮るように、外堀をぐるりと神社が取り囲んでいます。
私は神社のことはちょっとよくわからないですが
出雲大社も近いし、この地域ならではの信仰心や歴史がとくに色濃くあるようでした。
藩政(江戸)時代からあるのは、この城山稲荷神社だけ。

 


ここは松江ゆかりの文豪・小泉八雲が好んで訪れたという場所でもあります。
狐の石像がたくさん並んでます。小泉八雲の作品にも、狐がよく出てきますね。

 

 

護国神社は伊勢神宮と同じ神明造り(古代建築初期の素朴な様式)なのだそうです。

 

 

日本の道100選の塩見縄手(しおみなわて)は、松江の名所。
縄手とは、縄のように一本に伸びた道のこと。
内堀沿いにはうねった老松が立ち、武家屋敷が並び、城下町の趣が今も残っています。
初代出雲藩主堀尾吉晴がち松江城築城の際に築いた城下町の通り。
内堀に平行するように、侍屋敷を造成しました。

 

 

小泉八旧居(ヘルン旧居)と小泉記念館。
怪談で知られる小泉八雲は、アイルランド人とギリシャ人のハーフ。
日本人女性と結婚しましたが、本人に日本人の血は流れていません。
それなのに、とても日本的なセンスを持っていますね。
「耳なし芳一」や「雪女」など、異文化を感じさせながらも、いわゆる軸の部分は日本の民話と遜色ないですよね。

しかも、松江住んでいたのはたったの1年3ヶ月。
その後、熊本、神戸に移り住み、東京で最期を向かえます。
4都市の中でも、とくに松江の出雲の風土や精神性を愛しました。
当時の西洋人にしてはかなり珍しく、日本に対する偏見なく日本を世界に紹介した八雲。
日本人とは違う視点と感性で日本を愛した八雲の世界を覗き見ることができます。

 


旧居はかつての姿がそのまま残されています。
書斎の横には、蛙の小さな鳴き声が聞こえる裏庭。
そしてもっとも心が落ち着くのが、手入れの行き届いた美しい庭の景色。手漉きガラスもあたたかい。
縁側にこうして座って庭を眺めながら、作品の構想を練ったりしたのでしょうか。
西洋人の八雲がこんなにも日本の庭や家屋の良さを受け入れ、日本の美に溶け込んだ生活をしていたことに驚きます。
私たち日本人ですら初めて触れるような空間です。

 

 

武家屋敷。
江戸時代初期、松江藩の600万石程度の中級藩士が住んでいたところ。
当時のまま残っているのは全国的にも貴重。とくに入口の長屋門は特長的です。
玄関先の小窓は、“物見窓”。敷地内から外を見るための防備のひとつ。

 


間取り図を見ながらぐるりと各部屋を見てまわれます。
お部屋ごとに公私の区別がはっきりしていて、武家社会の厳しさを教えてくれます。
質素な生活のシーンも垣間見ることができます。

 

 

 

7代藩主、松平不味公によって建てられた茶室、明々庵(めいめいあん)。
江戸後期の茶人としても名を馳せた、粋な藩主、不味公にいよって建てられました。
松江が和菓子で有名なのは、不味公が茶の湯文化を浸透させたからなのだそうです。

 

そして、ちょっと高台にあるこの場所は、なにげに松江城の絶景スポットです!
塩見縄手から一本入ったあたり、坂道の途中で振り返った景色が気に入りました。

 

 

裏手には、昔の石垣が残る一般民家も!探検しがいがあります。

 

 


堀川めぐり遊覧船はオススメ。これは乗ってよかった!
内堀から見上げる石垣や城下町は想像以上に別世界で、とっても新鮮。
それと、船頭さんのお話がおもしろいし、異常に城に詳しい!
さすが、城を毎日見ながら仕事しているだけあるなあ、と感動しました。

高さのない橋の下は屋根をたたんでくぐります。
「伏せてください」って言われる度に、みんなが仰向けになるのがなんかヘン。
腹筋をぷるぷるさせながら、わずかな隙間から景色を覗き見。亀さんの甲羅干しも見られました。

 

 

松江の代名詞のひとつ、宍道湖の夕陽。(※写真は松江観光協会HPより流用)
日本夕陽百選にも選定されている「水の都松江」の象徴で、夕日の落ちる方角は神々の里出雲の地(出雲大社等)。
雲の切れ間から湖面に指す日の光は神々しささえ感じます。
こんな絶景を見ようと、鑑賞スポット、宍道湖畔の島根県立美術館へ。
島根県立美術館は、閉館時間を日没から30分後に設定している、夕陽をも作品のひとつにしている美術館。

 

日中はあんなに晴れていたのにー。どよーん。
堀川めぐりの船頭のおじさんも「いやぁ、今日は絶対キレイだよ〜」と言ってくれたのにー。がーん。

 

せめて美術館だけでも観ようと思ったら・・・まさかの休館日。ちーん。
屋外のうさぎのオブジェも、なんだか切ないものに見えました。

 

ちょっと淋しい締めくくりだった、松江の旅でした。

 

 

<日本全国城ある記>松江城、アップしました!

 

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