九州取材、終了
無事、帰京しました。
充実の10日間、まだ一文字も書いていないという恐怖。。
いつも思う。
世の中には知られざることや知るべきことがたくさんあって、
掘り下げていけば、それを知っている人や知ろうと尽力している人がたくさんいる。
おこがましいけど、
それを世に出せる形にして伝えるのが自分のミッションだと思っていたりする。
ライター業は作家業とは違い私見を述べるのが仕事ではないけれど、
誰かと同じものを見て同じことを感じて、同じような文を書いていても需要はないわけで、
他の誰かには書けないものを書きたいなと思うのです。
10日間、城だけでいくつめぐったか数えてみたら、38城!
1日2〜3城の山城めぐり×10日、鬼の体力といわれた私も、さすがにいささか疲れました。
編集さんに「取材してることも取材場所も明かしていいよー」と言われたので
FBでちょこちょこつぶやいていましたが、さすがに全城リストと感想までは明かせず…。
毎日300枚前後も撮影しておきながら写真もロクに紹介できないのが残念ですが、
秋に発売予定の書籍にじっくりと書きますので、お楽しみに。
もうお気づきのことと思いますが、来年の大河ドラマ・黒田官兵衛関連の書籍です。
ちらちらと、感動したショットをセレクトしてずらり。
撮ったときのコーフンと感動を思い出しながらアップするという自己満足です。
これでどの城のどの場所かわかる人がいたらスゴイ。わたくし弟子入りします。
九州取材7日目
ガイドさんや市職員さん、保存会のみなさんと。
手作りのおやつやお漬けものでの、あたたかいおもてなしがうれしかった♡
個人的に念願だった長岩城、サイコーでした!ここは今回の取材以外の媒体でも書きたい。
しかし、幅1mほどで両サイドが断崖絶壁、という尾根筋(標高500mくらい?)を歩き進むのは、
さすがの私も生命の危険を感じました。
長岩城の記事は、秋発売の書籍でじっくり書きますのでお楽しみに!
山城ファンでも難易度が高いであろうこの城を、
城好きでもないのに4時間半も歩きながら、撮影してくれたカメラマンさんに感激!
そしてこの状況下で断崖の高山植物を採ってくれたガイドさんに驚愕(笑)
九州取材5日目
本日の中津の最高気温、37℃!!
さすがにこの炎天下での山城&城下町歩きはハードでした。
興味深いお話がたくさん伺えて、理解はできるし興奮するし質問も口をつくものの、
その内容を頭に留める力が稼働せず。。
「こういう構想にして、こんな書き出しにして…」
という原稿のコンセプションまで頭がまわらないどころか、話の内容が頭に残っていかない状態でした。
せっかくいい取材させてもらってるのにーー!!!
こんなんでいい原稿が書けるのでしょうか…。
超人的な集中力が欲しいところだけど、そんなものないので、
とりあえず今宵も黄金色のシュワシュワしたエナジードリンクでパワーチャージです。
九州取材4日目
今宵は豊前牛のステーキをご馳走になりました。脂が甘くておいしい!
後ろは、大分県は中津名物の唐揚げ(今日から中津泊です)。
そして、メニューにない「おにぎりが食べたい」というリクエストに応えてつくっていただいた、
地元の漁師メシという“鉄砲巻き”。岩海苔の海苔巻きです。
「海苔の海苔巻き?」って思うかもしれないけれど、
海苔っておいしさに差が出るじゃないですか。
岩海苔は程よい塩気と甘み、焼海苔は香ばしさと味わいで、
同じ“海苔”のジャンルで括ってはいけないと思うほどメリハリ効いてました。
もう1個食べたい(笑)
今日も快晴。夕陽もキレイでした。
九州取材3日目
10日間の九州取材、3日目。
九州、あちいです。とびっきりの高温多湿が私の集中力を削いでゆく。。
でもその分、夕陽がキレイでビールがおいしい。
昨日は身を切り刻まれてビクビクしているイカを食べました。
朝は鯛茶漬け、昼は海鮮丼。おさかな天国。
前日は唐津泊。キャッスルビューでした。
唐津城へは行かず、部屋から眺めただけでしたけれども。
「秀吉を迎え撃て-天正年間の関東の城-」
首都大学東京で行われたシンポジウム
「秀吉を迎え撃て-天正年間の関東の城-」へ行ってきました。
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豊臣秀吉の小田原攻めによって天正18年(1590)に滅亡した北条氏。
しかし北条氏は秀吉を迎え撃とうと、多くの城普請を行いました。
今回はこれらの城にかかわる研究から導き出される当時の実態について、
文献史学・考古学・城郭史の各視点を総合的に検討し、解説します。
■パネリスト
齋藤慎一(江戸東京博物館 学芸員)
諏訪間順(小田原城天守閣 学芸員)
竹井英文(日本学術振興会 特別研究員)
■コーディネーター
谷口 央(首都大学東京大学院 人文科学研究科 准教授)
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齊藤さんのお話はいつもわかりやすくて好きなんですが、(そして声がきれい)
今回もなかなか引きつけられるものがありました。
内容も端的で、やっぱりさすが!というところ。
関東の石垣構築技術と倭城との関連、今後の研究結果が楽しみです。
谷口先生のお話を聞けなかったのが残念。
大学できちんと勉強していない私にとって、
古文書を読み解いて史実を検証していく、というのはとても興味深い。
竹井さんの「天正期の関東政治史」もとてもおもしろく、
時間の都合で割愛せざるをえないのはわかるものの、気になることがいっぱいでした。
たとえば月日のみの記載で天正14年とされていた徳川家康の書状が
天正11年のものであると判明したことで
総無事令の性格そのものが見直されている、というお話があったけれど、
なぜ天正11年と判断できたのか?とか。
ああ、これを授業で解明していくのだとしたら、学生がうらやましいー。
学生さんが制作したという「多摩のいま・むかし-八王子の山城・中野村の象-」
秀吉の「禁制」の展示はおもしろかったです。
このあたりってあんまり知られていないんですよね。
戦略という意味だけでなく、信長や秀吉の思想も垣間見れる重要ファクターだと思うのですが。
こちらも古文書を辿っていく作業を授業でするなら楽しそうだな、と思ったのでした。
オープンキャンパスの一貫だったらしいんですが、
チラシにその旨がひと言も書いていないので、会場は中高年だらけ。
高校生が居心地悪そうでした(笑)
しかも、高校生にかなり難しいような。。
史学科へ進学する高校生は、あれを聞いて進路を決意するのでしょうか。
だとしたらかなりハイレベルですね。。
夜は中学の同窓会。
この和む雰囲気は独特ですね。
しかし、当たり前だけど、みんな中学時代とは違いきちんと仕事して生活してる。
この歳になると、経験がきちんと反映されてきて、なんかみんなすごいなあとしみじみ。
3時前に帰ってきてしまったけど、夜の町に消える友。。。
まだまだ現役で安心しました。パワフルだー。
- お城のこと l
- 13/07/14/23:59
岸田あさみさんと城ランチ
BSジャパン『咲くシーズ』のアシスタントをされている、
タレント・フリーアナウンサーの岸田あさみさんとお城ランチ。
お城好きなあさみさん、
松本城が好きで長野放送アナウンサーになったというツワモノ(笑)!
先日の収録でも城ガールぶりを発揮し、意気投合。
「今度ゆっくりお城トークを!」という約束が叶いました。
あっという間の2時間。お城トークは閉店まで続いてしまいました。
あさみさんのブログを見たら(→ ★ )、楽しかったみたいでうれしかったー。
わたくし「相方」に認定してもらいましたので、
これからもコンビ活動をしていきたいと思います(笑)
(活動内容:城めぐり、ランチやお茶で城トーク)
100名城制覇を目指しているとのことなので、山中城のご案内を約束。
いつ行こうかなー。楽しみ、楽しみ。
「一緒にお城番組やりたいねー」などと、夢は膨らむのでありました。
しかし、顔、ちっちゃいなー。
こんな若くてかわいい女子が城好きだなんて、日本の未来はキラキラだ!
甲賀の城
甲賀の城めぐり、本編です。
こちらがヤマヒルの大歓迎を受けた黒川氏城。
いちばん行きたかった憧れの城だったので残念でしたが、仕方ありません。
ちなみに、この景観を見て「美しいカーブだ〜」と発したところでヒルに気付きました。
気を取り直して、安全な甲賀の城めぐり。望月城、土山城も次回に持ち越しです。
寺前城、村雨城、服部城、新宮城。
甲賀独特の単郭方形の城とはこれなのだと、ふむふむ。
本当にここ一帯のスタイルで、甲賀を出るとぱったりと姿を消し、伊賀の城ですら見られないとのこと。
これは訪城していなければわからないよなあ。。
で、土塁が周囲をめぐらすだけの小規模で簡単な構造の方形プランの城が、
少しずつ技巧的になって虎口が複雑化し、さらには石垣を利用した城になっていくとのこと。
それは織田勢力下になると織豊系城郭に改修されていく、ということなのでしょうか。
それとも、甲賀に限定した独自の城なのでしょうか。
このあたり、聞けばよかったな…。
まあ、進化系の代表格である黒川氏城はリベンジ必須だし、
次の機会までに予習して、自分の目で確かめてから聞いてみよう。
関東の人間としてはやはりちと地理に弱く、
甲賀の位置関係と重要性を教えてもらって、初歩的ながら勉強になったり。
こういうのは、やはり地元の人や数をこなしている人に聞くとわかりやすい。
草津から鈴鹿山脈に向かって東海道が通っていて、甲賀を抜けて伊勢に続いていく、という立地。
そして、甲賀は六角氏が行方をくらませて拠点を置いた地。
室町時代から六角氏の勢力の一翼を担っていた地。
なんとなく甲賀の在り方みたいなものが想像できてきます。
(でも知識不足だなあ、、、勉強しなきゃ。)
新宮神社表門の近くに「新治の七城」なるマップ看板が掲示されていて、
近隣の城館・城砦が連携していることがわかりました。
それにしても、隣の城が近い!
なんというか、町内会みたいな感じですな。
しかし人間たるもの見栄はあるはず。
こんなに近いと、やれあの城は立派だとか、負けられんとか、いろいろあったのではないでしょうか。
そしてそして、新宮支城ー!!
これが噂の土塁か!
主郭の土塁に到達する前に、まず驚愕。
くっきりと残る土塁の先に切岸らしきものが立ちはだかるのですが、曲輪かと思いきや、これも土塁にすぎない。
裏側にまわってみると、ざっくりと大規模な堀切が切ってありました。
ここが主郭の北側の堀切で、南側にも大規模な堀切がありました。
とりあえず降りる。深い。
感動しつつ足を進め、虎口を抜けると主郭の土塁!
「ありがとうー!」と言ってしまうほど見事でした。
人と比べてもらえればわかりますね。
とりあえず登る。そして見下ろす。眺め回す。
主郭内は、20m×30mくらいとそれほど広くはないのですが、
それを取り巻く土塁が高い!そして分厚い!
高さは9〜10mくらいでしょうか。左に傾斜がついていました。
これで終わりかと思いきや、主郭の南側にも大堀切!
逆サイドの大堀切と、主郭をサンドするように固めてるんですね。
ここも、とりあえず降りる。
写真で見るより急勾配で、ちょっと登るのが大変でした。
これだけの大規模な土塁が盛っただけのはずはないので、
版築土塁なんでしょうね。
なにか特殊な技術集団を抱えていた、なんてこともあるのかなあ。
…なんてことも話しつつ。。
デザート的に、伊賀の福地城にも連れていってもらいました。
松尾芭蕉が福地氏の出自とのことで、芭蕉公園になってます。
伊賀随一の中世城館、とのことでたしかに本丸の土塁も幅広で立派だし、
本丸の虎口は石垣づくりの桝形門だったりと見事。
だけど、新宮支城がすごすぎて、さほどテンション上がらず(笑)。
全員、魂を吸い取られたかのように無言だったのでありました。。
大規模な虎口はなかなか立派で、ちょっとテンションが上がりました。
「土塁すごーい!」で終わった感のある甲賀の城。
年内にも来訪する予定があるので、ちと勉強だ!
- お城のこと l
- 13/06/23/23:59
ヤマヒルに遭遇!甲賀の城
城友さん5名で、甲賀の城めぐり。
ヤマヒルの大群に遭遇するという大事件が一番の想い出になってしまいました。
このブログは山城ビギナーさんも読んでくださっていると思うので、参考までに経験談を書いておきますね。
ヤマヒルに遭遇したのは、黒川氏城。
登りはじめて5分ほどでしょうか。最初に気付いたのは私です。
恥ずかしながら、トレッキングシューズにまとわりつくミミズかナメクジと勘違いしてました。
払おうとしても取れないし、しつこくまとわりついてくる。
枝を使って取ろうと1人で格闘し、
「なんだこの虫、しつこい!取れないー!」となったところで、ヒルと発覚。
気付けば4〜6匹ほどが、トレッキングシューズの紐の隙間から進軍してきていました。
すごいです、シューズの紐の隙間ですよ。スライムのように、ねじ込むように侵入してきます。
つまり、フットカバーなどで固めたところで防御不能です。
しかも、動きが早い!地肌を求めて猛スピードで這い上がってきます。
衣類の素材によっては、早ければ足から首まで30秒で到達するそうです。
慌てて下山し、ヒルが侵入していないかチェックすることに。
すると、5人中2人が吸血されてました。
1人は首筋に痛みを感じて気付きましたが、
1人はふくらはぎから流血しているのに気付いていない!
自覚症状がないというのも怖いところですね。けっこう肥大化していましたから。
みんなで全身チェックをし合っていなければ危ないところでした。
カメラの隙間に潜んでいたり、髪の毛の中に隠れていたり。。
とにかく急いで全身、衣類、持ち物をチェックすることが大切です。
幸い気付いたのが早かったのと、
それなりに慣れたメンバーで冷静に対応できたので大事には至りませんでしたが、
あのまま登っていたらどうなっていたか…。
そして、「鈴鹿山系はヒルが出る」とちゃんと書いてありました。情報収集不足です、反省。
5〜10月はヒルのシーズン。
また、この日は数日間の雨の翌々日。雨の後はヒルが出やすいのも覚えておきましょう。
さて、もし遭遇してしまったときの、ヒルの対処法です。
これは基本事項ですが、食いつかれたら、絶対に無理矢理剥がしてはいけません。
牙が残ってしまい、出血が止まらなくなる場合があります。
私のシューズから侵入しようとするヒルは、
城友さんが持っていた虫除けスプレーので退治できました。
虫除けスプレーの成分は有効ではないようですが、刺激で撃退できるよう。
城友さんの肌に張り付いたヒルも、これで剥がしました。
あくまで一時的ですが、効果的なことがわかったので、
ヒル専用スプレーがない場合は、とりあえず虫除けスプレーで対応しましょう。
あとは、アルコール、タバコの火、アンメルツなどが有効といわれます。
私達は、城友さんが「ヒルさがりのジョニー」なる
ヒル忌避剤を持っていたのでこれで対応。
調べてみたら、事前対策として身近なのは「塩」みたいです。
◎食塩水に浸したタオルを足首に巻き付ける。
◎塩を靴下などにすり込む。スパッツ等を塩水に浸し、乾かしたものを用いる。
◎塩を布で包んで足首のあたりに巻いておくとヒルはそこから上には登ってこない。
◎女性用ストッキングは蛭が吸い付こうとしても繊維が邪魔して吸い口から空気が漏れるので吸い付けない。
◎木酢液を原液のまま使用すれば、足元に上がらない。少々臭いのは我慢。
遭遇したら…
◎アルコール入りの小瓶の口を山ビルの下にを持っていくと自分から落ちる。
◎たばこの火でヒルを焼く。牙を残さないよう注意。
◎とりあえず、虫除けスプレーで剥がす。
◎傷口から血を押し出し、消毒し、ムヒやレスタミン軟膏を塗って絆創膏を貼っておく。
といったところでしょうか。
それから、吸血したヒルは必ず殺すこと。
血を吸ったヒルは1週間ほどで産卵します。
踏んづけたくらいでは死にませんので、
殺ヒル剤をかけるか、焼き殺すかして確実に抹殺しましょう。
「山城へはきちんとした装備で」なんて発言している私、ヒルに対する知識不足は反省です。
もう少し勉強しておこうと思いますが、とりあえず。。。
- お城のこと l
- 13/06/23/23:59