城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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四国城めぐり&島めぐり-6

10月9日、いよいよ直島に発つ日。
もうこの2ヶ月でエピソードは語り尽くしたので、フォトギャラリー的にお楽しみください。

 

  
   

島へ渡る前に、早起きして栗林公園へ。
栗林公園はミシュラン日本の庭園ベスト5にも入る、日本を代表する回遊式大名庭園。
江戸時代初期に造られ、文化財庭園としては日本一の広さを誇る特別名勝です。

こちらの花園亭で、おかゆの朝食がいただけるのです。
水面に映る朝日がキラキラ。静寂と開放が入り交じる、凛とした感じ。
うどんもいいけど、おかゆもナイス。早起きっていいなあ、と思いました。

 

   

食後は庭園内をおさんぽ。
ハート型に刈られたつつじは女子スポット。私は出口に備え付けられたハタキの用途のほうが気になります。

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さて、ようやくこの旅のメイン会場、いざ直島へ!!
…と思ったら、なんと、フェリーが大混雑!
いや、混雑を予想してかなり早めに高松港へ行ったのですが、その人混みや想像以上。NHKもいたくらい。
ギリギリ次のフェリーの乗船券購入権を得たものの、それでもなーんにもない港で4時間待ち。
(このあとの人、直島には行けなかったんじゃないかしら…)

そこで、機転を利かせて、空席のあった男木島行きのフェリーに乗り込むことに。
直島に宿を取っていたおかげで、臨機応変な動きができました。

 
  
こちらは、高松からフェリーで20分のところにある女木島。
下船はせず、船上から港を見下ろす。鬼ヶ島?だそうで、鬼の銅像が島の入口に鎮座してました。
カモメがいっぱい!と思ったら、これもアートのひとつでした。
 
 
  
  
おだやかな海を見ているうちに、男木島に到着。
どどっと押し寄せる観光客をよそに、のんびり釣りをしている島民の方の姿に、まずはほっこり。
 
 
    
   
男木島は、面積1.37km、人口200人の島。
平地がほとんどなく、斜面に密集して民家が建ち並び、その間を縫うようにして細い路地が通っています。
 
 
 
左/ジャウメ・プレンサ「男木島の魂」 右/ 井村 隆 「カラクリン」
 
 
いいですね、こういう光景。こどものあそびば。
 
 
   
   
ジェームズ・ダーリング&レスリー・フォーウッド「ウォールワーク5 –カモ島からカモ神社へ–」周辺。 
 
「翌日に行けたらいいね〜」なんてのん気に考えていた男木島だけれど、実によかった!
石垣で埋め尽くされた島で、城メグリスト的にはもうコーフン。
 
 
 
左/アートの一部と勘違いしそうな、おじさんの帽子 右/谷口 智子「オルガン」 
 
 
  
  
西堀 隆史「うちわの骨の家」
 
 
  
これも「オルガン」の一部?リボンちゃんが懐かしい。
 
 
   
眞壁 陸二「男木島 路地壁画プロジェクトwallalley」
 
 
   
オンバ・ファクトリー「オンバ・ファクトリー」
 
 
   
  
谷山 恭子「雨の路地」
時間になると雨が降ります。これ、好き。
 
 
   
   
高台の豊玉姫神社は安産の神様。
まるで城歩きをしているかのような、石垣の路地がステキ。
 
みんなアート目的の観光客なので基本的に大騒ぎしている人はいないのだけれど、
普段は静かなんだろうなあ、こんなにたくさんよそ者が押しかけて、迷惑なんだろうなあ、なんて思って
ちょこっとお話をしたおばあちゃんにそれとなく伝えてみたら、
「たくさん人が来てくれてうれしいんよ。もうすぐみんな来てくれなくなるけん、さみしくなるねえ」と
ニコニコしながらおっしゃっていたのが印象的でした。
他を寄せ付けないことが基準のこの発想が、すでに私の汚れた都会人の心を表しているようで、
ちょっぴり恥ずかしくもあった瞬間でした。
 
 

島こころ椅子プロジェクトグループ「島こころ椅子プロジェクト」
 
 
   
左、左から2番目/漆の家プロジェクト「漆の家プロジェクト」 
3番目/高橋 治希「Sea Vine」、 北山 善夫「誕生─性─生─死─家─男木島伝説」などは40分待ちの大行列。断念。
右/北山 善夫「誕生─性─生─死─家─男木島伝説」の一部。
 
 
   
中西中井「海と空と石垣の街」コレ見たかったんです。
 
 
   
この<めおんバーガー>が尋常じゃなくおいしく、感動すら覚えました。
「モスにご当地バーガーとして持ち込んだら採用されるんじゃないか」とか
めおんバーガーの商品化について物議を醸し出したほどでした。
 
 
   
左、左から2番目/カフェでゆれていたオブジェ。
3番目、右/川島猛とドリームフレンズ「川島猛とドリームフレンズ」 まるいのは、想い出玉なんだそうだ。
 
 
最終フェリーが定員オーバーだったら大変、ということで、後ろ髪引かれつつも男木島を後にし、直島へ移動。

 

男木島の方のお手製たこ飯がおいしかったです。ビールもグビッとね(食べもののことばっかりです)。
 

 

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直島は大きく分けて3つのエリアに分かれます。ひとまず、家プロジェクトへ。
アプロプリエイトプロポーション 杉本 博司「護王神社」 は地下に降りられますが、60分待ち。
地上の姿だけ見て、あとはうろうろ。焼肉エビピラフなのか、ピラフ2種なのか考えながら…。
ほかに、須田 悦弘「碁会所」、千住 博「石橋/空の庭/ザ・フォールズ」など。  
室内の水のアート、Sea of Time’98(時の海’98)「角屋」が好きでした。(撮影NG)

 

  

期間限定のアートフェスとは関係なく、ベネッセミュージアムやら地中美術館やらもある、すでにアートな直島。
街並みとか、お宅のしつらいとか、区役所までなんだかステキ。
バスの中から見た小学校も、なんだかアート。この島出身の人、センスよさそう。
この真ん中の写真のお宅、本当にステキ!住人の女性も、上品で清楚で綺麗な方でした。

 

   
大竹 伸朗 / graf「はいしゃ」  
ここも大行列だったようですが、終了寸前にすべりこんだおかげで10分待ちくらいで見られました。
こまかいところまでなんだかユカイ。

 

  
宿のある宮浦港へ戻って、きれいな夕陽を見ました。本当に、キレイだったのです。
草間彌生のかぼちゃの中から見る、まあるく切り取られた夕陽もステキ。

 

   
直島でいちばん楽しみにしていた、直島銭湯I♥湯(あいらぶゆ)。
アーティスト大竹信朗さんの、美術作品であり、実際に入湯できる施設。夢で見たことがありそうな銭湯です。
デザイン・設計協力はgrafなんですね。
こんなに要素が多いのに、飽きがこないし、なんだか落ち着く。新しいのに懐かしい。
近代アート居心地ではなくて、お風呂屋さん、って感じがしましたよ。

混んでましたが、人数制限してくれていたおかげで、洗い場が足りないことはなく。
でも人が待機していると思うとやや急ぎ気味になってしまい、
タイルをひとつひとつ眺めるゆとりはありませんでした。
トイレもちょっと凝っていたみたいなんですが、見られず。
宿を出る前にトイレを済ませるという優等生的行動が裏目に出ました。残念。

タオルやらお風呂セットやら、いろいろグッズも購入して満足です。
 

宿泊は、居酒屋さんの座敷を部屋としてあてがわれるという、斬新な体験しました。
ある意味くつろげて楽しかったけど、無防備だったなぁ…。
「どこで顔洗うんだろう、シンク?」とか「もしかして、居酒屋の酒を深夜に飲み放題!?」などと
いろいろ考えていましたが、わりとちゃんと宿泊仕様でした。
Mさん、予約ありがとうございました!

 
*四国城めぐり&島めぐり-7 へ続く
 
 
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四国城めぐり&島めぐり-5

ここから、アートの旅に入ります。念願の、瀬戸内国際芸術祭2010!

初日の午後は、高松観光。
高松東京からやってきたデザイナーMさん&Sやんを、まるで四国人のようにお出迎え。

  

香川で行きたかったところのひとつ、イサムノグチ庭園美術館。イサムノグチ、好きなんです。

牟礼町は花崗岩庵治石の名産地で、ユネスコ庭園への作品素材にこの石を使ったことをきっかけに、
ここにアトリエを構えたのだそうです。
イサムが晩年に使っていたアトリエ、家を見学することができます。

その生い立ちから、いつも狭間の世界にいる感覚だったであろうイサム。
だからこそ、自分や世の中を常に客観的に見ていて、表現していたのだろうなあ、と。
終幕を受け入れていたのか、残りの時間から逆算するかのように、未完成を想定して仕上げていたりするんです。
自分に残された時間の中に、未来へのメッセージみたいなものがめいっぱい織り込まれているようで
なんだかホロリとくるものがありました。
撮影は一切NGで写真はありませんが、心のカメラにしっかりメモリー。

 

   

イサムのあとは、四国村へ。生姜をすっても楽しいお年頃です。
四国村は、数年後の行く末を心配せずにはいられない場所でした。
ひとつひとつの展示物はすごいんでしょうけれど、
なんの説明もオチもないので、まっったく価値も存在意義もわからず…看板ひとつあったら違うのになあ。
唯一楽しかったのは、かずら橋の再現。暴れて揺らして、嫌がられました。
 
 
 
 
ローカル列車を、ベンチに座ってのんびり待つ。ことでんのフォントがかわいい。
 
 
*四国城めぐり&島めぐり-6 へ続く
 
 
 
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四国城めぐり&島めぐり-4

2010年10月の旅、3日目のフォトギャラリーです。お城については、改めて<城ある記>でアツく語ります!

 

  

けっこう栄えている高松駅から徒歩5分。松城は、現在玉藻公園として整備されています。
ビジネスで高松に来た方なんかは気づかないのかもしれませんが(城好き以外気づかない?)、
駅近ながら、特長あるお城なので、立ち寄ってもらいたいお城です。
まず、琴電高松築港駅のホームに城がめり込んでいて、驚愕しました。
通勤の方がフツーに列をなしていることにも…

 

  
   
   

こんなに駅近に当たり前のようにあるお城ですが、日本三大水城のひとつなのです。
瀬戸内海の海水を外堀、中堀、内堀に引き込んだお城、つまり海に浮かんだお城、というイメージです。
天守閣は石垣の治療中。無事、元気になってほしいものです。

 

  
  

駅近のお城というと、復元された歴史的価値の低いものが多いですが、
高松城の月見櫓・水手御門・渡櫓はなかなかの建造物で、重要文化財にしていされています。
かつては水手御門まで海水が引き込み、船でつけていたのですね。
・・・というか、ドシャ降りで城内も浸水してますが…こんな日に来るのは私だけ。独占できました。

 

   
 

あんまりこういうことは書きたくないですが…月見櫓内の落書きの多さとレベルの低さにはドン引きでした。
私の城めぐり人生の中で、ワースト2位のがっかり度です。
ずーーと見ていたら、係の方が特別に石落としを開けてくださいましたが(ありがとうございました)
こうしてお城を守り語り継ぐ方もいる一方で…ただただ残念です。

 
  
  
ここで、通りすがりの父子の写真を撮ってあげたのですが、
記念写真を撮りたいお父さんに対して、小学2年生くらいの男の子は気乗りしなかったのか
めちゃめちゃふざけた顔をしていて、シャッターチャンスが難しかったです。
なんだか試されているみたいでおもしろかったです。
 
 
   
とくにウリにもしていないっぽい陳列館、なにげに見ごたえありました。年表も充実。
水城がなんたるかも、ジオラマを見るとわかりますね。
 
 
  
高松城そばの小学校の壁画。オリーブ(小豆島名産)がうどんの刻みネギに・・・!
 
 
 
*四国城めぐり&島めぐり-5 に続く
 
 
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四国城めぐり&島めぐり-3

2010年10月の旅、3日目のフォトギャラリーです。お城については、改めて<城ある記>でアツく語ります!
3日目は、今治城&丸亀城です(写真は丸亀城)。

 

  

今治城の特長は、全国でも珍しい海城であること。
海をそのまま引き入れていて、つまり堀の水が海水というわけです。
山や丘の上でなく、砂浜に城を築く。大胆な発想は、築城名手・藤堂高虎の天下一の名城ともいわれます。
瀬戸内海水運の要塞をおさえた、海陸一体の新しい城下町は、わずか2年で実現したとか。
藤堂高虎ファンにはたまらないお城でしょうね〜。

 

   

町割りがしっかり残っているので、イメージしやすい。外堀跡、中堀跡、内堀と、順を追って見られます。

 

   

うむ。野面積みでの石灰岩はかなり珍しい…!建物では、再建された鉄御門がミモノです。

 

   
  

天守閣は、本来の姿とは違うのでちょっと残念ですね。
本当は、飾りなどのないすっきりとした“層塔型”ですから(島原城みたいな感じ→ )。
本丸に神社があるという、不思議な敷地です。
天守閣内はなかなかおもしろい展示がたくさん!最上階から見るしまなみ海道、巨大な堀は圧巻です。

 

   

山里櫓へ向かう途中に、現存の石段を発見。城メグリスト的コーフンポイントです。

 

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今治で愛媛県に別れを告げ、香川県に入ります。
丸亀市にある丸亀城は、現存12天守のうちのひとつ。
“扇の勾配”と呼ばれる美しい石垣は、石垣の美の極み。石垣ファンには、もうたまらない名城です!

 

   
  
   

う〜ん、石垣好きとしては、もう言葉にならないので、
松山城に続いて解説を放棄(笑)。いずれ<城ある記>でじっくりと。こうご期待!

 

  
   
  

本丸からは、かつての外堀も見渡せ、二の丸方面もぐるり。月見櫓跡から見えるは、讃岐富士。

 

   
   

天守閣は、現存天守の中でも厳めしくて私は好きです。天守閣だけでも一見の価値ありかと。

 

   

 

  
  
   

私にとっては、まるでおとぎの国に迷い込んだかのような、石垣の世界でした(笑)
丸亀城は、「石の城」とも呼ばれる名城なのです。

 

     
   
  

さっぱり魅力がわからないと思いますが…現存天守であるほか、曲輪や縄張りも魅力的。
さまざまな時代の積み方が点在していることや、石垣の継ぎ足し、角石の加工途中の跡(←かなり貴重!!)etc.
とにかくたまらない石の城なのでした。

 

*四国城めぐり&島めぐり-4 へ続く

 

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四国城めぐり&島めぐり-2

2010年10月の旅、2日目のフォトギャラリーです。お城については、改めて<城ある記>でアツく語ります!

 

まずは、松山城。
もう、私は松山城云々の前に、松山が好きです。美しい街並みと、自然と文化財に囲まれて、見るものすべてが。
そして、人、空気、時間。人に例えていうなら、才能があるのに全然焦ってなくて、マイペースな人みたいです。
華やかなのに、落ち着きがあるんですよ。文豪達が愛したのも、なんだか納得です。

 

    
   

松山城は、もう言葉にならないすばらしさ。
21棟もの重要文化財を持つ、四国一最大の名城です。現存12天守のうちのひとつでもあります。
ダイジェスト解説がダイジェストにならなそうなので、<城ある記>で改めて。
言葉にならないので、説明を放棄。フォトギャラリーでどうぞ。

 

  
  
   

 

   
   
   

 

   
   
  
   

 

  
   
  

本丸はもちろん、二の丸を囲む登り石垣まで。語り尽くせぬお城です。

 

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松山城からほど近くにある、湯築城跡。
道後温泉のすぐそばにあり、道後公園として整備されています。
いわゆる天守閣のあるお城の前の時代のお城(中世城郭)です。

 

  
おそらくお城好きでなければ確実にスルーする遺構の展示を見つつ、ひと通りお話を伺う。
村上水軍(瀬戸内海の豪族)のお話を聞いたら…気になって気になって。
中世城郭も、派手さには欠けますがなかなかおもしろいです。
 
 
   
  
  
 
 

  
  

湯月城の貴重なところは、中世城郭にも関わらず、近世城郭の先駆けのようなつくりをしているところ。
大きな建物を見るよりも地味だけれど、
この時代にはまた違った奥深さがあって、当たり前ですが築城史もつながっています。ふむふむ。

 
 
  
すっかり整備された、道後公園。おさんぽにもよさそうです。
 
 
 
   

展望台からの夕陽がすばらしい!!
涙が出そうなほどの絶景だったのですが、無念のバッテリー切れ…ケータイカメラで撮影です。
まるで満月の中でうさぎが餅をつく図のように、
まんまるの夕陽の中に松山城天守閣のシルエットが浮かび上がるのを、ずっーと眺めてました。
路面電車が松山城へ向かってゴトゴト走っているのも、これまたよし。

 
 
*四国城めぐり&島めぐり-3 に続く
 
 
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四国城めぐり&島めぐり-1

ふぅ…もう2ヶ月が経ちそうですが。ザザッと写真だけ、フォトギャラリー的に。
お城については、改めて<城ある記>でアツく語ります!

1日目(10月6日)は、大洲城&宇和島城です(写真は宇和島城)。

 

  
   
   

まずは愛媛県大洲市の大洲城へ。
大洲城は初めて行ったのですが、「予想外によかった!」というのが正直な感想。
実は失礼ながら、そんなに期待をしていなかったのです。

肱川を見下ろすようにすっくと立つ天守閣、肱川の流れに沿って広がる城下町が美しい。
なにより、大洲の街全体が、とっても心落ち着きました。

城主はくるくる変わりますが、日本三大築城名人の藤堂高虎もそのひとり。
秀逸な城下町づくりが感じられ…もう少し時間をかけて散策したかったです。

肱川の鵜飼は日本三大うかい、とも言われるのだそうです。
ほかの名所と違い、かなり間近でそれを見られるのが特長だとか。
花火も上がったりと、観光でゆっくり訪れたい街でした。

 

   
   
  

大洲城の最大の見どころは、明治に取り壊されながら、平成6年に復元された天守閣。この復元がなかなか希少。
江戸時代に書かれた古地図、明治に撮影された写真のほか、
なんと、江戸時代につくられたと思われる作事方棟梁の木組模型が残っているから。
お城の図面や資料というのは基本的に残っていないので(敵にバレてはならないものだから)、
この棟梁の模型が残っているというのは貴重!
こうした貴重な資料のおかげで正確な復元が実現しているのです。
この事実は、築城史においても貴重なことだと思います。

 

  
  

肱川の遊覧船、電動ではなく手こぎ!
ギコギコ漕ぐ音と、ちゃぷちゃぷ水が波打つ音と、ゆらゆら揺れる振動がとても心地よかったです。
また、川の目線からの城がサイコーの景観美。
古民家もそのまんま。ときが止まったようなキラキラした街でした。

 
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大洲から特急電車に乗り、宇和島へ。
宇和島城より宇和島牛がウリらしい、宇和島(闘牛場があるそうですね)。
宇和島も、かつての街割りがそのまんま残っていて、けっこう街歩きが楽しいです。
伊達藩なので、仙台からの観光客も多いそうです。
ちょうど特別展を開催していた伊達博物館にも寄れました。
 
 

   
  

宇和島城は、現存12天守のうちのひとつ。
日本三代築城名人のひとり、藤堂高虎が6年を費やして築城したお城です。
天守閣は伊達時代のものと思われますが、縄張り自体は藤堂高虎時代の名残が残っているようです。
 
 
   
時代のところどころで補修された石垣が点在していて、石垣好きとしてはうっとり。
「幽玄の美」とパンフレットで表現されている通り、草蒸したうっそうとした感じが独特です。
 

 

 
   
  
宇和島城の天守閣は、お城ファンの間でも人気が高いのだそうです。
格式高くて、芸術的。細かいことはさておき、それは伝わりますよね。
珍しくて「ほう!」と思ったのが、3つの家紋。伊達家の家紋、上から「九曜紋」「竹二雀紋」「竪三引両紋」。
 
 

   
   

内部は、現存天守らしく?貫禄ありますね。最上階からの景観は、すばらしいです。
宇和島城は東側が水堀、西側は海に面した海城なのです。

 

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夕暮れ時は、遊子水荷浦の段畑に連れていただきました。
半農半漁の生活を示す文化的景観として、重要文化的景観の選定を受けているそうです。
このあと、段々畑の上から、瀬戸内海一面がピンク色に染まる絶景を見ました。

*四国城めぐり&島めぐり-2 に続く

 

城メグリスト

 

 

 

福島日帰り城めぐり2〜マギー審司と!〜

午後はゴトゴト磐越線に揺られ、車窓から会津磐梯山を見つつ、会津若松へ。


鶴ヶ城は、現在お化粧直し中。


左の写真、昨年夏。右の写真、現在。すっぽり覆われてしまってます。

そんな中、なぜわざわざ登城したのかというと・・・


コレ!瓦の葺き替えにあたり、寄付金を引き換えに新しい瓦に記名ができるのです!


完全にスペース配分を間違え、イラストも失敗。
石垣がゆらゆら波打っちゃってます…鶴ヶ城の五層or七層を描こうと思ったのにー。
ですがまぁ、無事記名できてホッ。証明書もいただきました。
新しい赤瓦は雨風に対する耐久性がこれまでのものよりアップ。45~50年くらい持つそうですよ。


今回外された軒平瓦、軒丸瓦、黒瓦を、寄付金に応じてプレゼントしてくれる企画も。
黒瓦1枚、500円也。悩んだ末、結局手にしてしまいました。
この黒瓦、なんやかんやで1,000枚以上捌けたそうです。

この瓦をいったい家のどこに置くのか…当面の課題になりそうです。

あ、ちなみにマギー審司さんと一緒に行ったのではありません。一時的に、たまたま横に置かれただけです。
なんだか並べられると、城メグリストってば有名人みたいですね(笑)

城メグリスト

福島日帰り城めぐり1〜くるくる石垣〜

日帰りで福島城めぐりに行ってきました。
元気に5時起き、新幹線でタッチ&ゴー!午前中は、白河小峰城へ。

「同心半円型落とし積み」という、

くるっと半円を描くように積まれた石垣がとても貴重なお城です。

 

  
遠まきに見たほうがわかりやすいかな?

言われなかったら100%素通りしてしまうでしょう。でも、こうして見るとキレイでしょ?

 

  
戊辰戦争の舞台になった、歴史的価値があるお城でもあります。復元された三重櫓と前御門も立派です。

 

白河小峰城について詳しくは、<日本全国城ある記>にて。いつか更新しま~す。

 

 

城メグリスト

 

映画【桜田門外ノ変】鑑賞&桜田門ウォーク

観てきました。

 

  

前売券の購入特典でゲットした、立派な解説本。

現在&当時の桜田門周辺の地図を重ね合わせて見られたりと、江戸城を知る上では興味深い資料です。豪華特典ですね。

 

 

さて、桜田門外ノ変。名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

簡単にいうと、尊王攘夷派(天皇を尊び、外敵と戦う)派の水戸浪士が

江戸幕府の大老・井伊直弼を江戸城桜田門付近で暗殺した事件です。

 

忠臣蔵のような敵討ちでもなく、幕府に反発したただのクーデターではなく、

「世の中を正そう、日本を救おう」という志のもとに起きた、長期計画の一角だったことがポイントです。

井伊直弼が許可なく勝手に開国したり、安政の大獄で弾圧したりと、独裁的な政治をしたことが火種といわれますが、

将軍継承問題も絡んでいたりと、さまざまな背景があったことが興味深いところ。

それぞれの立場や言い分もあったでしょうし、時代の変換期ゆえのやるせなさみたいなものを感じます。

明治維新は、桜田門外ノ変のわずか8年後。

桜田門外ノ変は江戸幕府の権威の失墜、倒幕の発端といっても過言ではない事件といえるでしょう。

 

 

映画の感想ですが、いい意味で映像や構成が古めかしく、“THE時代劇!”でした。

「桜田門外ノ変ってなんだろ?」って方には、わかりやすいと思います。

こういう映画やドラマをTV放送してくれたら、もっと日本史が身近になるのになあ、と思いました。

 

よかったのは、水戸側からの視点でつくられた映画なのに、

<水戸藩士=ヒーロー、井伊直弼=悪役>にさほど偏っていなかったところ。

クライマックスに持ってきがちな襲撃シーンが序盤で終わり、

主人公・関鉄之介(襲撃の現場指揮者)の逃亡劇がじっくり描かれていたこと。

原作に忠実で、お涙ちょうだい的ヒューマンドラマに格下げされていなかったところ。

 

残念だったのは、ラストシーン。そして、その前の関鉄之介のラストシーン…。

“THE時代劇!”が裏目に出てました。

 

 

 

城メグリスト的視点でいうと…江戸城へのリスペクトを感じられなかったのが、とても残念でした(笑)

「城メグリストと行く!水戸ツアー」でオープンセットの江戸城の完成度の低さにがっかりしたのですが、

映像では印象が違うものかと思いきや、自分の目で見たまんま。2億円5千万以上の費用をかけたそうですが…。

井伊邸から桜田門までの距離も、セットだとかなりミニチュアですし。

全体的に距離感がおかしくて、映像的にも無理があったように思います。

ここは、なるべく忠実に描いて欲しかったなあ…。

 
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ちなみに、これが本当の距離感(映画観賞後に現地を歩いてきました)。

 

 

写真左/井伊直弼の籠は、おそらくこのあたり。

写真右/関鉄之介が襲撃を見届けた、松平邸あたり(現警視庁)。今警察官が立っているあたり?

 

 

 

写真左/井伊邸は、国会の手前。おそらく、ちょうど国会前の交差点のあたりが正門。

写真右/首都高速道路の横に残る、井戸。井伊邸は、元加藤清正邸。江戸城の堀は加藤清正がつくりました。

 

 

  

写真左&中/井伊直弼の首を打ち取った有村次左衛門(唯一の薩摩藩士)は、祝田橋付近で追っ手に斬られるも、

日比谷御門(現日比谷交差点)を左折して二重橋方面に逃げます。

写真右/ブリックスクエアの通りに、こんな地図が!かつての屋敷、通りがわかります。

 

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キャストは、日本を代表する俳優さんばかりで満足でした。生瀬さんと本田博太郎がよかったぞー。

近藤公園がいい味出していて、大人計画ファンとしてはうれしかった。

この前の舞台でも感じたのだけど、貫禄が出て来て、ものすごいいい役者さんになったなあ。応援してます。

 

 

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城めぐり&島めぐりから、ただいま。

城めぐり&島めぐりから帰ってきました。
うぉぉぉぉー!よかったよー。フル充電。

こんなに長期間、日本を旅したのは初めてかも(6連休あったら海外に行っちゃうもんね)。

 

前半3日間は、息つく間もなくどっぷり浸かる、マニアックな城めぐり。

 

後半3日間は、人と自然とアートに癒される、ゆったリッチな島めぐり。

 

旅のテーマも私のテンションも、前半と後半とで違いすぎて、
島を経ったばかりの今、城めぐりの話をするのはむずかしい(笑)

どこがよかった、何がいちばん、と決められないなあ。
約1,800枚からのベストショット選びも、時間がかかりそうです。

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☆大洲(大洲城→縄張り探索&史跡めぐり)→ 宇和島(伊達博物館→宇和島城&縄張り散策→遊子水荷浦)
☆松山(松山城→湯築城→道後温泉)
☆今治(今治城&縄張り散策)→  丸亀(丸亀城→猪熊弦一郎現代美術館)
☆高松(高松城→イサムノグチ庭園美術館→四国村)
☆高松(栗林公園)→ 男木島 → 直島(家プロジェクト)
☆直島(南寺→地中美術館)

こんな感じで旅してきました。またちょっとずつ書きますね。
 
 
 
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