城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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2014春の益子陶器市

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益子陶器市に行ってきました。

春夏の恒例行事にしたいところですが、気づけば2年ぶり。
お気に入りの作家さんの作品を見て、掘り出し物を探して。たのしい!

歩き疲れて青空の下でビールを飲むのがサイコーなんですが、
前日の過剰すぎる飲酒により、私としたことがノンアルだったのが心残りです。
ワイン、2本は飲んでないけど1.5本は飲んだな…そりゃ残るな。

 

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写真は、寺門広気さんという作家さんの小皿。
手前のイラストは大坂城とのことだったので、購入してしまいました。
絵付けや釉薬のかけ方などなど、いろいろお話ししてくださるのでいつも楽しいです。

私はお城好きであることをあまり自分の口からは言わないのですが、
「以前も、お城が描かれたこのサイズのお皿買ったんですよ」というお話から、そんな話題に。
「城好きから見ると、この大坂城はどうですか?」という質問に
「五重だとよいと思います。大坂城の天守は五重なので」とお答えしたところ
…ちょっとショックを受けておられました(笑)
調子に乗って、「地面に直接建てられているので、石垣の上に乗っていたらよりリアルかと思います」とも。

「そうですか!今度いらっしゃるときはもっといい城を描いておきます」ですって。
次回が楽しみ(笑)

 

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・白い器を買わない
・大きめの丼を買う
・大きめの中鉢を買う
・片口を買う
という希望も叶い、いいお買いものができました。
煮沸も完了。盛るものの精度も上げるよう心がけつつ、大切に使います。

ベトナムの旅2014

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14年ぶりのホーチミン・ミトーへ行ってきました。
缶ビールが34円のステキな国。ベトナム料理LOVEにとってもたまらない。

 

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南国なのに、南国好きではない私が落ち着けるのは、
どこかフランスの風が吹いているからなのでしょうか。
別にフレンチテイストが好きなわけでもないですが、エッセンスが入り交じる世界には惹かれる。
建物も天井が高くて、抜け感がある。
ちょっとしたデザインや配色、空間のつくり方がとても好きです。

トップの写真は、ベストショット(笑)
ここのわんこはやさしい顔をしてる。

 

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14年前に訪れたとき、「前世はベトナム人かもしれない」と思ったくらい、しっくりなじんだ都市。
ベトナム戦争が集結したのは、1975年4月30日で、
南北統一され現在のベトナム社会主義共和国に改名したのは1976年。
つまり私と同い年なのです。
1975年4月30日、解放戦線旗を掲げた戦車が大統領官邸に無血入場を果たした映像は
数年上の世代の方であれば、昔の出来事ではなく、テレビで見たリアルタイムな光景のようです。

わずか24歳なのに活気に満ちあふれていて、とくに女性の強さを感じた都市。
そのときの私は、ちょうど最初に就職した会社を退社した直後でした。
そんな状況だったこともあり、自分の足で立つことを教えてくれた気がしたのです。
だから、ちょっと特別な場所ですね。
 

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14年後の感想としては…少し商売慣れしちゃっていたりとさみしい一面もあり。…女性が強くなりすぎていた(笑)
もっと殺伐としていた記憶がありますが、ずいぶんと先進国になっていました。

ミトーへ向かう途中の、サイゴン川と平行する立派な2車線の道路も10年前にできたというし、
ミトーへは4年ほど前に高速道路ができ、かなり様子が変わってました。
さらには、なんとメコン川に橋がかかっていて驚き。
ジャングルクルーズも、あんまりジャングル感がなかったな。

 

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1台たりとも街中でシクロを見かけなかったのはショック!
14年前は根切り交渉しまくり、あらゆるところへシクロで乗り付けたのになあ!
新旧の旧の部分がなくなりつつあり、ちょっぴりさみしかったです。
建物も、古いものはだいぶ減ってきていました。
ビルと古い家屋がごちゃ混ぜになってフシギな感じも、あと数年後にはなくなってしまうのかもしれません。

 

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ベトナムは色がいい。雑貨やサンダル、バッグなどいろいろ買いました。
バッチャン焼きは見送り。
スーパーではバインセオの素やフォーやライスペーパー、調味料などの食材も激安で購入。
30度以上の猛暑のなかで生肉や生魚を売っているのが日常的のようでしたが…食中毒にはならんのでしょうか。慣れ?

 

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私は歴史が好きなのだけど、決して年表を追うのが好きなわけではない。
歴史というのは過去の切り離された出来事ではなく、現在と並列に存在するものだ。
今この瞬間も、1秒後には歴史になる。
そうした刻一刻と動く状況や情勢のなかで、人の感情が動いたり変わらなかったり、
瞬間のうちにいろんなものがうごめきぐるぐるまわって、新しい明日と新しい歴史をつくっていく。
つまり、歴史を気にするということは、今と向き合うのと同じこと。
私は、その歴史というものを、絡まった糸をほどくように解読していったり、
糸の先っぽや端っこを引っぱってみたりするのが好きなのだ。
そして、これは城が好きな理由でもあるけれど、
そこに普遍のようなものを見つけるのが楽しいし、生きている意味をちょっと見出せた気がして安心する。

海の底に潜っていくように事実を探るような作業ではなくて、
自分自身と第三者として対面して、必要であれば常識や感覚をちょっとだけ軌道修正したりするような。
よく、旅は自分探しだとかいうけれど、それとも少し違う気がする。
発見したり改めて気づいたり、というよりは、とぎすます感じに近いのかも。

だから、その場所に立ったときに一瞬だけ見えるようなものを表現したいという気持ちになる。
それは歴史がどうこうとか、やれ食べ物がおいしいとか、何が便利とかどこへ行ったとか、
一方的な情報の発信ではなくてね(それも場合によってはやるけれど)。
誰かがどこかで思いついたり綴ったりするものじゃないものをつくりたい。そういう仕事がしたい。

そんなことを、14年前とすっかり変わったミトーへの車窓からの景色を眺めながら考えていました。
その風景の写真、1枚もないけどね。

 

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…こうして語るとものすごく哲学的な旅をしているようですが、
こんなことを考えたのは旅行中のほんの15分ほどです。
とにかく暇さえあればビールを飲み、笑ってしゃべってはしゃいだ旅でした。

 

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ところで、今回は行きませんでしたが、戦争証跡博物館はオススメです。
ベトナム戦争の傷痕を展示してある博物館です。
見るべきだと思うけれど、いわゆる悲惨な画像や血が苦手な人はNGです。

今となってはおもちゃのように屋外展示されている戦車や戦闘機のほか、
銃口を突きつけられた女性をはじめとした、戦火の悲惨な写真やパネル、
枯れ葉剤の影響で朽ち果てた様子とその被害の記録、
枯葉剤の影響で奇形になってしまった胎児のホルマリン漬けまで。
たしか、落とし穴で毒針が体に刺さるしくみの見本なんかもあった気がします。
目を覆いたくなるような、かなり狂乱に満ちたショッキングな内容でした。
亡くなった兵士の数よりもはるかに多い犠牲者がでているという事実は、知っておくべきだと思います。

戦場カメラマン沢田教一さんがピューリッツァ賞を受賞した
「安全への逃避」は、たしか教科書にも載っているもの。
教科書に載っているとつい忘れがちですが、本当に最近の出来事なんですよね。
博物館には、一ノ瀬泰造さんの弾丸が貫通したニコンFの写真もあります。

かなり重い気持ちになりますが、たしか出口の売店に
ベトナムの子供たちが書いた戦争と平和の絵がハガキになったものが置いてあって、
それに本当の平和を感じたのを覚えています。

ちょっとベトナム戦争のことを知りたくなったので、調べてみようかな。
映画は「シクロ」や「夏至」なんかも、今さらだけどもう1回観よう。

「よか城サミット」のお知らせ

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よか城サミット!!熊本っぽいネーミング!

第33回全国城下町シンポジウム熊本大会のメインフォーラム
「よか城サミット!ここだけバイ!逆説の名城日本一決定戦」に出演いたします。
作家の井沢元彦先生、城郭研究家の加藤理文先生、熊本青年会議所理事長の
野瀬田隆氏と4人でトークセッションさせていただきます。
一応、わたくしコーディネーター。ドキドキ。

シンポは5/16〜18の3日間開催、
よか城サミットは最終日5/18(日)10:00〜、市民会館崇城大学ホール大ホールで開催です。

お近くの方、ぜひ!…って、思いあたる人いませんけれど(笑)

詳しくは第33回全国城下町シンポジウム熊本大会のサイトで→

新刊『「現存」12天守めぐりの旅』発売!

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4冊目の著書、
『「現存」12天守めぐりの旅~歴史ある国宝・重文のお城をたずねる~』が、
4月22日に発売になりました!

本屋さんで見かけたら、こっそり目立つところに積み直してください。もれなく店員さんに怒られます。

なんだかんだでやっぱり人気の現存天守ですが、現存12天守に特化した本は意外とないのです。
その理由もわかってはいるのですが、あえてそこに挑戦。
ビギナーの方はもちろん、お城ファンも改めて行きたくなるような1冊になっている…はずです。

お手に取っていただけるとうれしいです。さらにご喧伝いただけるとしあわせです。

この書籍の前に、1冊新書を書きました。こちらは少しあきまして、8月発売予定。
これからがっつり書き直します。これは入魂の1冊にしたい!

 

【WORK】連載『萩原さちこの「名城に学ぶ」』第9回

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休載していたBizコンパスの連載「萩原さちこの「名城に学ぶ」」が復活しました。
隔週火曜日更新。…ですがたまに月曜日にフライング更新するらしいです。

第9回は「弘前城/桜と撮りたい東日本唯一の現存天守」でございます →

弘前城の天守を桜と撮りたいと思ったことは一度もないですが(笑)

 

個人名で記事が世に出る以上、裏事情など読者は知ったこっちゃなくて、
結局は一言一句が著者の言葉になってしまう。
だから、許容範囲の線引きがとても難しい。
それなりにこの業界にいるし、自分も編集者だったので諸事情はわかる。
本人にさえ筋が通っていていれば細かいところなど問題ではないことも承知している。
ただ、だったらライターとして発注してくれよと思うこともある。
一応、プロなんだから書き分けしているよ、と。
波風を立てるのはできるだけ避けたいけれど、
やっぱりほかの人に書けないものを書くという自分にプレッシャーをかける意味でも、
見極めこだわるべきところなんだろうなあ、と思います。

 

かすみがうらマラソン、完走!

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3年ぶり4度目のフルマラソン。完走!

誰にも見られたくないヘタレな走りっぷりでしたが…
8キロ以上走ったのは3年ぶり、なわりには完走できただけで上出来だと思います。
練習してないだけあって、12km地点ですでに限界、ハムに激痛。。。
走りたいのに走れない、痛みとの戦いでエイドにもお世話になってしまったけれど…楽しかった!!

32キロあたりに古墳らしきものがあって気になりました。
あれはなかなかの古墳じゃなかろうか!
 

日本城郭史学会平成26年度大会

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日本城郭史学会平成26年度大会(江戸東京博物館 一階会議室)に行ってきました。

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テーマ:黒田官兵衛の戦略・築城

発表①
黒田如水の築城遺構から -その築城プラン、技法の共通点など-
西ヶ谷 恭弘 氏 (日本城郭史学会代表)
発表②
黒田官兵衛と織豊政権
小和田 哲男 氏 (静岡大学名誉教授・日本城郭史学会委員)
発表③
黒田如水の戦略と築城
丸山 雍成 氏 (九州大学名誉教授)
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西ケ谷先生のお話、
テーマとしてはもっとも興味深かったですが、
如水が関わった城と如水が築いた城、は築城プランや技法を語る上では重要な違いだと思うし、
あくまで“傾向”なのであれば、どの部分かを明示していただけるとすっきりしたかな、と。
さらにいえば、訪城すれば気づける表面上の類似点だけでなく、
仮説でもよいから一歩踏み込んだ学術的観点や論評がほしかったです。消化不良。

小和田先生のお話はいわずもがな。
「黒田官兵衛をめぐる65の城」(辰巳出版)は、
小和田先生のご著書を主な参考文献にさせていただいているので、ふむふむと納得しつつ。
「ああ、私って小和田チルドレンだな」と思いました(笑)

丸山先生のお話は、ふだん文献を研究することのない私には興味深かったです。
が、文献に慣れ親しまない私としては、
講義ではなくまとめられた書籍で読みたいなと思ってしまいました。

 

江戸東京博物館「大江戸と洛中」

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江戸東京博物館 開館20周年記念特別展 大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観~
に行ってきました。

江戸時代において、江戸が国際的にどんな都市だったのか、という視点は新鮮でした。
いつも狭い視野で見がちなので…(笑)
著書「戦国大名の城を読む」でもちょこっとだけ触れましたが、
海外に対して閉鎖的と思われがちな江戸ですが、
実は識字率をとっても世界的に高水準で、西洋の大都市と比較してもかなりの発展都市なんですよね。

アジア都城制とよばれる伝統的な都市づくりについての展示もわかりやすく、
その都市構造に影響を受ける江戸と洛中(京都)の比較、
東アジアの中の都市として見たときどんな特徴があるのか、
というところの対比はとてもおもしろかったです。

江戸時代の日本は世界をどう意識していたのか、
逆に、世界からどう認識されていたのか。
北京やソウルの系譜をひいた京都、
武家による画期的な都市づくりがされた江戸、
しかしそのなかでも神社や墓域の造営からアジアの都市との共通点があること。
そんなところも読み解ける展示になっていました。

やはり、江戸城関連の展示に食いついてしまいました。
モンタヌス『日本史』の「徳川幕府貢物献上之図」、「江戸城御本丸惣地絵図」、「四時勝景図」など。
パネルにも採用されている、寛永天守を描いた狩野尚信の「武州州学十二景」はやはりぐっときました。
信憑性のある史料としてではなく、当時の情景を彷彿させる手がかりとして。
あと、「江戸城御天守百分壱之建地割」のような図面もあるのだなあ、とか(もちろん実際のものかは謎)。
もちろん、重要文化財の旧江戸城写真ガラス原板は何度見てもすばらしい。

都市図屏風がどれも見事で見入ってしまったのですが、「津山景観図屏風」はやっぱり見事!
鍬形蕙斎、美しいです。

来週は江戸と徳川幕府にについての原稿執筆。
なので、廟所と墓所、江戸の都市構造の展示はとくに真剣に見入ってしまいました。

なかなか見応えのある展示でした。〜5/11まで。

 

断捨離してます

今月は断捨離月間。

必要なものとそうでないものがわかって、ここ半年のモヤモヤもうきぼりに。
捨てて、またいろいろ入れたい。自分のなかに。

仕事に関しては、最近の私には野心みたいなものがないなあ、と悶々中です。
崖っぷちに立っているとして、
どうやって形勢逆転してやろうかを考えたり、
スリルを楽しむ気持ちや心意気がなくなってしまった。
落ちたら落ちたでしかたないか、みたいなね。

このままいくと、近い将来、
知識があれば誰でも書けるようなもの
しか書けなくなってしまうのが自分でわかる。
これではいかん。もっと殺気立ちたい。
研ぎ澄まされたいぜ、力が抜けた状
態で。

新刊、できました

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新刊が刷り上がりました。インキのにおいがぷんぷん。

『「現存」12天守めぐりの旅』、学研パブリッシングより4/22発売です。