城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

●詳しいプロフィールはこちら

城メグリストのサイト

城メグリスト

●お仕事実績はこちら

アーカイブ


140年前の江戸城を撮った男

江戸東京博物館へ行ったいちばんの目的は、企画展「140年前の江戸城を撮った男-横山松三郎展」。

タイトルの通り、明治時代の江戸城の本当の姿が見られるということで行ったのですが、
横山松三郎という写真家の作品を通して時代をひも解く本展、なかなか興味深いものがありました。

横山松三郎は幕末から明治にかけて活躍した写真家。
時代の転換期にあって、西洋から伝来した当時最先端の技術を独自に研究・習得し表現しました。
択捉で生まれ、写真技術を習得、上野池之端に写真館「通天楼」を開きます。
そして江戸城はじめ古器旧物などの歴史に残る写真を撮影しますが、
さらに写真と油絵を融合させた「写真油絵」を考案するなど、さまざまな表現に挑戦。
まさにマルチメディアの先駆者でした。

江戸城は明治政府に渡り皇城となりますが、
手入れをするほどの経済的余裕が政府にあるわけはなく、次第に荒廃していきます。
「素晴らしい文化財をなんとか残したい」「せめて姿だけでも後世に残せないか」と立ち上がったのが
太政官少史・蜷川式胤(にながわのりたね)という方。
蜷川式胤のはたらきかけにより、横山松三郎が明治政府の命を受け、江戸城を撮影しました。
この蜷川式胤は、日本の陶器を海外に紹介もしている古美術研究家だそうで…
江戸城のすばらしい姿を残してくれて、本当にありがとうございます!

重要文化財にも指定されている江戸城の写真は、ガラス原板(ネガ)。
LED照明を当てられたものと、ネガに彩色されたものが同時に展示されていました。
江戸東京博物館でも初公開だそうです。
生い茂る草、崩れかかる石垣が、江戸城の荒廃っぷりを現していて、
徳川幕府の栄華もどこへやら、時代が転換した当時の社会状況もうかがえます。
巽三十櫓、数寄屋橋門、和田倉門、鍛冶橋門、書院二重櫓、東三重櫓、重箱櫓…
今はなき江戸城の姿を鮮明に見ることができて、感動。じーん!

ネガに油絵が施された「旧江戸城之図」というおもしろい作品もありました。
この作品、これまでは横山松三郎の作品とされていましたが、
明治の洋画家、高橋由一の作品ということがわかったのだとか。
江戸城の姿(巽櫓かな?)の力強く表現されていていました。
 

横山松三郎のセルフポートレートもあるのですが、
なんというか写真に古くさい感じがしなくて、空気にふわっと温度がある感じ。
「あれ?140年前の人?」とふわっとタイムスリップしたような感覚になります。そして、イケメンでした。

彼が使用していた機材も展示されているのですが、意外とシンプル。
写真技術の専門的なことはわかりませんが、ベースの部分はあまり変わらないのかもしれません。

素朴な感想ですが…思いや空気を具現化できる、写真っていいものですね。

城メグリスト

江戸東京博物館〜「江」展

東海大学の講座のあとは、両国の江戸東京博物館へ。

江戸東京博物館は、よくできた博物館ですよねー!
教育施設にもなるくらいなので、超ビギナーでもわかりやすくて、とにかく楽しい。
よくよく見ると貴重な文献があったり、7階の図書館には江戸に関する書物や映像が充実していたりと、意外とマニアも満足。

 

   

6階の一部→5階が常設展示室で、江戸初期〜戦後までの、東京の生活や流行や変貌をひと通り見られます。
私はまず、6階の江戸ゾーンに1時間くらいい続けます(笑)
寛永の大名屋敷、寛永の町人地、江戸城本丸の模型をじっくり見て、江戸幕府の資料や屏風をくまなく鑑賞。
何度見ても楽しい(笑)
江戸東京博物館、行ってみたい方がいたらぜひ誘ってください。何度でもつき合います♪

 

   
ミュージアムショップには、江戸に関する書物が充実していて、ついつい立ち読みしてしてしまいます。
物欲を抑えて、小谷城&江戸城下の古地図クリアケース。江戸城本丸の詳図のみ。大奥の内部まで、これで完璧!

 

 

特別展 2011年NHK大河ドラマ特別展「江〜姫たちの戦国〜」も開催中。
大河ドラマとなると注目度が高いようで、異常な混雑ぶりでした。
江を取り巻く人物との関係、キーになる出来事などが、パネルでわかりやすく展示されていました。

…大河ドラマの影響って、すごいですね。
取り上げられたら有名になる人物・出来事・城がたくさんあるなあ、とぼんやり。
賤ヶ岳合戦屏風はかなり楽しかった!

しかし大河ドラマ、突っ込みどころ満載で毎週ある意味楽しみです(笑)

城メグリスト

清正公さん

東海大学の講座の帰りに、覚林寺へ寄り道。
「清正公(せいしょうこう)さん」というあだ名で親しまれている覚林寺は、
加藤清正の位牌や像が祀られている寺院。勝負祈願のお寺として知られます。
(加藤清正は、熊本城を建てた人。私の大好きな築城のカリスマです)
このあたりはかつて熊本藩の中屋敷があった場所なのです。
都ホテルの足元に、こじんまりと再建されています。

 

   

桔梗紋&蛇の目紋(どちらも加藤家の家紋)がびっしりの窓ガラスがちょっと笑えました。加藤づくし!

 

目黒通りの起点である覚林寺前の交差点の名前は「清正公前」ですが、
最寄りの白金高輪駅も、開業前の仮称は「清正公前」駅だったんですって。
実は私の職場の最寄り駅でもある白金高輪駅、清正公前駅だったらカッコよかったのにー。
どこだかわかりにくいから却下になったんでしょうね。
 

城メグリスト

東海大学講座【秀吉の中国攻め】

東海大学エクステンションセンター
鳥取県・岡山県連携講座【秀吉の中国攻め-鳥取城・備中高松城をめぐる攻防-】を聴講してきました。

———————————–

第1部 鳥取城をめぐる織田・毛利戦争
講師/鳥取県立公文書館県史編さん室専門員(中世分野担当) 岡村吉彦先生

第2部 「宇喜多直家-秀家への遺産-」
講師/就実大学名誉教授 柴田一先生

会場:東海大学 高輪キャンパス

———————————–

その土地の専門家の方のお話は、やはり実におもしろい。
とくに岡村先生の「鳥取城をめぐる織田・毛利戦争」は、わかりやすくて楽しかったです。

鳥取城の兵糧攻めといえば、三木の干殺し、備中高松城の水攻めと並ぶ、秀吉の三大城攻めのひとつ。
本やドラマで描かれてしまう籠城戦の悲惨さや勝敗の結果だけに絞らず、
毛利vs.織田の攻防戦の全体像や戦の実態を考察していこう、というもの。
しかも、これまで参考にされていた数少ない鳥取の資料からではなく
(通常2.000〜3,000、多ければ1万以上もある戦国時代の資料、鳥取は200〜300しかないのだそうだ)、
県外のの古文書も洗いざらして、鳥取城を読み解みといていく、というおもしろいものでした。

鳥取城主・吉川経家の書状から読み解く、城主着任の背景と経家の戦略、毛利家の動き。
城攻めの天才・秀吉の功績(やっぱり、あっぱれ!)、信長の思想と策略、政治手腕。
なるほど、織田vs.毛利の、何年にも及ぶ攻防戦の実態が見えてきておもしろい!
じわじわ追いつめて行く織田、でも毛利も黙ってやられるほどバカではない。
だけど、やっぱり織田の方が上手で、少しずつ形勢が変わっていくんですねー。ぞくぞく。

歴史は、年表や箇条書きにすると1行で済んでしまうけれど、
だけど、そこにはたくさんの事情や事実が必ずあって、ひとつひとつ理由があるのがおもしろい。
今と同じように1分1秒を刻んでいて、その歴史があって今があるのだと思い知らされます。

ところでこの吉川経家、秀吉がその奮闘を讃えて切腹を認めなかったのにも関わらず、
拒否して自害した(秀吉が信長から自害の許可を得てから)という
家臣思いで志のある、男気あふれる武将なのですが、
籠城戦中の書状や遺書からもその思いが伝わってきて、じーん。。
ちなみに、先日亡くなった落語家、『笑点』の4代目司会三遊亭圓楽師匠は、吉川経家の直系の子孫です。

 

あまりにおもしろくて、書籍も購入。

こういう講座、もっと聴講したいのですが、平日の昼間が多いんですよねー。
だいたい平均年齢70歳(推定)で、私はエラく浮いていることが多いのですが、
今日はもう少し若い女性の姿がありました。歴女ブームですかね。
それにしても、わざわざ足を運んで熱心に聴講されるご年配の方にはいつも脱帽。
いくつになっても勉強しようという向上心と探究心、好奇心と行動力は見習いたいです。

城メグリスト

小田原城から弓!

すごいニュースが飛び込んできましたね!

この弓胎弓が使われたのは、文献上は江戸時代だそうなので、
戦国時代の矢が出土したことは、歴史を塗り替えるかもしれない貴重なことです。

「戦国の矢なんて、見つかったところで何の役にも立たないじゃん」と思うかもしれません。
でも、これだけ発展した世の中で、今まで誰も発見できず、解明できなかったことが
今、突然ふらりと姿を見せるなんて、まるで宇宙人の到来のようでなんだかワクワクしませんか?

お城はミステリーの現場、そしてタイムカプセルでもあります。
これからも、数百年眠っていた事実がひょいと顔を出すかもしれませんよ。

小田原城は復元天守閣ですから、天守閣そのものには歴史的価値はありませんが、
城郭には歴史的ストーリーが数多くあり、遺構も残る、歩きがいのあるお城です。
おいしいものもあって、日帰りにもちょうどいい距離。
春夏あたり、城メグツアーで訪れたいですね。

やりたいこといっぱい・・・むくむく。

城メグリスト

いわきマラソン〜お城篇〜

城メグリストなので、一応お城も。

…といっても、行ったんだか行ってないんだか。

私が思うに、いわき駅は城郭をぶち抜いているのではないでしょうかね?
「ココ外堀?」というような大通り、「コレ現存?」というような石積みを車中からチェックしつつ、一応平城城址公園へ。
駅の南側に行くと坂と寺が増えるので、本丸はこの地にあったのでしょう。
平城の歴史もいわきの歴史もよくわかりませんが、
関ヶ原以後のお城ならば、伊達政宗に怯えつつ役割を担っていたのかなあ、などと。

 
 
ちなみに、いわき駅周辺は、どうやら不夜城。昼間は人がいません。
<ステーキハウス キャッスル牧場>なるレストランを発見しましたが、キャッスルらしさは発見できませんでした。
 
 
城メグリスト

いわきマラソン〜グルメ篇〜

いわきまで行って、私がただ42.195kmも走って来ただけと思ったら大間違いです。
おいしいモノも食べてきましたよー。

まずはランチ。キッチンこころ名物?の<オムのっけ>。メガ盛り!がんばったけど、半分でギブアップ。

昼夜ごはんの間に、ちょこりと観光も。
選手受付会場、文化センター。フラガールによるウェルカムショーもここで。
コース下見がてら、車でいわきマリンタワーへ。鬼・寒かったという思い出だけ(笑)
いわきといえば、フラガール。しずちゃん、大きすぎ。悪意を感じるパネルです。

普段は絶景であろう、マリンタワーからのスカイビュー。
強風とともに小雪が舞う空、鋭い波を立てる寒々しい波。マラソンを控えた身としてはやる気が削がれるばかり…。


マラソン大会は楽しいけれど、前日に乾杯できないのが拷問。1杯で自粛。
いわきの名物といえばあんこう鍋、めひかりということで、居酒屋さんへGO!
たこの和えもの、もずく酢、あん肝、お造り、あんこう鍋。
<オムのっけ>が響いて、雑炊にたどり着けず。名物めひかりも食べられず…失態。
しかも、炭水化物大量&消化のいいものというマラソン前夜の鉄則が…。
あんこう鍋の雑炊、絶対に絶品だったと思う…。
お酒を飲まずに居酒屋に行くのって、栄養バランスもよくて食べ過ぎることもなく、かなり健康的なんじゃないか、としみじみ。

翌日に備え、お風呂に浸かってストレッチして、早々に就寝。健康的!

********************************************************

いわき湯本温泉郷というのがあって、ゴール後に入れたのもうれしいところでした。

温泉であったまった後の、完走ごほうびごはんは、うなぎ!
予約なしだと時間がかかるというので、骨&肝焼きをつまみにビールを飲みつつ…。
ふと隣を見ると、生け簀にうなぎがいっぱいー!注文取ってから捌くとなれば、待ちますよ、待ちますとも!
う〜ん(うっとり)。うなぎふっくらすぎでしたー!!!

城メグリスト

徹子の部屋

今日の徹子の部屋、最近なんだか魅力的な伊勢谷友介がゲストだったんですが。

天才肌でアーティスティックな人だけに、ストイックで尖っている感じの人なのかな〜、と
20代の頃は勝手なイメージを持っていたんですが、
地に足が着いた発言の連続で、めちゃめちゃカッコいいではないですか!
自分がどう感じるか、どう考えるか、というスタンスでものごとを判断できるんですね。
徹子のムチャ振りにも、完璧なまでの的確&さわやかな返答(笑)!!
好感度アップです。

徹子の部屋は伊勢谷友介と同い年の34歳だそうなんです(私も同い年!)。
「好奇心って意外となくならないのよね」とサラっと言った徹子もカッコよすぎでした。

…って、わざわざブログで書くことでもありませんが。平日のテレビもなかなかおもしろいもんですね。
 

城メグリスト

いわきサンシャインマラソン

第2回いわきサンシャインマラソン〜駆け抜けよう、フラガールの故郷を〜、
無事、42.195kmを完走しました。

3週間ぶりにランニングシューズを履くというていたらくぶり、
「中止にならないかな〜」と前日まで本気で思っていたやる気のなさでしたが(※雨天決行)、
走り出してみたら楽しかった!マラソン大会サイコー!!
1人の練習は7〜8kmで飽きるんですが(練習キライ)、大会ってベツモノなんですよねー。
この楽しさはもう、出場経験のある人にしかわかりませんが。

いわき市はこじんまりとした街で、前日は人の姿があまり見当たらなかったのだけれど、
当日は、いわき市民が全員参加しているのではないかと思うくらいの盛り上がり!
42.195kmの間、視界から救護スタッフや大会スタッフが見えなくなることはなく、万全のサポート&応援でした。
シャトルバスは大きな観光バスがどんどん出ていて待ち時間なし。完走証、参加賞、荷物の受け渡しもスムース。
ランナーの数やレベル、規模まで、大会運営のすべてがちょうどよく、第2回とは思えないほど快適な大会でした。

いわき市のみなさんが楽しんで大会を運営している感じがとても心地よくて、
沿道で声援を送る市民のみなさんも、とても楽しそうなのが印象的でした。
不思議な応援歌を歌ってくれるおばちゃんや、一生懸命応援してくれる小学生、楽しそうに旗を振るおばあちゃんや、
職場総出で沿道に駆けつけていたおじさん達…マラソン大会は、街起こしみたいなものなのかもしれませんねぇ。
16.5kmの漁港での、大漁旗がたなびきまくる折り返し、30km地点くらいのチアリーダーの応援が元気ポイントでした。
ランナーが適当に商店に立ち寄っているフランクさもおもしろかったです。

ちなみにいわき市は東洋大学の柏原くんの故郷なので、今まさに旬で盛り上がってます。
たいしたことない登り坂を、なりきり柏原くん気分で走ることができます(笑)

特筆すべきは、給食の充実度!ココ重要(笑)。
第2給水所では、いわき産米のおにぎり、いわき産いちご、いわき産トマトがずらり。
食べやすいミニサイズのおにぎり(塩味濃いめ)に感動!
フルーツトマト、梨のコンポートのシャーベットがめちゃめちゃおいしかった!
各給水所にも、バナナやチョコレート、梅干、氷砂糖がたっくさん準備されていて、食べまくってしまいました。

こういう給食や給水って、私くらいの遅めのランナーになると
もう目玉食材はなくなってしまっていたり、なんとなく残りもの感があったりするんですが、
今回はおしげもなくたくさん用意されていたようで、配慮があるなあと思いました。

そして、ゴール後に係の人が計測チップを外してくれたこともうれしかった!
ランナーは、正式タイムを計るために、小さなカード状の計測チップをシューズの紐にくくりつけて走るんですが、
この計測チップはゴール後は返却しないといけないんですね。
さすがにフルマラソンを走った直後は機敏にしゃがめない(&放心状態)ので、こういう心遣いはとてもありがたいのです。
フラガールが完走のレイをかけてくれるのも、ちょっとうれしかったです。

 

 

ランナーへのお振る舞いは、かに汁!漁港でいただくかに汁は、人生でいちばんの味。

ケガの痛みと数時間戦うという試練がないだけで、こんなにラクなのかあ、とちょっと感動。
体力的に苦しいというのはなかったけれど、なにせ練習していないので、足が動かないっっ!!
おかげで5時間27分もかかってしまいましたが、
“練習しなくてもとりあえず制限時間内に完走はできる”ことがわかってしまいました…。
ますます練習しなくなりそうです(笑)

海沿いなので、浜風が時折強く体温調節がちょっと大変ですが、このホスピタリティならまた味わいたいかなー。
とにかく楽しかった、いわきマラソンでした。

 
城メグリスト

ちょいとフルマラソン

13日(日)のいわきサンシャインマラソンに出場すべく、明日福島県いわき市へ旅立ちます。
「福島って雪積もってるんじゃない?走れるのー?」「寒そう〜」とかなり前から脅されていましたが、
福島どころか、東京も大雪ではありませんかー!
こりゃ、昨年の東京マラソンよりも過酷そうですな。

声高にいうことではありませんが、まっっったく練習してません!ナメてます、完全に。
3度目のフルマラソンになるわけですが、いきなり走って完走できるほどの実力はありません。
どこまで続くか、体力&脚力、そして精神力。
もしかしたら、スーパーひたちのチケットは片道だけでよかったのやもしれません。
無謀すぎて自殺行為に近いものがありますが、敦盛を舞って挑みたいと思います。
これが最後の城メグ日記の更新になりませんように…(笑)

とりあえず、あんこう鍋♪お寿司♪温泉♪
せっかくなので、いわきを楽しんできます。

やる気!元気!いわき!
 

城メグリスト