城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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【城メグツアー#4 彦根マラソンツアー〜二条城と石垣篇〜】レポート

抽選に当たり、二条城お城まつりAUTUMN FESTA 2010のイベント、
石垣の見学と専門家による歴史解説【二条城と石垣】に参加してきました。

講師は真鍋建男先生。ご挨拶もさせていただき光栄です。
文化財石垣保存技術協議会のご紹介、ありがとうございました!

 

   
   
   

世界遺産の二条城、やはり二の丸御殿が有名すぎて、石垣を中心に見る人はあまりいないと思いますが、
石垣からお城を見るというのもなかなかオツで(笑)、いろいろなものが見えてきます。
時代背景や、技術的なことも踏まえて、城内をぐるりと石垣めぐり。
東大手門から二の丸庭園、桃山門へ抜け、梅林から西橋へ。
本丸御殿をを抜けて東橋を渡り、清流園、北大手門へと歩きました。

 

   

一般人がスルーしてしまうであろう、旧二条城の石垣。
これは現在の二条城とはまた違う、信長時代の二条城。
突貫築城だったため石仏や灯籠などが使われているのが特長です。
時代が変わると城も変わる…ちょっと切ない片鱗なのです。

 

   

石垣の積み方がわかってしまう、この隙間!!
石垣は見事なまでに計算されて、層になったり組み合わせたりして積み上げられているのです。
強度や水はけ、地盤や石の種類、時代や技術によっていろいろあるのですが。

 

  
   

普段は一般通行禁止の渡櫓門の北大手門に特別に入れていただきました。
櫓の横の石段、刻印だらけ。刻印が上向きになっているのは貴重なんです。
理由は諸説あるので、真意を探るのがこれまたたまらん!・・・というのが、石垣マニアの熱い叫びです。

 

今まで知らなかったこともあって、なかなか貴重な体験でした!

 

   
 

セミナーの前に、久々に二の丸御殿をゆるりと拝観してきましたが、やはり素晴らしいですね。
お城としての歴史的価値、建造物的な価値も高いですが、日本の美の最高峰だと思います。
もう、お城の知識ゼロで行ったとしても、それなりに満足度がありそう(それはそれでもったいないのですが)。
写真は一切NGですから、ぜひご自分の目で。さすが世界遺産、桃山文化の極みです。

 

*城メグツアー#4 彦根マラソンツアー〜彦根篇〜に続く

 

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【城メグツアー#4 彦根マラソンツアー〜城めぐり篇〜】レポート

遅ればせながら、11/12(金)〜14(日)の旅、ダイジェストです。

1日目(11月12日)は、城メグツアーに先立ち、1日前乗りして、ひとり奈良へ。大和郡山城&高取城へ登城してきました。
お城レビューについては、改めて。<城ある記>でじーーくり書きますね。

 

まずは、大和郡山城。
日本には100名城以外にも名城がたっくさんあるんです。大和郡山城も、私が思うそのひとつ。
かなり語ることがたくさんありますが、簡単にザザッと。

 

現在遺構が残る姿、築城したのは豊臣秀長。豊臣秀吉の異父弟です。
まず、近鉄大和郡山駅の脇にある交番が天守閣モチーフなところに、城へのリスペクトを感じます。
三の丸には現在市庁舎が経ち、二の丸跡には現在高校が建っています。
ぽつりぽつりと残る城郭の足跡をたどりながら、現在は道路になっている鉄御門を抜け、本丸へ。
城内を電車が横切っていくという、珍しい風景も見られます。

 


復元された追手向櫓、追手門、東隅櫓を見上げながら、本丸内へ。

 

無骨な野面積みの石垣。これは本当に圧巻!
写真右は、柳沢文庫(旧柳沢邸)。
(江戸時代に入り、かの柳沢吉保の長男・柳沢吉里が藩主となり、以後柳沢家がこの地を繁栄させます)
ご配慮いただいて、学芸員の方にごあいさつ。
特別に展示の解説もしていただき、貴重なお話がうかがえました。ありがとうございました!

 



柳沢神社を抜けると、天守台がしっかり残っていました。

 

天守台からの景色。ぐるり、二の丸方面まで見えます。

 


特筆すべきは、転用石の多さ!石棺のフタと思われるものも。
とくに、お地蔵さまが逆さに石垣に突っ込まれた<さかさ地蔵>は有名です。
のぞきこむと、お地蔵がそこに・・・!90cmもある、立派なお地蔵さまです。隣には、供養塔。
奈良県は石がないからという説もあれば、突貫工事だったため、周囲の墓地などからかき集めたという説も。
この天守台には、平城京羅城門の礎石や、石地蔵、五輪塔などの石が惜しげもなく積み込まれているそうです。
よーく見ると、お地蔵さまがごろごろ。

 


城下町の町割と趣きが色濃く残っているのも、郡山城の魅力。
お寺もたくさん残っているので、いかにして敵の侵入経路を塞いだかも、見えてきます。
(お寺は第2、第3の防衛施設です)
大和郡山城は、金魚の町。柳沢保申が財政難を脱却のために金魚の養殖を推奨し、その生産高は全国区なのです。

 

染めもの屋さんの一角だから、紺屋町。町名の由来なんかもわかりやすく記してあるので、歩くのが楽しいです。
 

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奈良県高市郡高取市にある高取城は、山城好きなら知らない人はいないであろう名城。
岩村城(岐阜)、備中松山城(岡山)と並ぶ、日本三大山城のひとつです。
海抜583m、麓からの高低差は446mを誇ります。

 

奈良産業大学によるCG再現がすばらしい!!
こうして見ると、いかに壮大な山城だったかがわかります。
ここから、その壮大なCGを見ることができます。必見。  →
中世の面影を残す古い街並み<土佐街道>もステキ。壺阪寺を見下ろして、車でぶーんと、高取山へ向かいます。

 


高取城も、語ることがたくさん!
詳しくは<城ある記>で語りますが、それはもう難攻不落の山城ですよ。
城内は周囲が3km、郭内は周囲が30kmにもおよぶ、巨大さ。

 

本丸跡の高石垣。コレ!!石垣ファンにはたまらないシルエットです(笑)くぅ〜!
勾配がなく、す〜っとまっすぐに積み上げられたこの石垣は、織豊時代の積み方なんです。

 


要塞としての高取山の立地のよさ、井戸跡、転用石、天守への侵入ルートと防衛機能…。
本丸内も、おおいに散策の価値があります。

 


本当に広いので、そこそこハードなハイクになります。
この日はガイドさんが2人もついてくださり、かなり奥深いところまで連れていっていただきました。

 


石垣の保存はとても難しく、維持費も修繕費もたくさんかかります。ごろごろ、もうどんどん崩れてきています。
この遺構から紐解けることが本当にたくさんあるので、もったいないです。なんとか守りたいものなのですが…。
もう、明日にも崩れそうな石垣を見ていると、胸がきゅ〜となっちゃいます。
とにかく、石垣ファンならば1日でも2日でもいられる(なんなら住みたい)お城ですね。

 

高取の名所、五百羅漢にも連れて行っていただきました。すべてビミョーに表情が違うという、お地蔵さま。
写真左の新しいほうは最近つくられたもので、写真中が、本来のもの。ホントにお地蔵さまがいっぱい。
「城メグリストの本、楽しみにしてるよ」と応援してくださった、ガイドの椿本さんと。
どうせなら高取城で撮るべきでした(笑)

 

*城メグツアー#4 彦根マラソンツアー〜二条城と石垣篇〜 へ続く

 

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大人計画【母を逃がす】

本多劇場で観てきました。

久々の大人計画本公演!ということで超〜楽しみにしていたのに…寝不足で行っちゃダメですね。
ということでストーリーを語る資格はありませんが、ひりひりと切なくもなり、最後は爆笑しました。

私は演劇でも映画でも、観たいのにどうしても眠くなることがあるんですが、集中力の問題なんですかね?
映画の予告編で寝ることもしょっちゅうです。暗くなると寝ちゃうんです。よい子なんです。
この睡魔は病気なんじゃないかと思いましたが、「違うよ」とあっさり否定されました。

それにしても、やっぱり舞台の阿部サダさんはサイコー!!

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編集思考な忘年会

セミナーで知り合ったみなさんと、忘年会。
素敵な洋館を提供していただき、わいわい鍋パーチーでした。
スーパーで買いものしてる時点から、すでに楽しい(笑)。カート大好き。

職種も世代も違う方と、こうして集ってお話ができるのって、よくよく考えたら奇跡的なことです。
私って無知で浅いなあ、と気づかされることばかりですが
意見をぶつけさせてもらったり、しょーもない話で爆笑したり、アドバイスをいただいたり…ありがたいです。
真摯な生き方をしている人って、一緒にいてあったかいし、キラキラしてるんですよねー。
私もその一員でありたいです。

今宵はおめでたいご報告に、とにかく私も有頂天。
伊藤さん、本当におめでとう〜!!!私もうれしいよー!!

 
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四国城めぐり&島めぐり-7

 

2010年10月の旅、いよいよ最終日(10月11日)。今日は本命の直島を堪能します。

 

私たちが泊めていただいたお部屋(座敷)では、部屋の隅で炊飯器がフル稼働。
たくさん余ったごはん、翌日の朝食にどうぞ、と。1泊1食付きだったはずが、もう1食つけていただいちゃいました。
サービスでふりかけまで…お母さんのやさしいおもてなしに感謝しつつ、チェックアウトなどなく、裏口からなんとなく出発。

 

   
   
   

まずは、昨夜訪れた大竹信朗/graf「直島銭湯I♥湯(あいらぶゆ)」。
闇の姿もよかったけれど、やっぱりこっちが映えますね。
私は階段の上のタイルがものすごく好きです。あと、地球儀が日本になってることに感動。

 

  
   

宮浦港へ向かい、草間彌生のかぼちゃと戯れながら、早朝の情報収集&作戦会議。
絞った結果、今日どうしても行きたいのは地中美術館と南寺。
だけれどエリアの異なるこの2カ所は、いずれも午前中で整理券ははけてしまうというのです。
二手に分かれればどうにかなるらしい、という情報を手に入れ、私はひとり南寺のある家プロジェクトに向かうことに。
南寺の整理券ダッシュレース、すごかった…激走の結果、第2位でゴールできました。
おだやかな宮浦港、この約1時間後、フェリーの到着とともに大変な大混雑になります。

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南寺の観覧時間まで、家プロジェクトをぷらぷら。もはや、庭の手入れをするおじいさんすら、アートです。

 

   
このフシギな表札のようなものは、<屋号表札プレート>なるもの。
瀬戸内国際芸術祭2010ではなく、直島町まちづくり景観整備事業としてつくられたものだそうで、
人名、職業、位置、先住地、商号などからつけられているようです。

 

  
  
  
  

このいろとりどりののれんは、2001年に行われた「本村のれんプロジェクト」以来定番になったものだそうで、
染色家・加納容子さん(岡山県在住)が製作したオリジナルのれんが、本村地区14軒の軒先にかけられています。
のれんを見てまわるだけでも楽しい。

 

  

ちなみに家プロジェクトのある本村地区は、縦横が整然としていなくて、どこへ行っても壁に当たります。
これは、賊が攻め込んだ場合に敵の放つ矢を家の壁で防御しながら戦闘をしたり、
うまく逃走して追っ手を撒くために形成された戦略的町並みなのだそうです。

 

ジェームズ・タレル×安藤忠雄「南寺」
ものすご〜くよかった!でも、実際行った人しかわからないかな…。
暗闇に慣れるのに他の人より時間がかかるらしく、長いこと何も見えなくてドキドキしました。

 

  
南寺の隣にあるミニ公園の、なんだかアートなすべり台。思わず童心に返ってみる。

 

   
   

<玄米心食 あいすなお>さんでランチ。
ごま油が香る小豆島手延べそうめんと、あいすなお名物もっちり玄米おむすびのセット「すすりこセット」。
小豆島産の昆布もおいしい。地のものってイイですね。
お水は、好きなグラスで。どれもかわいくて迷う…。店内のインテリアもステキ。

 

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ゆっくりまったりする間もなく、ベネッセミュージアムをスルーして地中美術館へ。
有名な草間彌生の黄色いかぼちゃも、バスの中からチラ見。
遠まきに見ると、群がっている人々の図がなんだかこっけいです。

 

地中美術館。
「クロード・モネは上野あたりの美術館で見られそうだから、地中美術館は諦める…?」なんて話も出ていたのですが、
上野じゃダメでした。クロード・モネの絵があるだけじゃない、すばらしい空間でした。

地中美術館は一切撮影NGなので写真で伝えられないのですが、安藤建築がとにかくすばらしい!
陽の差す影すら、建築の一部になっていて、時間差で建物の輪郭が変わってました。
建築もアートも統合的なものなのだと、ほえーと感動。

 

   

空が青くて、広い。

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島を離れる時間が迫りあたふたとさみしい気持ちが入り交じる私とはうらはらに、島は変わらずゆったりしてました。
たぶん、次に来たときも同じなんだと思います。そうであってほしいです。

 

 

フェリーを待っている間に食べた、塩アイス。うまし。
ふつうの塩スイーツは甘さの仲にほのかなしょっぱさだと思うんですが、
この塩アイスは、しょっぱいです。私はこっちの方が好き。

 

  

ゆっくりと、フェリーが港から離れていくのを眺めました。なんだか夢のような時間だったなあ…。

 

  

高松港付近で「ファスナー船が見えます!」とのアナウンスが。
ファスナー船はアートのひとつで、その名の通りファスナー型の船。
船本体がファスナーのつまみ部分で、通り過ぎたあとの波しぶきがファスナーのレール?部分に見えるのです。
甲板に人が押し寄せてましたが…あんまり見えず。

 

 

そうこうしているうちに、あっという間に高松港に到着。
 

 

 

「ん?あんなところにいきなりお城が!」と興味を持ってもらえたので、高松城へ。
玉藻公園内には入城せず、中堀まわりをぐるり。現存石垣が意外と保存されていていました。

 

これにて旅は終わり。とにかく笑った島めぐりでした!

 

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四国城めぐり&島めぐり-6

10月9日、いよいよ直島に発つ日。
もうこの2ヶ月でエピソードは語り尽くしたので、フォトギャラリー的にお楽しみください。

 

  
   

島へ渡る前に、早起きして栗林公園へ。
栗林公園はミシュラン日本の庭園ベスト5にも入る、日本を代表する回遊式大名庭園。
江戸時代初期に造られ、文化財庭園としては日本一の広さを誇る特別名勝です。

こちらの花園亭で、おかゆの朝食がいただけるのです。
水面に映る朝日がキラキラ。静寂と開放が入り交じる、凛とした感じ。
うどんもいいけど、おかゆもナイス。早起きっていいなあ、と思いました。

 

   

食後は庭園内をおさんぽ。
ハート型に刈られたつつじは女子スポット。私は出口に備え付けられたハタキの用途のほうが気になります。

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さて、ようやくこの旅のメイン会場、いざ直島へ!!
…と思ったら、なんと、フェリーが大混雑!
いや、混雑を予想してかなり早めに高松港へ行ったのですが、その人混みや想像以上。NHKもいたくらい。
ギリギリ次のフェリーの乗船券購入権を得たものの、それでもなーんにもない港で4時間待ち。
(このあとの人、直島には行けなかったんじゃないかしら…)

そこで、機転を利かせて、空席のあった男木島行きのフェリーに乗り込むことに。
直島に宿を取っていたおかげで、臨機応変な動きができました。

 
  
こちらは、高松からフェリーで20分のところにある女木島。
下船はせず、船上から港を見下ろす。鬼ヶ島?だそうで、鬼の銅像が島の入口に鎮座してました。
カモメがいっぱい!と思ったら、これもアートのひとつでした。
 
 
  
  
おだやかな海を見ているうちに、男木島に到着。
どどっと押し寄せる観光客をよそに、のんびり釣りをしている島民の方の姿に、まずはほっこり。
 
 
    
   
男木島は、面積1.37km、人口200人の島。
平地がほとんどなく、斜面に密集して民家が建ち並び、その間を縫うようにして細い路地が通っています。
 
 
 
左/ジャウメ・プレンサ「男木島の魂」 右/ 井村 隆 「カラクリン」
 
 
いいですね、こういう光景。こどものあそびば。
 
 
   
   
ジェームズ・ダーリング&レスリー・フォーウッド「ウォールワーク5 –カモ島からカモ神社へ–」周辺。 
 
「翌日に行けたらいいね〜」なんてのん気に考えていた男木島だけれど、実によかった!
石垣で埋め尽くされた島で、城メグリスト的にはもうコーフン。
 
 
 
左/アートの一部と勘違いしそうな、おじさんの帽子 右/谷口 智子「オルガン」 
 
 
  
  
西堀 隆史「うちわの骨の家」
 
 
  
これも「オルガン」の一部?リボンちゃんが懐かしい。
 
 
   
眞壁 陸二「男木島 路地壁画プロジェクトwallalley」
 
 
   
オンバ・ファクトリー「オンバ・ファクトリー」
 
 
   
  
谷山 恭子「雨の路地」
時間になると雨が降ります。これ、好き。
 
 
   
   
高台の豊玉姫神社は安産の神様。
まるで城歩きをしているかのような、石垣の路地がステキ。
 
みんなアート目的の観光客なので基本的に大騒ぎしている人はいないのだけれど、
普段は静かなんだろうなあ、こんなにたくさんよそ者が押しかけて、迷惑なんだろうなあ、なんて思って
ちょこっとお話をしたおばあちゃんにそれとなく伝えてみたら、
「たくさん人が来てくれてうれしいんよ。もうすぐみんな来てくれなくなるけん、さみしくなるねえ」と
ニコニコしながらおっしゃっていたのが印象的でした。
他を寄せ付けないことが基準のこの発想が、すでに私の汚れた都会人の心を表しているようで、
ちょっぴり恥ずかしくもあった瞬間でした。
 
 

島こころ椅子プロジェクトグループ「島こころ椅子プロジェクト」
 
 
   
左、左から2番目/漆の家プロジェクト「漆の家プロジェクト」 
3番目/高橋 治希「Sea Vine」、 北山 善夫「誕生─性─生─死─家─男木島伝説」などは40分待ちの大行列。断念。
右/北山 善夫「誕生─性─生─死─家─男木島伝説」の一部。
 
 
   
中西中井「海と空と石垣の街」コレ見たかったんです。
 
 
   
この<めおんバーガー>が尋常じゃなくおいしく、感動すら覚えました。
「モスにご当地バーガーとして持ち込んだら採用されるんじゃないか」とか
めおんバーガーの商品化について物議を醸し出したほどでした。
 
 
   
左、左から2番目/カフェでゆれていたオブジェ。
3番目、右/川島猛とドリームフレンズ「川島猛とドリームフレンズ」 まるいのは、想い出玉なんだそうだ。
 
 
最終フェリーが定員オーバーだったら大変、ということで、後ろ髪引かれつつも男木島を後にし、直島へ移動。

 

男木島の方のお手製たこ飯がおいしかったです。ビールもグビッとね(食べもののことばっかりです)。
 

 

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直島は大きく分けて3つのエリアに分かれます。ひとまず、家プロジェクトへ。
アプロプリエイトプロポーション 杉本 博司「護王神社」 は地下に降りられますが、60分待ち。
地上の姿だけ見て、あとはうろうろ。焼肉エビピラフなのか、ピラフ2種なのか考えながら…。
ほかに、須田 悦弘「碁会所」、千住 博「石橋/空の庭/ザ・フォールズ」など。  
室内の水のアート、Sea of Time’98(時の海’98)「角屋」が好きでした。(撮影NG)

 

  

期間限定のアートフェスとは関係なく、ベネッセミュージアムやら地中美術館やらもある、すでにアートな直島。
街並みとか、お宅のしつらいとか、区役所までなんだかステキ。
バスの中から見た小学校も、なんだかアート。この島出身の人、センスよさそう。
この真ん中の写真のお宅、本当にステキ!住人の女性も、上品で清楚で綺麗な方でした。

 

   
大竹 伸朗 / graf「はいしゃ」  
ここも大行列だったようですが、終了寸前にすべりこんだおかげで10分待ちくらいで見られました。
こまかいところまでなんだかユカイ。

 

  
宿のある宮浦港へ戻って、きれいな夕陽を見ました。本当に、キレイだったのです。
草間彌生のかぼちゃの中から見る、まあるく切り取られた夕陽もステキ。

 

   
直島でいちばん楽しみにしていた、直島銭湯I♥湯(あいらぶゆ)。
アーティスト大竹信朗さんの、美術作品であり、実際に入湯できる施設。夢で見たことがありそうな銭湯です。
デザイン・設計協力はgrafなんですね。
こんなに要素が多いのに、飽きがこないし、なんだか落ち着く。新しいのに懐かしい。
近代アート居心地ではなくて、お風呂屋さん、って感じがしましたよ。

混んでましたが、人数制限してくれていたおかげで、洗い場が足りないことはなく。
でも人が待機していると思うとやや急ぎ気味になってしまい、
タイルをひとつひとつ眺めるゆとりはありませんでした。
トイレもちょっと凝っていたみたいなんですが、見られず。
宿を出る前にトイレを済ませるという優等生的行動が裏目に出ました。残念。

タオルやらお風呂セットやら、いろいろグッズも購入して満足です。
 

宿泊は、居酒屋さんの座敷を部屋としてあてがわれるという、斬新な体験しました。
ある意味くつろげて楽しかったけど、無防備だったなぁ…。
「どこで顔洗うんだろう、シンク?」とか「もしかして、居酒屋の酒を深夜に飲み放題!?」などと
いろいろ考えていましたが、わりとちゃんと宿泊仕様でした。
Mさん、予約ありがとうございました!

 
*四国城めぐり&島めぐり-7 へ続く
 
 
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四国城めぐり&島めぐり-5

ここから、アートの旅に入ります。念願の、瀬戸内国際芸術祭2010!

初日の午後は、高松観光。
高松東京からやってきたデザイナーMさん&Sやんを、まるで四国人のようにお出迎え。

  

香川で行きたかったところのひとつ、イサムノグチ庭園美術館。イサムノグチ、好きなんです。

牟礼町は花崗岩庵治石の名産地で、ユネスコ庭園への作品素材にこの石を使ったことをきっかけに、
ここにアトリエを構えたのだそうです。
イサムが晩年に使っていたアトリエ、家を見学することができます。

その生い立ちから、いつも狭間の世界にいる感覚だったであろうイサム。
だからこそ、自分や世の中を常に客観的に見ていて、表現していたのだろうなあ、と。
終幕を受け入れていたのか、残りの時間から逆算するかのように、未完成を想定して仕上げていたりするんです。
自分に残された時間の中に、未来へのメッセージみたいなものがめいっぱい織り込まれているようで
なんだかホロリとくるものがありました。
撮影は一切NGで写真はありませんが、心のカメラにしっかりメモリー。

 

   

イサムのあとは、四国村へ。生姜をすっても楽しいお年頃です。
四国村は、数年後の行く末を心配せずにはいられない場所でした。
ひとつひとつの展示物はすごいんでしょうけれど、
なんの説明もオチもないので、まっったく価値も存在意義もわからず…看板ひとつあったら違うのになあ。
唯一楽しかったのは、かずら橋の再現。暴れて揺らして、嫌がられました。
 
 
 
 
ローカル列車を、ベンチに座ってのんびり待つ。ことでんのフォントがかわいい。
 
 
*四国城めぐり&島めぐり-6 へ続く
 
 
 
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四国城めぐり&島めぐり-4

2010年10月の旅、3日目のフォトギャラリーです。お城については、改めて<城ある記>でアツく語ります!

 

  

けっこう栄えている高松駅から徒歩5分。松城は、現在玉藻公園として整備されています。
ビジネスで高松に来た方なんかは気づかないのかもしれませんが(城好き以外気づかない?)、
駅近ながら、特長あるお城なので、立ち寄ってもらいたいお城です。
まず、琴電高松築港駅のホームに城がめり込んでいて、驚愕しました。
通勤の方がフツーに列をなしていることにも…

 

  
   
   

こんなに駅近に当たり前のようにあるお城ですが、日本三大水城のひとつなのです。
瀬戸内海の海水を外堀、中堀、内堀に引き込んだお城、つまり海に浮かんだお城、というイメージです。
天守閣は石垣の治療中。無事、元気になってほしいものです。

 

  
  

駅近のお城というと、復元された歴史的価値の低いものが多いですが、
高松城の月見櫓・水手御門・渡櫓はなかなかの建造物で、重要文化財にしていされています。
かつては水手御門まで海水が引き込み、船でつけていたのですね。
・・・というか、ドシャ降りで城内も浸水してますが…こんな日に来るのは私だけ。独占できました。

 

   
 

あんまりこういうことは書きたくないですが…月見櫓内の落書きの多さとレベルの低さにはドン引きでした。
私の城めぐり人生の中で、ワースト2位のがっかり度です。
ずーーと見ていたら、係の方が特別に石落としを開けてくださいましたが(ありがとうございました)
こうしてお城を守り語り継ぐ方もいる一方で…ただただ残念です。

 
  
  
ここで、通りすがりの父子の写真を撮ってあげたのですが、
記念写真を撮りたいお父さんに対して、小学2年生くらいの男の子は気乗りしなかったのか
めちゃめちゃふざけた顔をしていて、シャッターチャンスが難しかったです。
なんだか試されているみたいでおもしろかったです。
 
 
   
とくにウリにもしていないっぽい陳列館、なにげに見ごたえありました。年表も充実。
水城がなんたるかも、ジオラマを見るとわかりますね。
 
 
  
高松城そばの小学校の壁画。オリーブ(小豆島名産)がうどんの刻みネギに・・・!
 
 
 
*四国城めぐり&島めぐり-5 に続く
 
 
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四国城めぐり&島めぐり-3

2010年10月の旅、3日目のフォトギャラリーです。お城については、改めて<城ある記>でアツく語ります!
3日目は、今治城&丸亀城です(写真は丸亀城)。

 

  

今治城の特長は、全国でも珍しい海城であること。
海をそのまま引き入れていて、つまり堀の水が海水というわけです。
山や丘の上でなく、砂浜に城を築く。大胆な発想は、築城名手・藤堂高虎の天下一の名城ともいわれます。
瀬戸内海水運の要塞をおさえた、海陸一体の新しい城下町は、わずか2年で実現したとか。
藤堂高虎ファンにはたまらないお城でしょうね〜。

 

   

町割りがしっかり残っているので、イメージしやすい。外堀跡、中堀跡、内堀と、順を追って見られます。

 

   

うむ。野面積みでの石灰岩はかなり珍しい…!建物では、再建された鉄御門がミモノです。

 

   
  

天守閣は、本来の姿とは違うのでちょっと残念ですね。
本当は、飾りなどのないすっきりとした“層塔型”ですから(島原城みたいな感じ→ )。
本丸に神社があるという、不思議な敷地です。
天守閣内はなかなかおもしろい展示がたくさん!最上階から見るしまなみ海道、巨大な堀は圧巻です。

 

   

山里櫓へ向かう途中に、現存の石段を発見。城メグリスト的コーフンポイントです。

 

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今治で愛媛県に別れを告げ、香川県に入ります。
丸亀市にある丸亀城は、現存12天守のうちのひとつ。
“扇の勾配”と呼ばれる美しい石垣は、石垣の美の極み。石垣ファンには、もうたまらない名城です!

 

   
  
   

う〜ん、石垣好きとしては、もう言葉にならないので、
松山城に続いて解説を放棄(笑)。いずれ<城ある記>でじっくりと。こうご期待!

 

  
   
  

本丸からは、かつての外堀も見渡せ、二の丸方面もぐるり。月見櫓跡から見えるは、讃岐富士。

 

   
   

天守閣は、現存天守の中でも厳めしくて私は好きです。天守閣だけでも一見の価値ありかと。

 

   

 

  
  
   

私にとっては、まるでおとぎの国に迷い込んだかのような、石垣の世界でした(笑)
丸亀城は、「石の城」とも呼ばれる名城なのです。

 

     
   
  

さっぱり魅力がわからないと思いますが…現存天守であるほか、曲輪や縄張りも魅力的。
さまざまな時代の積み方が点在していることや、石垣の継ぎ足し、角石の加工途中の跡(←かなり貴重!!)etc.
とにかくたまらない石の城なのでした。

 

*四国城めぐり&島めぐり-4 へ続く

 

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四国城めぐり&島めぐり-2

2010年10月の旅、2日目のフォトギャラリーです。お城については、改めて<城ある記>でアツく語ります!

 

まずは、松山城。
もう、私は松山城云々の前に、松山が好きです。美しい街並みと、自然と文化財に囲まれて、見るものすべてが。
そして、人、空気、時間。人に例えていうなら、才能があるのに全然焦ってなくて、マイペースな人みたいです。
華やかなのに、落ち着きがあるんですよ。文豪達が愛したのも、なんだか納得です。

 

    
   

松山城は、もう言葉にならないすばらしさ。
21棟もの重要文化財を持つ、四国一最大の名城です。現存12天守のうちのひとつでもあります。
ダイジェスト解説がダイジェストにならなそうなので、<城ある記>で改めて。
言葉にならないので、説明を放棄。フォトギャラリーでどうぞ。

 

  
  
   

 

   
   
   

 

   
   
  
   

 

  
   
  

本丸はもちろん、二の丸を囲む登り石垣まで。語り尽くせぬお城です。

 

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松山城からほど近くにある、湯築城跡。
道後温泉のすぐそばにあり、道後公園として整備されています。
いわゆる天守閣のあるお城の前の時代のお城(中世城郭)です。

 

  
おそらくお城好きでなければ確実にスルーする遺構の展示を見つつ、ひと通りお話を伺う。
村上水軍(瀬戸内海の豪族)のお話を聞いたら…気になって気になって。
中世城郭も、派手さには欠けますがなかなかおもしろいです。
 
 
   
  
  
 
 

  
  

湯月城の貴重なところは、中世城郭にも関わらず、近世城郭の先駆けのようなつくりをしているところ。
大きな建物を見るよりも地味だけれど、
この時代にはまた違った奥深さがあって、当たり前ですが築城史もつながっています。ふむふむ。

 
 
  
すっかり整備された、道後公園。おさんぽにもよさそうです。
 
 
 
   

展望台からの夕陽がすばらしい!!
涙が出そうなほどの絶景だったのですが、無念のバッテリー切れ…ケータイカメラで撮影です。
まるで満月の中でうさぎが餅をつく図のように、
まんまるの夕陽の中に松山城天守閣のシルエットが浮かび上がるのを、ずっーと眺めてました。
路面電車が松山城へ向かってゴトゴト走っているのも、これまたよし。

 
 
*四国城めぐり&島めぐり-3 に続く
 
 
城メグリスト