城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり④〜姫路編3〜

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姫路の旅、置塩城の続きです。

これまでの旅はコチラ。
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり①〜序章〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり②〜姫路編1〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり③〜姫路編2〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり④〜姫路編3〜
 

 

長水城(秀吉の播磨攻めで落ちた宇野氏の本城)

一応、官兵衛絡みの城を紹介しようと思い訪れてみました。
小寺家の家臣だった官兵衛は信長の傘下に入り、秀吉とともに播磨平定に奮闘。
上月・福原城の戦い、三木合戦、有岡城幽閉と、なかなかにハードな30代を過ごすことになります。
大河ドラマでも、この播磨時代が重点的に描かれるようです。

そして、ついに秀吉は三木城を落として播磨を平定し、中国攻めへと突入していくのですが、
播磨攻めの集結戦として秀吉本体が中国へ向かう途中に落とすのが、長水城です。
姫路市ではなく宍粟市というところになります。

長水城主の宇野政頼と次男の祐清は毛利方につき、
織田に降りようとした長男・満景を殺害、
しかし結局は満景の家来の内通がきっかけで落城したという背景があります。
小寺家と同様に、毛利か織田かの選択は運命の分かれ道だったのですね。

 

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落城後、この地は官兵衛に与えられます。ですから一応“ゆかりの地”。
官兵衛の領地にはなりますが、
なんというか、合戦の最中ですからその地に根付いて領国経営どうこうでもないはずです。
そんなこともあってか、ひっそりとした官兵衛ブーム。
こちらのキャラクターは“しーたん”です。

 

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標高は584.8メートル。
登城口は2つあり、宇野からが大手道ですが、近道の五十波の搦手から登りました。
かなりのところまで車で上がれますが、それでも山頂までは35〜40分。大手道だと1時間くらいかかります。
登山道は整備されていて歩きやすいです。


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急峻な要害に築いた単純構造の城館、という感じです。
堀切で断ち切られた南郭部分なんかはちょっといい光景。
見どころは、なんといっても本丸の石垣。すばらしいです。

ストックを手にトレッキングしているファミリーに遭遇したりと
そこそこ歩く山城ではありますが、石垣を見る価値はありです。
ちなみに地元ではヒル山と呼ばれているらしいので、夏は避けたほうがよさそうです。

 

篠の丸城(播磨平定後に官兵衛が入城)

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篠の丸城は、官兵衛が宍粟郡5万石を与えられ、初めて居城とした城。
最上山公園の駐車場(山上のほう)に車を停めれば、そこから徒歩1〜2分で登城口。
そこからは整備された道を20分くらい歩けば到着します。

この写真ではめちゃめちゃわかりにくいですが、
本丸南東部に空堀、本丸土塁の上には城址碑。
本丸を取り巻くように土塁がめぐっていて、ほほうと感心。
二の丸には東屋のようなものが建っていました。
このほか、二の丸の北側には横堀も。入城後に改修したのかもしれません。

ここで雨(みぞれ?)が降ってきたので慌てて下山。
ちなみに篠の丸城は廃城になり、山麓に山崎城が築かれて移転します。

 

おやつ「篠の丸」「しーたんサブレ」

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あらき山田店さんで、おやつを購入。
篠の丸がなにげにおいしかったです。しーたんサブレはレーズンサンド。

 

青山古戦場跡(官兵衛初陣の地)

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永禄12年(1569)に、官兵衛と赤松政秀とが激突した青山・土器山の戦いがあった場所。
夢前川を挟んで土器山に官兵衛が布陣、小丸山に赤松軍が陣取ったとされます。
青山ゴルフクラブの敷地になっている小丸山に、官兵衛が夜襲をしかけて大勝利。
300対3,000と兵力さを奇襲で撃破したのでした。
もちろんゴルフクラブ内は立ち入り禁止。石碑のある場所から覗きましょう。

敷地内の千石池という大きな池には戦死者が多く沈んでいるそうな…
…ゴルフしにくいですね。

ちなみに、官兵衛が布陣した土器山は、夢前川を挟んで姫路側。
船越神社となっていて、山の中腹に金毘羅宮があり、さらに登ると陣跡があります。
官兵衛はこの戦いで幼なじみでもある母里武兵衛を失うのですが、
奇襲による大勝利によってめきめきと頭角を現すことになります。

 

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有岡城に幽閉中、フジの花を見て励まされたそうです。
…この頃はまだ励まされてないですね。

 

三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり⑤〜姫路編4〜 に続きます