下関取材と瓦そばと北九州の城
下関取材。
けっこう荒波な関門海峡。
関門橋ドライブ、サイコーでした。
とっとと終わらせて北九州の城もダッシュで3城。楽しい1日でした。
やっぱり、北九州の城は連続竪堀がフツーにあってよい!
九州は、空と山の間の距離が狭いよね。
下関市豊浦町の郷土料理・瓦そば。
茶そばを鉄板で焼き、熱した瓦の上に乗せ、
錦糸卵、炒めた牛肉、ネギ、海苔、レモン、もみじおろしをトッピングした使用したもの。
うーん、とびきりおいしいものでもないかな(笑)
お友達によると、おいしいお店はあるよとのこと。
一応、“元祖”のお店で食べたんだけども、、、好評価のお店で食べてみたいものです。
翌日もささっと仕事を済ませ、取材も兼ねてダッシュで3城。

絶景もごちそうさま。
中公新書「幕末維新の城」
少し前になりますが、以前お世話になった編集者さんからご恵贈いただきました。
一坂太郎さんのご著書、
「幕末維新の城 – 権威の象徴か、実戦の要塞か」 (中公新書)。
タイトルやオビをさっと拝見した限りでは
幕末まで生き残った城や幕末に築かれた城の特徴や在り方、
そして幕末に戦いの舞台になった城を取り上げたものかな、と思ったのだけれど、
それとは少し違うものでした。
城を通して幕末というカオスな時代を読み解く、という感じです。
幕末というのは、日本のしくみが激変するという社会的な転換期であるだけでなく、
城郭史においても激動の時期なんですよね。
しかし、その部分はあまあり語られることはなく
城本などで私が書く際も“おまけ”のような扱いになってしまいます。
ですが、江戸時代初期の築城ブームと城郭史の発展ストップの後、
幕末までただなんとなく政庁・藩庁である城が存在するはずはなく
200年も経てば、社会も城の在り方もまったく変わるわけですから、
江戸中期〜幕末までの空白の時間も含めた城の変化や幕末の在り方は、
私としても興味深いところではあります。
城の特徴がどうこうという本ではありませんが、
現在を生きる私たちのツボやポイントを押さえてくれているので、読んでいて心地よい。
城そのものの細かなところでは尋ねてみたいところやもっと知りたい部分もありましたが、
なにより幕末の城のダイナミズムのようなものが伝わってくるのが魅力的でした。
決して取っ付きにくい内容ではなく、
コンテンツだけをざっと見てもわかるように、
全国の40城を取り上げて、それにまつわるエピソードとして書かれているので
内容としてはわかりやすく、とにかく読みやすいと思います。
幕末の動乱でその城がどのように巻き込まれ、
どういった状況下でどういう運命を辿ったのか、がよくわかります。
ポイントとなる写真も大きく掲載されていて、とても親切だなと思いました。
個人的には、冒頭の鯖江城や福江城、
そして柳川城のことが取り上げられていたのはうれしかったです(笑)
私も、こんなふうなしっかりした新書を書きたいな。
時代ごとの城、という観点はちょっとおもしろいかも。
城というのはその時代を象徴するものですから。
(かといって明確に定義ができないあいまいなところも魅力なのだけれど)
各時代を象徴するような城をピックアップして、
城から時代を斬るようなものはどうだろう。
城なんて残っているかどうかだ、みたいな認識がまだまだあるのなら、
かなり目からウロコかつバリエーション豊かなものになると思うのだけれど。
地域のことを書くのが好きだから、藩の事情など盛り込むのもおもしろそう。
わりと、幅広い読者が手に取りやすい、やんわりベーシックな内容のものでよいのかも…。
軍事的な施設としての観点からいうと、
まず兵器の威力が格段に違うというのもけっこう語る要素としては意外と新しい気がします。
…ああ、「幕末維新の城」の感想を書こうと思ったのに、
いつの間にか企画を思いついて語ってしまった。
うん、城本にもまだまだ可能性があるな。勉強しよう。
実はまださらっと読みなので、もう一度じっくり読ませていただきます。
中央公論社のK様、ありがとうございました。
- お城のこと,演劇・ライブ・美術館・映画・本 l
- 14/07/17/23:59
縄張うちわ改良版!
今日もつくってきてくださった♡
西股総生先生オリジナル・縄張うちわ!
しかも改良版(笑)!カラビナ付!手ぶらでOK!
うん、これはやっぱり特許を取らせないと。
今日も楽しすぎる1日でした。
いい城×2だったー!
白河小峰城の現在
取材で福島の白河小峰城へ。いい取材ができました。
小峰城は東日本大震災でもっとも被害を受けた城。石垣が9カ所も激しく崩落してしまい、
現在も本丸内の見学はできません。
白河市は調査、急ピッチの復旧作業、市民への文化財保護の取り組みも力強く積極的に行っていて、
そんなお話を中心に伺ってきました。
復旧をがんばっているとか、これだけ元通りになりましたとか、技術的に大変だとか
表面的な記事ではなくて、もっとその裏とか奥とか、本質の部分を私は書いていきたい。
記事はこれから書きますが…
もちろん、甚大な被害が出たことは無念だし、復興・復旧に並々ならぬ苦労があることは大前提。
ただ、こんな言い方は少し不謹慎かもしれないけれど、
これまでの歴史がそうだったように、
長い目で見ていくと震災もまたいつかは歴史のひとつになってしまう。
だから、今の取り組んでいることは、すなわち歴史をつくっているということになる。
城は地域のシンボルであると同時に、文化財でもある。
だから天守を建てれば観光客が増えて経済効果が上がる、などという安直な発想は愚の骨頂。
そもそも城が築かれ実用されていたときには文化財ではないのだから、
城は時代に応じて役割や扱い、姿を変えながら、生き続けていることになる。
それがなぜ今文化財になるのか。どんな構造なのか、どうしてそうなのか、
そもそも城とはなにか、自分たちが生きる地域社会の中でどう関わり変化してきたのか、
という歴史まで含めて知る大切さ、というところ。
ただ、文化財的価値を自発的に知ることはかなり難易度が高いから、
発信していく努力も必要だなとはやはり感じました。
それができるのが自分とは思ってはいないけれど、なにか微力でも関わりたいとは思う。
南面の石垣は8割完成。小峰城特有のくるくる同心円状の落し積みも再現されているそうです。
震災後の石垣除去直後 、2012年10月撮影。
こちら2010年に撮影した南面。
ちなみにこの南面、結果的に昭和の改修が仇となって崩落してます。
それもまた、この城の歴史。
江戸時代に積まれた部分は崩れず生きてる。
小峰城の石垣は計160mも崩落してしまったけれど、
全長2kmと考えると、160mしか崩れていないともいえる。
石垣を積む技術ってすごい!と改めて感動しました。
北面や西面はその後取りかかるそうです。2012年10月撮影。
記事が出たら、こちらのブログにも少し詳しく書きます。
第21回全国山城サミット鳥取大会
第21回全国山城サミット鳥取大会の情報が開示されました!
芸能界一のお城マニア・春風亭昇太師匠の記念落語、
大河ドラマの時代考証ご担当の小和田哲男先生による官兵衛がテーマの記念講演、
そして中井均先生もご登壇のパネルディスカッションと、豪華です!
しかも無料!先着1300人!
どんな鳥取城の魅力に出会えるのでしょうか。
関東からはちょっと遠いですが、この機会にお城ファンはぜひ集結しましょう。
わたくし、パネルディスカッションの司会という大役を、
僭越ながら中井先生と務めさせていただくことになりました。
中井先生と司会!隣にいられる♡
…と思ってしまいますが、ただニヤニヤするために呼ばれたのではないと思うので、
ちょっとは司会らしいことができるよう、そしていいこと言えるように尽力します。
前日の9/27(土)には史跡鳥取城跡山下ノ丸見学会もあります。
9/27&28は第11鳥取藩主池田家墓所燈籠会、第15回鳥取三十二万石お城まつりも開催されます。
鳥取城跡が旧鳥取藩主池田家から鳥取市に寄贈されて、今年で70周年なのだそうです。
豪華イベント目白押し。
詳細は、鳥取市公式ウェブサイトで→ ★
テレビちょこっと出ます
ひさびさに、ちょこっとテレビ出ました。たぶん今宵ON AIR。
20代のフレッシュな女子に紛れ、おねーさんは肩口をギラつかせてがんばりました。
私が手にしているのは、会津若松城の瓦。
3年ほど前に赤瓦に吹き替えらたんですが、それ以前に葺かれていた黒瓦です。
女子らしい城グッズをリクエストされたんですが、持っていないもので、、、、これを持参しました。

収録後、物撮されるマイ瓦…なんか、よかったね(笑)
ちなみに新しくなった会津若松城(&姫路城にも!)のどこかに、
私の直筆名前入りの瓦があります。マギー審司の名とともに。
この会津若松城の黒瓦、500円でした。
もちろん城に興味のないPさんやDさんは「こんなのに500円払うの?」と言いたげな表情。
まさか、姫路城天守修復工事に3万円の愛城募金をして名入れ権を獲得したとは言えなかった、、、。
安くはないけど、世界遺産の修復と保存に貢献でき、
世界遺産に3万円で名入れできるなら!
…というのが私の価値感。
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時代劇専門チャンネル
7/7(月)0:15〜 ON AIR
2ヶ月連続企画 大河ドラマ 胸キュン祭り「歴女のキ・モ・チ 恋する戦国篇」 → ★
わたし歴女じゃないけどね。城女のグータン的な城トークです。
江戸城外堀跡溜池櫓台
一昨日のお話。虎ノ門でお打ち合わせを、ということに。
「江戸城外堀跡溜池櫓台で待ち合わせしましょう」と言われ、テンションが上がる私!
一方、場所がすんなり通じて喜んでくれている風な先方(笑)!
こんなところで待ち合わせする人は誰もいなく、久々なのにすぐ会えました(笑)
で、お会いして早々にしばらく江戸城の石垣談義に華が咲く(笑)
都外の文化財担当の方だったので、
地域ごとの文化財保護の違いや行政のお仕事のお話なども少しうかがえて、
なるほどと興味深く聞き入ってしまいました。
なにか大きなことができるわけでもなくヘンな使命感があるわけでもないですが、
城ファンとして、都民としてもできることはあるなあと胸の奥底の一部をじんと熱くした次第です。
東京はビルや道路で遺稿など破壊され尽くされているように思えますが、
実はそうでもなく、部分的ではありながら意外と保護されているのも特徴。
人口が多く予算があるせいか、町を歩いていても、
よくよく見ていると案内板や説明コーナーは地方に比べて充実しているんです。
江戸城外堀跡溜池櫓台だって、実は国指定史跡なのよ。
(江戸城外堀の隅櫓はほかに筋違橋門と浅草橋門だけにあり、
現存するのはこの溜池櫓台の石垣だけです)
虎ノ門駅構内にも立派な説明パネル付きのガラス張り展示スペースがあるし、文部科学省新庁舎連絡通路内にも
これまた説明パネルを設置した、わざわざ半地下状の通路にした展示スペースがある(さすが文科省)。
よくよく見たら石垣には矢筈の刻印がたくさんあったりして、それだけでもけっこうな遺構と思います。
こちら文科省の石垣見学専用?コンコース。
ほか、国立教育会館があった場所にも少し残っています。
ここで強調しておきたいのは、断片的に残っている遺構に一喜一憂しているのではない、ということ。
貴重だから部分的に保護すべきだとかその希少性に注目してほしいとかではなくて、
重要なのは、これらを辿っていくと、外堀通りに破壊されながらも外堀のラインがうっすら見えてくる、ということ。
つまり、現在でもかつての東京が息づいていることに意識を傾けて知ることが大切なんじゃないかと思います。
時代は流れていくものだから都市化がダメとはいわないけれど、
こういった姿に意識を向けようという気持ちと理解が少しでもあれば、
いくら便利だからといってむやみに道路はつくったり安易に電車を通すという発想にはいたらないはずだと思うのです。
虎ノ門駅の11番出口のエスカレーターの壁面、
よく見ると外堀の堀底と水面を壁面のタイルの色で示してくれてます。
壁のデザインと見せかけてこういう活用はいいですよね。
しかし、これに気づく人はほぼ皆無。写真を撮っている私を不審な目で見る人率95%(笑)
興味を持てとはいわないけれど、なんだかもったいないなあと思いました。
第2回青空会議〜笑撃の縄張うちわ〜
第2回青空会議!
「城の企画は城で話そう」ということで、西股総生先生と山城へGO!
西股さんは縄張図(お城の平面図)も書かれる研究者の大先生なのですが、
登城前に「暑いからこれどうぞ」と渡されたのが…オリジナル縄張図うちわ!!!笑撃的すぎる(爆)!!
※縄張図とは、いわばお城の地図で、私たち城ファンはこの平面図を片手に山に入り、遺稿を探したり居場所を確認したりします
涼しい!縄張図がすぐ見られる!!即座に書き込みもOK!!!
特許を取るようにオススメしておきました。
次回の城フェスの見学ツアーはこれが参加賞になるかもしれません(笑)
いい城でした。
西股先生に勝手な見解を聞いていただき談義しながらまわれるなんて、なんという贅沢!
見よ、私のはしゃぎっぷりon土塁!御大に写真を撮らせる図々しさ!
そんなユーモアのある西股さんの新著『土の城指南』(学研パブリッシング)が明日発売です。
先日ご恵贈いただき、2回目読んでます。
(レベルや立場の違いは百も承知ですが、そういう意味ではなく)同業者としては打ちのめされる筆力です。
山城ファン必読。
一応同業者なので、図々しく(酔っぱらって)いろいろお話を聞いていただいたりしてます。
ありがたいことです。本当に、人に恵まれております。
- お城のこと l
- 14/06/17/22:20
よか城サミット!
第33回全国城下町シンポジウム熊本大会の
メインフォーラム「よか城サミット!ここだけバイ!逆説の名城日本一決定戦」、ぶじ終了しました。
作家の井沢元彦先生とご一緒できて、物書きの端くれとしては感動。
終演後は加藤先生と熊本城デートして、これまた幸せなひとときでした。何度見てもよか石垣ばい!!
そして、昨日訪れた南関城がとてもよかったぞ、と。
いろいろ勉強&刺激になりました。
明日からまたがんばろうっと。
- お城のこと l
- 14/05/18/23:15
日本城郭史学会平成26年度大会
日本城郭史学会平成26年度大会(江戸東京博物館 一階会議室)に行ってきました。
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テーマ:黒田官兵衛の戦略・築城
発表①
黒田如水の築城遺構から -その築城プラン、技法の共通点など-
西ヶ谷 恭弘 氏 (日本城郭史学会代表)
発表②
黒田官兵衛と織豊政権
小和田 哲男 氏 (静岡大学名誉教授・日本城郭史学会委員)
発表③
黒田如水の戦略と築城
丸山 雍成 氏 (九州大学名誉教授)
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西ケ谷先生のお話、
テーマとしてはもっとも興味深かったですが、
如水が関わった城と如水が築いた城、は築城プランや技法を語る上では重要な違いだと思うし、
あくまで“傾向”なのであれば、どの部分かを明示していただけるとすっきりしたかな、と。
さらにいえば、訪城すれば気づける表面上の類似点だけでなく、
仮説でもよいから一歩踏み込んだ学術的観点や論評がほしかったです。消化不良。
小和田先生のお話はいわずもがな。
「黒田官兵衛をめぐる65の城」(辰巳出版)は、
小和田先生のご著書を主な参考文献にさせていただいているので、ふむふむと納得しつつ。
「ああ、私って小和田チルドレンだな」と思いました(笑)
丸山先生のお話は、ふだん文献を研究することのない私には興味深かったです。
が、文献に慣れ親しまない私としては、
講義ではなくまとめられた書籍で読みたいなと思ってしまいました。
- お城のこと l
- 14/04/19/23:59






























































