ヨーロッパに渡った日本の紙
書や画を書き写すだけでなく、生活の中で幅広く使われてきた手漉き和紙について。
日本独自の紙文化の歴史について、学んできました。
千代紙については私は詳しくないのでわからない部分が多かったですが、
<折形>のお話はとっても興味深かった!
折形とは、贈答や室礼などの際に用いられた、紙を折って物を包む日本の礼儀作法の1つ。
隣近所の付き合いがまだ密だった時代は、お赤飯にごま塩包みを添えてお裾分けしたり。
ものを裸で渡すのか、包んでお渡しするのか。
「どうせ捨てるし、どっちでもいいじゃん」みたいな風潮がスタンダードになりつつありますが、
贈る心を形にする、というのは素敵なことですね。
それに、折形は、包むことによって贈り主のけがれや外からの悪意の進入をとめることができる、という
古くからの約束事に基づいているのだとか。
品格があるとか礼儀だとかではなく、思いやりの精神なのですね。
といいつつ、私もきちんとできているわけではないけれど、
理想として、気持ちだけは心に留めておきたいものです。
ちなみに、私はラッピングがけっこう好きで(母が得意だった)、
学生時代ラッピング検定を受けようとしたことがあります。
西洋にはない、熨斗という日本独特の慣習。文化って、やっぱり素敵だ。
本日の講師、和紙造形作家の大柳久栄さんがとても品のある方で素敵だったのですが、
折形のお師匠さんからの10年間の教えの中で
もっとも多くの時間を費やしたのは「平常心」なのだそうだ。
知識や技法の量を追求するのではなく、そこへ至るまでの道のりを重んじることこそ
伝統文化の粋であり、美の真髄なんだなあ、と思いました。
城メグリスト
- 演劇・ライブ・美術館・映画・本 l
- 11/06/25/19:46
のぼうの城、公開延期
お城ファンの間では物議が醸し出されているようですが…
お楽しみは1年お預け、ということで。
もう一度読み返す時間ができたと思って、気長に待つことにします。
小説ではありますが、そもそも話のベースは400年以上前の出来事なので、
1年くらい映像化が遅れても大差ありません(笑)
映像を見ていないのでなんとも言えませんが、原作はおもしろいですよ。
文庫化もされているベストセラーですから、読んでいない方はこの機会にぜひどうぞ。
こういう判断は難しいですが、そこに配慮があるなら、正しいのだと思います。
城メグリスト
- 演劇・ライブ・美術館・映画・本 l
- 11/04/22/23:36
くるりin武道館
くるり ニューアルバム発売記念ツアー
〜言葉にならしまへん、笑顔を見しとくれやしまへんやろか〜
ファイナル in 日本武道館 に行ってきました。
うぉ〜!よかったぞ。
ブレーメンに涙。ばらの花、リバー、ハイウェイも。
CDよりLIVEがいいってすごい。
は〜、あっちちのち〜。お願いごと叶いそう♪
これはロックンロールin武道館2009。ロックンロールも好き。
城メグリスト
- 演劇・ライブ・美術館・映画・本 l
- 11/03/07/23:59
イキウメ【図書館的人生vol.3食べもの連鎖】
@シアタートラム、観てきました。
うーん、好きです。前川さんワールドが。イキウメが。魂ゆさぶられちゃいます。
「なんで難しく考えちゃうんだろう?」「どうしてナナメにものを見てしまうんだろう?」
って思うことが誰しもあると思うのだけれど、
「だからこそ人間っておもしろいんだ」と思える世界を見せてくれるのが、前川さんワールド。
“食べもの”“連鎖”のキーワードで、こんな世界を展開してくれるのかー!
その創造力や表現力や構成力、私もちょっとでいいから欲しいなぁ…。
次回は【散歩する侵略者】の再演みたい。この作品大好きなんです。楽しみ!
終演後はおいしいお酒を飲みつつ、いろいろお話。充実した1日でした〜。
城メグリスト
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- 10/11/03/23:40
MONO+土田英生さんトークイベント
来月の本公演を目前に、過去の作品<きゅうりの花>をDVD上映するという、劇団MONOの新しい試み。
土田さんのトークイベントもあるとのことで、行ってきました。
私は土田さんの世の中を見る角度、それを表現する言葉が大好きなのですが、
今日のフリートークも炸裂していて、笑わせてもらいました。ざっくばらんさがたまらん。
日本を代表する劇作家・演出家さんだけあって、視点や感性が一般人に比べて独特というのもあるけれど、
きちんと積み上げてきた方のお話は、勢いや才能や夢だけで語らないので説得力があって興味深いです。
少し上の世代の方のお話は、適度にリアルでおもしろい。
ちょっと背伸びして、共感できる部分もありつつ。勉強になります。
会場は座・高円寺のB3にあるけいこ場の一室。
おとなりでは役者さんが稽古中で、そんな光景が見れたのも新鮮でした。
城メグリスト
- 演劇・ライブ・美術館・映画・本 l
- 10/10/31/23:59
誇り高きデザイン 鍋島
サントリー美術館で開催中の「誇り高きデザイン 鍋島」へ行ってきました。
「鍋島」とは、17世紀後半から鍋島藩窯で焼かれていた磁器のこと。
江戸徳川将軍家の献上品や贈答品としてつくられていた、高級品です。
ちょっと違うけれど、イメージ的には少し前の<宮内庁御用達>のようなステイタスのあるもの、とでもいいましょうか。
明治4年に廃止されるまで、江戸時代を通じて200年あまり続いた鍋島藩窯。
【肥前×唐津 陶磁器展 at 目黒雅叙園~酒井田柿右衛門&今泉今右衛門&中里太郎右衛門 の世界~】→ ★ のブログにも書きましたが、
衰退の一途を辿った鍋島ではあるものの、
後継者の職人さん達が伝統工芸をなんとか継承させようと努力を重ね、さらに進歩を遂げ、現代にいたります。
※画像は鍋島窯、サントリー美術館HPより引用させていただいています。
1枚1枚の器すべてにストーリーが感じられて、まるで命を吹き込まれたかのよう。
繊細で格調高い世界、とはまさにこのことです。
「350年も前に、こんなにも美しい芸術があったのかー!」と、ただただ息を飲むばかり。
350年も前の日本人に、こんなに高い美意識、デザインセンス、ユーモア、繊細な技術があったなんて・・・!
お城を見ているときも感じることですが、
古き良きものには「同じ日本人なのだなあ」という安心感のような感動を覚えます。
もちろん進化してこそのものもあるのだけれど、根本の美意識は普遍なのだと思います。
もしかしたら、今よりももっと感性が高くて、研ぎすまされていたのかもしれない。
情報も事例も先進技術ないゼロの状態から、これだけのものを生み出しているのですから。
- 演劇・ライブ・美術館・映画・本 l
- 10/09/27/00:42
Chara feat. 鳥山雄司“CAROL”@ビルボードライブ東京
敬愛するCHARAが登場するということで、人生初のビルボードライブへ。
ギタリスト鳥山雄司さんを迎えての、2日間かぎりのスペシャルライブです。
ビルボードライブのしくみがわかっていなくて、もう、行く前からドキドキ。
イマドキの都会のシステムは進化しているのですなあ。
席についてまず、会場の狭さにビックリ。
もう、ステージそこじゃーん!!!
かれこれ15年近くCHARAのライブに通い続けていますが、
どんなに狭いライブハウスでも、いまだかつてこんな至近距離で生歌声を聞いたことなんてないわー。
開演までは時間があるので、ひとまずビールでカンパイ。
Oh!スーパードライがこの価格!有機野菜のバーニャカウダもご立派プライス!もう、庶民はビックリです。
というか、まず「1人1品頼んだほうがいいかな〜」というのが庶民発想(笑)
おいしいビールを飲みながら、すぐそこでCHARAが歌っている!
こんな贅沢があっていいのか、というくらい夢の空間でした。
ブルーのライトに浮かび上がる、幻想的なCHARAの姿。心に響く歌声に、思わず涙。
「最近歌っていない曲をやりたかった」との言葉とおり、ファンにはたまらない名曲がずらり。
タイムマシーン、ミルク、FANTASYがとくによかったな。ラストはデビュー曲のHEAVEN。
いつものバンドメンバーより年齢の高いバンドということもあるのか、落ち着いたムードで、それもまた心地よく。
とてもやさしくて、心に染み入るようなライブでした。
白いふわふわのドレス&ヘッドピースのCHARA、とってもかわいかった〜。
CHARAって、自分の空気をつくりながら、自由にしてしまう、魔法をもっている人なのですよね。
自分のスタンスみたいなものをちゃんと持っていて、後ろも横も見るけど、ちゃんと前も見る。そんな気がします。
いつも深くて潔くてピュアな愛を持っている女性。包容力があって、とってもキュート。憧れです。
城メグリスト
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- 10/09/26/00:59
感動!足立美術館
終わったと見せかけて、まだ続いていた島根ネタ。
どうしても立ち寄りたかった、安来市の足立美術館。
月山富田城から車で10分くらいのところにあります。
月山富田城には人ひとりいなかったのに、足立美術館には観光バスが何台も(笑)!
いまや出雲大社と並んで島根県の観光名所になりつつあるようです。
- 演劇・ライブ・美術館・映画・本 l
- 10/09/20/22:35
ブリューゲル版画の世界
【ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界】@bunkamura ザ・ミュージアムを観てきました。
私は版画もキリスト教も西洋美術もブリューゲルもまっっったくの無知で、
感想を述べるレベルではないのですが・・・。
「スミ1色の濃淡、1本の線で、ここまで表現できるんだぁ〜」とまずはベタに感動。
だって、日本では織田信長が桶狭間の戦い(1560年)とかしてる頃ですよ。
日本が群雄割拠しているとき、はるか海の向こうでは豊かな発想と思想が飛び交って、
こんなすばらしい芸術作品が次々と生まれていたのですねえ。
そりゃ織田信長も南蛮文化を取り入れますよ。
・・・と話が逸れましたが、
ブリューゲルの版画には諺やちりばめられていて、いわゆる風刺画みたいな作品のオンパレード。
ヘンなイキモノがうじゃうじゃ登場します。
まるで百鬼夜行の妖怪みたいなのだけれど、これがシニカルでおもしろい!
バックボーンがわからず、諺の裏側は「?」だらけだったけれど、
作品の向こうに人々の生活や考え方が見えて、ドキッとしたり、ほのぼのしたり。
風景画もステキだったけれど、<第4章 人間観察と道徳教訓の世界>がよかったかな。
ジャンルを問わず、人間描写みたいなものが私は好きなのです。
ブリューゲルさんという方は、 世の中をまっすぐに、誠実に見ていたんだろうなあ、と感じました。
ヘンな生きものたちはグロテスクだけど、なんだか愛嬌があって、キモかわいい。
そのキモかわくんが自分の中にも住んでいるから、親近感がわくのかもしれませんね。
こちらで、いくつかの作品をズームアップしてみることができます→click!
ピンポイントのお気に入りは、<第5章 諺を通じて知る「青いマント」の世界>の《大食》。
作品の中に、自分のビール腹をリアカーに乗せて歩いているコビトがいるの。かわいい〜(笑)!!
版画や西洋美術に詳しい方に、いろいろ聞いてみたいところです。
8月29日までやってますので、ぜひ。
細部の描写がポイントだけに、ささっと全体を見て、気に入った作品をじっくり・・・とはいきません。
舐めるようにぐいーっと近づかざるをえないので、1作品に滞在する時間もおのずと長くなります。
(40もの諺が隠れちゃってる作品なんぞは、さあ大変!)
ギャラリーもけっこう多く、エネルギーが必要ですよ(笑)
- 演劇・ライブ・美術館・映画・本 l
- 10/08/06/21:09