城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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白河小峰城の現在

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取材で福島の白河小峰城へ。いい取材ができました。

小峰城は東日本大震災でもっとも被害を受けた城。石垣が9カ所も激しく崩落してしまい、
現在も本丸内の見学はできません。
白河市は調査、急ピッチの復旧作業、市民への文化財保護の取り組みも力強く積極的に行っていて、
そんなお話を中心に伺ってきました。

復旧をがんばっているとか、これだけ元通りになりましたとか、技術的に大変だとか
表面的な記事ではなくて、もっとその裏とか奥とか、本質の部分を私は書いていきたい。

記事はこれから書きますが…

もちろん、甚大な被害が出たことは無念だし、復興・復旧に並々ならぬ苦労があることは大前提。
ただ、こんな言い方は少し不謹慎かもしれないけれど、
これまでの歴史がそうだったように、
長い目で見ていくと震災もまたいつかは歴史のひとつになってしまう。
だから、今の取り組んでいることは、すなわち歴史をつくっているということになる。

城は地域のシンボルであると同時に、文化財でもある。
だから天守を建てれば観光客が増えて経済効果が上がる、などという安直な発想は愚の骨頂。
そもそも城が築かれ実用されていたときには文化財ではないのだから、
城は時代に応じて役割や扱い、姿を変えながら、生き続けていることになる。
それがなぜ今文化財になるのか。どんな構造なのか、どうしてそうなのか、
そもそも城とはなにか、自分たちが生きる地域社会の中でどう関わり変化してきたのか、
という歴史まで含めて知る大切さ、というところ。

ただ、文化財的価値を自発的に知ることはかなり難易度が高いから、
発信していく努力も必要だなとはやはり感じました。
それができるのが自分とは思ってはいないけれど、なにか微力でも関わりたいとは思う。

 

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南面の石垣は8割完成。小峰城特有のくるくる同心円状の落し積みも再現されているそうです。

 

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震災後の石垣除去直後 、2012年10月撮影。

 

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こちら2010年に撮影した南面。

ちなみにこの南面、結果的に昭和の改修が仇となって崩落してます。
それもまた、この城の歴史。

江戸時代に積まれた部分は崩れず生きてる。
小峰城の石垣は計160mも崩落してしまったけれど、
全長2kmと考えると、160mしか崩れていないともいえる。
石垣を積む技術ってすごい!と改めて感動しました。

 

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北面や西面はその後取りかかるそうです。2012年10月撮影。

記事が出たら、こちらのブログにも少し詳しく書きます。

第21回全国山城サミット鳥取大会

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第21回全国山城サミット鳥取大会の情報が開示されました!

芸能界一のお城マニア・春風亭昇太師匠の記念落語、
大河ドラマの時代考証ご担当の小和田哲男先生による官兵衛がテーマの記念講演、
そして中井均先生もご登壇のパネルディスカッションと、豪華です!
しかも無料!先着1300人!
どんな鳥取城の魅力に出会えるのでしょうか。
関東からはちょっと遠いですが、この機会にお城ファンはぜひ集結しましょう。

わたくし、パネルディスカッションの司会という大役を、
僭越ながら中井先生と務めさせていただくことになりました。

中井先生と司会!隣にいられる♡
…と思ってしまいますが、ただニヤニヤするために呼ばれたのではないと思うので、
ちょっとは司会らしいことができるよう、そしていいこと言えるように尽力します。

前日の9/27(土)には史跡鳥取城跡山下ノ丸見学会もあります。
9/27&28は第11鳥取藩主池田家墓所燈籠会、第15回鳥取三十二万石お城まつりも開催されます。
鳥取城跡が旧鳥取藩主池田家から鳥取市に寄贈されて、今年で70周年なのだそうです。
豪華イベント目白押し。

詳細は、鳥取市公式ウェブサイトで→

テレビちょこっと出ます

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ひさびさに、ちょこっとテレビ出ました。たぶん今宵ON AIR。
20代のフレッシュな女子に紛れ、おねーさんは肩口をギラつかせてがんばりました。

私が手にしているのは、会津若松城の瓦。
3年ほど前に赤瓦に吹き替えらたんですが、それ以前に葺かれていた黒瓦です。
女子らしい城グッズをリクエストされたんですが、持っていないもので、、、、これを持参しました。

 

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収録後、物撮されるマイ瓦…なんか、よかったね(笑)

 

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ちなみに新しくなった会津若松城(&姫路城にも!)のどこかに、
私の直筆名前入りの瓦があります。マギー審司の名とともに。

この会津若松城の黒瓦、500円でした。
もちろん城に興味のないPさんやDさんは「こんなのに500円払うの?」と言いたげな表情。
まさか、姫路城天守修復工事に3万円の愛城募金をして名入れ権を獲得したとは言えなかった、、、。

安くはないけど、世界遺産の修復と保存に貢献でき、
世界遺産に3万円で名入れできるなら!
…というのが私の価値感。

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時代劇専門チャンネル
7/7(月)0:15〜 ON AIR
2ヶ月連続企画 大河ドラマ 胸キュン祭り「歴女のキ・モ・チ 恋する戦国篇」 →
わたし歴女じゃないけどね。城女のグータン的な城トークです。

江戸城外堀跡溜池櫓台

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一昨日のお話。虎ノ門でお打ち合わせを、ということに。
「江戸城外堀跡溜池櫓台で待ち合わせしましょう」と言われ、テンションが上がる私!
一方、場所がすんなり通じて喜んでくれている風な先方(笑)!
こんなところで待ち合わせする人は誰もいなく、久々なのにすぐ会えました(笑)
で、お会いして早々にしばらく江戸城の石垣談義に華が咲く(笑)

都外の文化財担当の方だったので、
地域ごとの文化財保護の違いや行政のお仕事のお話なども少しうかがえて、
なるほどと興味深く聞き入ってしまいました。
なにか大きなことができるわけでもなくヘンな使命感があるわけでもないですが、
城ファンとして、都民としてもできることはあるなあと胸の奥底の一部をじんと熱くした次第です。

東京はビルや道路で遺稿など破壊され尽くされているように思えますが、
実はそうでもなく、部分的ではありながら意外と保護されているのも特徴。
人口が多く予算があるせいか、町を歩いていても、
よくよく見ていると案内板や説明コーナーは地方に比べて充実しているんです。

 

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江戸城外堀跡溜池櫓台だって、実は国指定史跡なのよ。
(江戸城外堀の隅櫓はほかに筋違橋門と浅草橋門だけにあり、
現存するのはこの溜池櫓台の石垣だけです)

 

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虎ノ門駅構内にも立派な説明パネル付きのガラス張り展示スペースがあるし、文部科学省新庁舎連絡通路内にも
これまた説明パネルを設置した、わざわざ半地下状の通路にした展示スペースがある(さすが文科省)。
よくよく見たら石垣には矢筈の刻印がたくさんあったりして、それだけでもけっこうな遺構と思います。

 

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こちら文科省の石垣見学専用?コンコース。

 

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ほか、国立教育会館があった場所にも少し残っています。

 


ここで強調しておきたいのは、断片的に残っている遺構に一喜一憂しているのではない、ということ。
貴重だから部分的に保護すべきだとかその希少性に注目してほしいとかではなくて、
重要なのは、これらを辿っていくと、外堀通りに破壊されながらも外堀のラインがうっすら見えてくる、ということ。
つまり、現在でもかつての東京が息づいていることに意識を傾けて知ることが大切なんじゃないかと思います。
時代は流れていくものだから都市化がダメとはいわないけれど、
こういった姿に意識を向けようという気持ちと理解が少しでもあれば、
いくら便利だからといってむやみに道路はつくったり安易に電車を通すという発想にはいたらないはずだと思うのです。

 

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虎ノ門駅の11番出口のエスカレーターの壁面、
よく見ると外堀の堀底と水面を壁面のタイルの色で示してくれてます。
壁のデザインと見せかけてこういう活用はいいですよね。
しかし、これに気づく人はほぼ皆無。写真を撮っている私を不審な目で見る人率95%(笑)
興味を持てとはいわないけれど、なんだかもったいないなあと思いました。

第2回青空会議〜笑撃の縄張うちわ〜

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第2回青空会議!
「城の企画は城で話そう」ということで、西股総生先生と山城へGO!

西股さんは縄張図(お城の平面図)も書かれる研究者の大先生なのですが、
登城前に「暑いからこれどうぞ」と渡されたのが…オリジナル縄張図うちわ!!!笑撃的すぎる(爆)!!
※縄張図とは、いわばお城の地図で、私たち城ファンはこの平面図を片手に山に入り、遺稿を探したり居場所を確認したりします

 

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涼しい!縄張図がすぐ見られる!!即座に書き込みもOK!!!

特許を取るようにオススメしておきました。
次回の城フェスの見学ツアーはこれが参加賞になるかもしれません(笑)

いい城でした。
西股先生に勝手な見解を聞いていただき談義しながらまわれるなんて、なんという贅沢!
見よ、私のはしゃぎっぷりon土塁!御大に写真を撮らせる図々しさ!

 

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そんなユーモアのある西股さんの新著『土の城指南』(学研パブリッシング)が明日発売です。
先日ご恵贈いただき、2回目読んでます。
(レベルや立場の違いは百も承知ですが、そういう意味ではなく)同業者としては打ちのめされる筆力です。
山城ファン必読。

一応同業者なので、図々しく(酔っぱらって)いろいろお話を聞いていただいたりしてます。
ありがたいことです。本当に、人に恵まれております。

よか城サミット!

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第33回全国城下町シンポジウム熊本大会の
メインフォーラム「よか城サミット!ここだけバイ!逆説の名城日本一決定戦」、ぶじ終了しました。

 

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作家の井沢元彦先生とご一緒できて、物書きの端くれとしては感動。
終演後は加藤先生と熊本城デートして、これまた幸せなひとときでした。何度見てもよか石垣ばい!!
そして、昨日訪れた南関城がとてもよかったぞ、と。

 

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いろいろ勉強&刺激になりました。
明日からまたがんばろうっと。

日本城郭史学会平成26年度大会

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日本城郭史学会平成26年度大会(江戸東京博物館 一階会議室)に行ってきました。

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テーマ:黒田官兵衛の戦略・築城

発表①
黒田如水の築城遺構から -その築城プラン、技法の共通点など-
西ヶ谷 恭弘 氏 (日本城郭史学会代表)
発表②
黒田官兵衛と織豊政権
小和田 哲男 氏 (静岡大学名誉教授・日本城郭史学会委員)
発表③
黒田如水の戦略と築城
丸山 雍成 氏 (九州大学名誉教授)
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西ケ谷先生のお話、
テーマとしてはもっとも興味深かったですが、
如水が関わった城と如水が築いた城、は築城プランや技法を語る上では重要な違いだと思うし、
あくまで“傾向”なのであれば、どの部分かを明示していただけるとすっきりしたかな、と。
さらにいえば、訪城すれば気づける表面上の類似点だけでなく、
仮説でもよいから一歩踏み込んだ学術的観点や論評がほしかったです。消化不良。

小和田先生のお話はいわずもがな。
「黒田官兵衛をめぐる65の城」(辰巳出版)は、
小和田先生のご著書を主な参考文献にさせていただいているので、ふむふむと納得しつつ。
「ああ、私って小和田チルドレンだな」と思いました(笑)

丸山先生のお話は、ふだん文献を研究することのない私には興味深かったです。
が、文献に慣れ親しまない私としては、
講義ではなくまとめられた書籍で読みたいなと思ってしまいました。

 

皇居乾通り一般公開

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天皇陛下の傘寿を記念して、今日まで5日間一般公開されていた皇居内の乾通り。
日頃は閉鎖している江戸城坂下門から乾門まで通過できるということで、行ってきました。

 

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昨日までの4日間で30万人が訪れたそうで、今日もすごい人!
かなりの数の警察官が動員され、最寄りの駅では臨時駅員が一大イベントとなっていました。

 

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仕事の合間だったのであんまりゆっくり見られなかったけれど、
一般参賀のときも富士見多聞を蓮池堀越しに見られることはないし、
北詰橋下の石垣を西側から見られたりと初体験ができたので大満足。DJポリスっぽい人もいたし!
けっこう矢穴があるんだなあ。
継ぎ足しのような箇所がけっこうあったけれど、一部だけなので違うのかなあ、とか気になりつつ、、、
チラ見だったので気になりつつもじっくり見られず残念。

 

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立ち入り禁止のロープを越えんばかりの姿勢で身を乗り出して写真を撮っていたら、
「萩原さんですよね?」と声をかけられめちゃめちゃ恥ずかしかったです(笑)
以前研究会でお会いしたことのある方でした。ゆっくりお話できずスミマセン。

 

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暑さのせいか、タンカで運ばれている方も…。
ふだんなら座ることなど許されない、乾門周辺が休息をとるシニアで埋め尽くされていた…。

秋にもあるよう。次回はもっとゆっくり見ようっと。

 

日本城郭協会公益財団法人発足記念「信長の城」シンポジウム

日本城郭協会公益財団法人発足記念「信長の城」シンポジウム、
出演させていただきました。

あいにくの荒天にも関わらず、300名様のご来場が!
さほどアナウンスが早かったわけでもないようでしたが、それでもこの数。
お城への関心の高さが感じられました。

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<第1部>
◎トークショー「信長・秀吉の城を歩こう」
千田嘉博(奈良大学文学部教授)×春風亭昇太(落語家)×萩原さちこ(城郭ライター)

<第2部>
◎基調講演「信長の城」
千田嘉博(奈良大学教授)
◎パネルディスカッション「信長・秀吉・家康の城」
小和田哲男(静岡大学名誉教授)/千田嘉博(奈良大学文学部教授)
/小島道裕(国立歴史民俗博物館教授)/萩原さちこ(城郭ライター)
司会:横山太一(朝日放送アナウンサー)
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城好き、歴史好きな方なら説明不要ですが、
この方々と壇上に上がるなど、私には100万年早いことです。
公開処刑になるのではないかと本気で考えていましたが、
前日に千田先生を含めお打ち合わせをした瞬間から楽しくなりました(笑)
千田先生をはじめ、出演者のみなさんのお心遣いと人柄に助けられました。

いろんな意味で個人的には反省と課題しか思い浮かびませんが、
会場はおおいに盛り上がり、満足度とクオリティの高い貴重なイベントになったと思います。

小和田先生、小島先生、千田先生、昇太師匠をはじめ
日本城郭協会のみなさま、大勢のスタッフのみなさま、
とても有意義で貴重な経験をさせていただきました。
実りある、楽しい1日でした。ありがとうございました。

 

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写真は、楽屋にて千田先生&昇太師匠と。
私のスマホ、ブレブレなんです。がーん。
小島先生に撮らせるという図々しさ。。
笑顔で撮ってくださる小島先生、とてもステキな方でした。

 

シンポ中の写真をいただきました。
会場内は撮影禁止だったそうですので、何枚か載せさせていただきますね。

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ところで、春風亭昇太師匠と一緒にお仕事をした感想を。
(師匠にとってはお仕事とはいえない内容かもしれませんが)

話のプロの技術というものを勉強させていただきました。
豊富なボキャブラリー、構成力などはもちろん大前提として、
人を引き込む話というのは言葉選びだけでなく、
絶妙な間とテンポ、そして空気をつくることが大切なんだなあ、と感じました。
ただおもしろいことをおもしろおかしく話せばいいのではなくて、
聞き手も相手も含めた“場”をふわっと取りこんでいけるかなんだなあ、と。
会話の組み立て方とまわし方、空気のつくり方、間の取り方などが格段に違って、
プロのトーク力を目の当たりにした気がしました。

なにより、隣にいる私が緊張しない空気がつくられているのに驚きました。
相手も含めて、聴衆の誰もがリラックスして楽しむ空気が整っているから、
聞いているだけでも会話に参加できて楽しいんですね。
ああ、これが盛り上がるトークだし、人を楽しませるトークなんだな、と思いました。

とても気さくでフレンドリーな方。ファンが多いのも納得です。

もちろん、小和田先生、小島先生、千田先生にも
さすがはプロだと感じさせれらるばかりでした。

私も人前でお話する機会をいただくようになり、
「話すのが苦手だから書いているんだよ!」と逆ギレできなくなってきました(笑)
読む楽しみと聞く楽しみは違うわけで、
書くことと話すことの表現方法も違うのだなあと学ぶ日々。
それは難しいことでもありますが、楽しいことでもあるなあと思う今日この頃です。

日々是精進。

三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり⑨〜岡山編〜

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三都市目、岡山の旅です。

これまでの旅はコチラ。
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり①〜序章〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり②〜姫路編1〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり③〜姫路編2〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり④〜姫路編3〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり⑤〜姫路編4〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり⑥〜姫路編5〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり⑦〜鳥取編1〜
三都城下町物語 官兵衛ゆかりのちょっとディープな城めぐり⑧〜鳥取編2〜

 

朝ごはん「桃太郎トマトカレー」

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超晴れ女の私ですが、この日は大雨。
本当は、徳倉城と金川城へ行こうと考えていたのですが、
レンタカーを前日にキャンセルし、ゆったり過ごすことにしました。
こんな日は、食べるしかありません(笑)

今日こそ、朝カレー(笑)
岡山名産・桃太郎トマト入りのご当地カレー。
これ、おいしい!トマトの酸味が効いてさっぱり。いくらでも食べられそうです。
こってりがっつりカレー大好きな人には、トマトがジャマかもしれませんけれども。
桃太郎は甘みと酸味のバランスが最高だと思う。

 

城下町探索

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岡山ってなにげにおしゃれな建造物が多いんですよね。
銀行もステキ。建造物好きにはたまりません。なぜなのでしょう??
カフェやら雑貨屋さんも覗きつつ、おしゃれな看板も探したりとふらふら。
初めて来たとき、マンホールが岡山城ではなくて驚きました(笑)桃太郎に負けるとやないかい!

 

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こちらは禁酒会館。けしからん建物です(笑)

大正時代に立てられた木造の洋風建築物で、
明治時代、ヨーロッパで広まった禁酒運動を受けて全国各地に禁酒同盟が結成され、
岡山禁酒会館はキリスト教系の組織である岡山県禁酒同盟の活動拠点として建てられたそう。
1階に聖書と書かれた本屋さんがあるのも納得。
豪雨につき写真がうまく撮れませんでしたが、折れた屋根が印象的でした。
1階に食堂、2階と3階はホールや会議室、宿泊所に充てられていたそうです。

 

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県庁も図書館も大きい!

 

岡山城

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白鳥に執拗に追われながら、岡山城に入城です。

岡山城は、実はなにげにスゴい城です。
天守は残念ながら空襲で焼失してしまいましたが、
信長の安土城天主を模して築かれたと伝えられる不等辺五角形の天守台は
全国的にも珍しいですし、旭川の流れを変えてめぐらせた広大な水堀も見事。
なにせ、秀吉にかわいがられた五大老の宇喜多秀家が築いた城ですから。

現在の姿は、宇喜多時代のものではなく、
後に城主となった小早川秀秋が改築したもの。
宇喜多時代の石垣が発掘され、半地下室のようなところで展示されていたりします。

必見は現存の月見櫓とその周辺の石狭間。
いずれも現存例は全国で数例です。

中段にある表書院の平面表示は、
文献に基づいて再現したのではなく、
地下1メートルの発掘の跡をもとに色や線で間取りが示されています。
当時の建物の全貌を想像するのに楽しいものですが、今日は大雨なのでいそいそとスルー。

 

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今日の満足度NO.1は、やっぱり本段南東の高石垣。
わずかに残る、築城時に宇喜多秀家が築いた石垣です。
関ヶ原合戦以前に築かれた石垣としてはもっとも高い野面積の石垣で、
秀吉時代の築城技術が垣間見れる貴重な遺構です。

 

ランチ「お福うどんと宇喜多サンデー」

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後楽園側の城見茶屋でランチを取ろうと思っていましたが、
あまりにずぶ濡れだったので、岡山城地下1階のお城茶屋でランチ。
お福うどん、温まりました。生姜もたっぷり。580円。
お福さんとは宇喜多秀家のお母さんですが、どのへんがお福なのかは追究しないでおきます。

お城茶屋にはお城パフェという岡山産のフルーツを使ったイチオシメニューがあるのですが、
私は白桃を好んで食べないため、宇喜多サンデーにしました。580円。
城メグリストとしては烏城サンデーに食いつくところですが、
宇喜多サンデーの“珈琲小豆”に惹かれて。
お皿がかわいい。備前焼きかしら?
どのへんが宇喜多なのかは追求しません。

 

備中高松城(官兵衛の献策“水攻め”で開城)

この後、備中高松城へ行く予定だったのですが、
あまりの豪雨のため断念しました。
水攻めで知られる備中高松城、攻める前に私が水攻めされちゃったよ!
…とかオヤジみたいなことを言ってみたり。

以前行ったときの写真を載せつつ、簡単にご紹介します。

 

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秀吉の三大城攻めのひとつとされるこの戦いで、水攻めを献策したといわれるのが官兵衛です。
秀吉は龍王山から石井山に陣を変えていて、官兵衛も石井山に在陣したようです。

現在の高松城は公園として整備されていて、浮城の面影はありません。
清水宗治首塚のある場所が、本丸にあたる場所。
首塚は宗治の切腹後に秀吉がつくらせた供養塔で、その横には宗治の辞世の句が刻まれた碑が立っています。
本丸の東南、資料館の北側が二の丸で、かつては本丸とは小橋で連結していたといわれます。
三の丸は公園の東南、現在の駐車場のあたりで、曲輪内には宗治自刃の地があります。

 

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堤防の長さは蛙ヶ鼻から約2.7km、規模は高さ約7m、幅は底部が約24m、上部が約10m。
それをわずか12日間で完成させるという突貫工事だったとか。
金銭や米と引き換えに周辺の百姓を雇って土を運ばせたといいますが、
最近では、蛙ヶ鼻から現在の備中高松城駅付近までの
約300m、高さ2mの堤防だったという説が有力だそうです。
蛙ケ鼻築堤跡は史跡公園になっています。

 

庭瀬城・撫川城

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先日、加藤理文先生から「けっこうよかったよー」と伺った撫川城へ。

秀吉に備中攻めに対して、
毛利氏は境目七城(宮路山城・冠山城・高松城・鴨庄城・日幡城・庭瀬城・松島城)という
支城の守りを強化して侵攻に抵抗しました。
そのひとつが、庭瀬城(撫川城)。いわゆる前線基地の城になります。
撫川城と庭瀬城に分かれていますが、かつては一体で庭瀬城と呼ばれていたようです。

なるほどコンパクトではありますが、遺構の状態がよくちょっと感動します。
曲輪が15mくらいの水堀で囲まれていて、東側には土塁がしっかり残っています。
そして、南西隅にはなんと野面積の石垣が!高さは4mくらいでしょうか。
張り出し部分は櫓台と思われます。

 

ディナー「えびめし」

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こちらも加藤先生に教えていただいた、知られざる岡山名物らしい、えびめし。
デミグラスソースなどベースにした特製のえびめしソースで炊き上げた、エビピラフだそうです。
東京のカレー屋で働いていた岡山県出身の店員さんが持ち帰ってアレンジしたとか。
この後岡山出身者に聞いてみましたが、誰もえびめしを知らなかったという、、、。

岡山の地ビール「独歩」とともに。
地酒もいただました(銘柄失念)。備前焼きでしょうか?
エキナカの手軽なレストランでいただいたのですが、
ちゃんと備前焼きで出て来るんだあ、と感動しました。

 

「姫路・岡山・鳥取 三都城下町物語 黒田官兵衛ゆかりの地を巡るブロガーモニターツアー」4日間の旅は
こうしてほろ酔い気分で無事終わったのでありました。

 

おまけグルメ かくし寿司&トマトゼリー

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別の仕事で岡山に1泊し、翌日の夜に「かくし寿司」という駅弁を食べました。
江戸時代、倹約令に対して庶民が知恵を絞って編み出した料理だそうで、
具を重の底に敷き詰めて上にごはんを乗せ、共するときはひっくり返すというものだそうです。
…という説明を読んでふむふむと思っていたら、「S.萩原書」の文字が目に入って驚きました。私じゃないよ(笑)
ひっくり返す方式が駅弁で再現されていることに、ちょっと感動しました。ハコもかわいい。

 

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最後に、私の大好物、岡山のトマトゼリーをご紹介しておきます。
トマトのシロップ漬けが丸ごと入っていて、とってもおいしいんです!毎日食べたいくらい(笑)

今まで食べた中では、写真のものではなく桃太郎トマトのものがいちばんおいしかったです。
おすすめメーカーさんがあればぜひ教えてください。