城メグリスト

萩原さちこのプロフィール

城郭ライター、編集者。小学2年生で城に魅せられる。執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演などもしています。

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イキウメ「関数ドミノ」再演

ひさびさの観劇!
大好きな、劇団イキウメ。
5年ぶりの再演「関数ドミノ」、やっぱりこれは傑作です。

今回もずっと、人間の欲望について考えさせられました。
終始、自分の卑しい部分にやんわり問いかけをされているような、
痛いところをつかれているような、深く考えさせられるものがありました。

ファンタスティックで混沌としながら、ロジカル。
たったひと言のセリフに心をえぐられるような、無気味な臨場感があります。

不治の病とわかっている人に生きたいと言われたとき、「助けたい」と思うのは本心か良心か。
願いを叶えられる能力を自覚したとき、人は世界中の不幸を救おうとするのか、悪用するのか。
はたまた、自分の幸せと欲望だけを満たすのか。

本当に自分の願いがなんでも叶うとき、人は空を飛びたいなどとは思わない。
欲望なんてしょせん常識の範囲内なんだ、というセリフは言い得て妙。
無意識に願うのは、もっと小さくてリアルなことだ。
妄想とは、現実に叶わないと自覚しているから成り立つんですね。

特殊能力を持つ人間を擁護し希望を託す者も現れるわけで、
そうすると、その感情さえ本心から人格を認めるものではなく
能力を持つ者が自分の理想を叶えるために
能力によって支配されたものなのではないかー、という憶測もぐるぐるまわる。
負の欲望もあれば、純粋なもの、理性の上に成り立つものもある。
そのどれもがありえないことではないし、
立場やキャラクターによる違いがこれまたいい得ていて、
「ああ、こういう人いるなあ」とやけに腑に落ちるからおもしろい。
前川さんは、本当に人間の内面みたいなところを掘りおこしてうまく描く人だなあと思う。

演出も表現も前作よりパワーアップしていたように思いました。

やっぱり、趣味の時間は大事ですな。
シアタートラムで15日まで。

 

江戸東京博物館「大江戸と洛中」

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江戸東京博物館 開館20周年記念特別展 大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観~
に行ってきました。

江戸時代において、江戸が国際的にどんな都市だったのか、という視点は新鮮でした。
いつも狭い視野で見がちなので…(笑)
著書「戦国大名の城を読む」でもちょこっとだけ触れましたが、
海外に対して閉鎖的と思われがちな江戸ですが、
実は識字率をとっても世界的に高水準で、西洋の大都市と比較してもかなりの発展都市なんですよね。

アジア都城制とよばれる伝統的な都市づくりについての展示もわかりやすく、
その都市構造に影響を受ける江戸と洛中(京都)の比較、
東アジアの中の都市として見たときどんな特徴があるのか、
というところの対比はとてもおもしろかったです。

江戸時代の日本は世界をどう意識していたのか、
逆に、世界からどう認識されていたのか。
北京やソウルの系譜をひいた京都、
武家による画期的な都市づくりがされた江戸、
しかしそのなかでも神社や墓域の造営からアジアの都市との共通点があること。
そんなところも読み解ける展示になっていました。

やはり、江戸城関連の展示に食いついてしまいました。
モンタヌス『日本史』の「徳川幕府貢物献上之図」、「江戸城御本丸惣地絵図」、「四時勝景図」など。
パネルにも採用されている、寛永天守を描いた狩野尚信の「武州州学十二景」はやはりぐっときました。
信憑性のある史料としてではなく、当時の情景を彷彿させる手がかりとして。
あと、「江戸城御天守百分壱之建地割」のような図面もあるのだなあ、とか(もちろん実際のものかは謎)。
もちろん、重要文化財の旧江戸城写真ガラス原板は何度見てもすばらしい。

都市図屏風がどれも見事で見入ってしまったのですが、「津山景観図屏風」はやっぱり見事!
鍬形蕙斎、美しいです。

来週は江戸と徳川幕府にについての原稿執筆。
なので、廟所と墓所、江戸の都市構造の展示はとくに真剣に見入ってしまいました。

なかなか見応えのある展示でした。〜5/11まで。

 

演劇「真田十勇士」を観て、歴史のエンターテインメント化を考える

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日本テレビ開局60年・読売テレビ開局55年特別舞台『真田十勇士』を青山劇場で観てきました。
知り合いが出演者の事務所スタッフということでご手配いただき、千秋楽を良席で。ありがとうございます。
脚本はマキノノゾミさん、演出はトリックの堤幸彦監督。

題材が歴史モノですが、歴史・城の描かれ方などの感想は最後にー。

演劇は、テレビや映画とは性質が違うもの。
だから、見慣れない人にとってはテレビ的な演出じゃないからよくわからない。
逆に、演劇ならではの表現方法が好きな人はテレビドラマが安っぽく感じたりする。

観劇を趣味のひとつとしている私は、後者。
なので、私は楽しめませんでした、この舞台。
つまらない舞台とか駄作とかではなく、あくまで好みの問題です。
端的にいうと、演劇でこれやっちゃNGでしょ、という
“(私が勝手に思っている)邪道”で成り立っているような舞台でした。

でも、それがダメというわけではありません。
演劇など見ない人でも知っている、いわゆる人気のテレビ俳優さんがズラリ。
コンセプトもはっきりしているし、演出もド派手でセットの使い方も上手。
相当稽古したとわかる、かなり贅沢でハイクオリティな舞台だったと思います。

テレビ局絡みの企画で堤幸彦監督の演出、ですからね。
そもそも対象としているのが私のような人ではないのです。
うーん、原作を読んでから映画を観に行くとたいていガッカリするのと同じような?
で、この舞台ははじめから原作は読まない人を想定してつくった感じ。
「有頂天ホテル」も「ステキな金縛り」も笑えるし新作を観たいと思うけど、
1800円払って映画館の大スクリーンで観る醍醐味はないな、と感じちゃうような?

舞台の最初に「○○役には今人気の俳優誰それー!」という
キャスト紹介ショーみたいなのがあったんですが、もう、私はこれでどん引きでした。
俳優を観にきてるんじゃなくて、劇中の役を観にきてるんだよ。
有名だろうが無名だろうが、いい演技であればほかの評価はどうでもいい。
先入観なく、自分の五感とか想像力だけで目の前の世界を観たいのに、
誰かのフィルターに通した安っぽい解説とか、関係ない装飾を押し付けないでくれよ、と。
知名度とかバックボーンとかをちらつかすなんて、
こんなの、テレビの特番のCMと同じ。タダで見れる、しかも本編じゃないやつ。
…などと思いながら観ていました。

でも、それがダメなわけではないです。
つくり手としても、俳優の知名度ありきでつくっているのだから。
これはそういう作品なだけであって、私の好みではないだけ。
実際、一緒に行った演劇ビギナーの人は
「最初に誰が誰だか説明してくれたから、わかりやすくてよかったー」と言ってましたし、
客席からはしょっちゅう笑いが起こっていたから、満足度も高いのでしょう。
だから、そういう意味ではこの舞台は大成功。
(ちなみに、その笑いがほぼ本編と関係なかったので私は集中力を削がれて苦痛でした。
観客は若い女子が異常に多く、リピーターも多かったよう)

あと、前日に歌舞伎というハイクオリティな伝統芸能を観てしまっていたせいで
なおさらチャラさが際立ってしまった(笑)
今日がどうこうというより、歌舞伎ってすごいんだなー、と改めて思いました。
指先から足先まで、1mmもブレがなく神経が通っているような。
そりゃ、物心ついたときから稽古してるだけのことはあるわ。と。。。

で、話は逸れましたが、勉強にもなりました。
万人受けするモノづくりの例を観れましたので。
私自身は自分の世界みたいなものが守れればいい、というオタクタイプなのですが
仕事ではそうはいきません。

で、最後に歴史と城の描き方ですけれど、これは意外によかったと思います。
人物設定はフィクションなのでものすごいことになっていますが、
基本的な歴史の流れはきちんと解説していて、数字的なところも間違いがないなあと思いました。
大坂城、徳川のものだったけど天守は黒くしてあったし!
冬の陣後も堀は埋まってなかったけど、「埋めたことで敗北決定」とは言ってたし!

大河ドラマもそうですけれど、基本的にエンターテインメントなので
本質と違うところで忠実かどうかばかりを議論するのはナンセンスだと思うんですよ。
作品として成立しているかどうかが問題です。
(適当な描写を事実と思い込んでしまうと教育上よくないというのも正論ですが、
やっぱり大切なのは、作品としての取り扱いの温度や敬意だと思います。
だって、史実と違うと言い出したら、キリがない。
官兵衛はどうなんだ、岡田くんカッコよすぎだろ、という話になりますから。
城や歴史に限らず、そこじゃないです、問題は)

真田ファンには見せられないさんざんなキャラクター設定でしたが(笑)、
最終的には魅力的な一面も描けていたし、興味をそそる存在には映ったんじゃないかなあ。
そもそも真田十勇士はミステリアスな人たちですしね。
これを機に、大坂の陣や真田信繁に興味を持つ人もいるんじゃないかしら。

劇中、大坂城に籠城するか否かを大野治長やら真田信繁やら評議するシーンで
発言者名がいちいちていねいに字幕で強調されてたんですが、
歴史を知っている私からすると、ここだけやけに字幕出すな、と感じるわけですが、
想定ターゲットには字幕がないと理解できない、という判断でその演出をしたと思うと
「そーだよね、ここまでしないとわからんよね」とやけに納得しました。
やはり、一般的には歴史って難しいジャンルなんですね。

歴史モノがどう表現されるのか、一般的なさじ加減を観るのも目的だったので、
その意味では収穫はあってよかったです。

勘九郎さんが、群を抜いてすばらしかったです。
見るたび、勘三郎さんに似てくるなあー!遺伝子おそるべし。
現代劇の勘九郎さんも好きなのですが…この舞台に関してはもったいなかったと思います、正直。
あと、加藤和樹さんの殺陣がとても上手でした。
松坂桃李さんは…いい人なんだなあ、と思いました。

ところで!!!
そんなことより、青山劇場が来年なくなることを知りショックです!
東京オリンピック開催の影響で、取り壊すのだとか。
…どーする、少年隊(笑)!!

二月花形歌舞伎「心謎解色糸」

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ちょっとぶりに、歌舞伎座へ。
通し狂言「心謎解色糸」。41年ぶり、歌舞伎座初の上演なのだそうです。

 

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これ↑。染さんががイエイ!ってやってるほう。

ようやく、歌舞伎のおもしろさがわかってきたような。
相変わらず、イヤホンガイドはマストアイテムですが、
ストーリーはガイドなしのほうが楽しめるようになりました。
(でも専門用語やポイント解説はないとわからないので、まだ手放せない)

睡眠時間2時間で歌舞伎鑑賞に行ってはいけませんね。
「おもしろいのにぃぃー」と己と戦いつつ、途中で一瞬落ちてしまいました。

 

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敗因は、幕の内弁当の完食。
おいしかったけど…ちょっと慌ただしい。

今日も、歌舞伎座名物めで鯛焼きが売り切れだったのが悔やまれます。
もっとじゃんじゃん焼けばいいのに、といつも思う。

EX THEATER ROPPONGI

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昨年11月にオープンしたライブホール、EX THEATER ROPPONGIに行ってきました。
六本木で煌煌と、いやギラギラと光っているアソコです。

うーん、いろいろ微妙でした。
まだオープンしたてというのが大きいのでしょうけれど、
第一印象はあんまり好きじゃないなあと思いました。
六本木っぽい。そしてスタジオっぽい。テレ朝だけに。

 

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これね。
新春初チャラ SPECIAL LIVE “JEWEL”

ーーーーーーーー
ぐっとこない演奏で歌えない
なんなくこなすのなんて格好悪い
そんなのじゃ心に触れないんだよ
音楽に失礼
カラオケで歌ってるんじゃないんだよ
最大限の力を楽器と一体化して
自己満じゃなくて
伝える力が、瞬発力が大切だよ
演奏がいいと声もつややかに輝きが増す
小さくまとめるな私を
ーーーーーーーー

…と、Twitterに書いてた。このライブに行った人しかわからないことですが。
いいと思います。ファンはそういうところが好きなんだと思うので。

バカロックオペラバカ

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大パルコ人② バカロックオペラバカ 『高校中パニック! 小激突!!』を観てきました。

久々のクドカンーー!!
放送コードを気にせず、
やりたいこと全部詰め込んだ感じのクドカンワールド全開でした。大爆笑!

出演はカヲルさん(あまちゃんのイソね)、三宅マン、クドカン、
小路勇介、勝地涼、佐藤隆太、永山絢斗などなど。

4年前の大パルコ人①メカロックオペラには松田龍平が出てたんですが、
思えばあの作品で松田龍平のある種の才能が世に出た気がする。。
(けっこう衝撃的だった)

・・・今回もいろいろ無茶させてたなあ。
脱がせたり、踊らせたり、広島弁をしゃべらせたり。
坂井真紀の役名、ウィスパー夜用先生でしたもの(笑)

5年くらい前にクドカン主演の舞台で(新感線だったかな)
勝地涼さんを観て、演技は上手いはコメディもできるわでいたく感動したんですが、
今日もすばらしくいい俳優さんでした。
歌も上手いし、舞台俳優さん並みに声が出ていて滑舌もよいですね。

 

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Billboard Live

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Chara 2 Nights Special Special Live " JEWEL "
in Billboard Live TOKYO.

曲間の鼻歌(肉声)が聴こえてしまうビルボード、やっぱりすばらしい!
ホールに比べてチケット代は高いけれど、
ここまで至近距離で聴けるなら、安いもんだと思う。
毎年ヒロミGOのディナーショーに行ってしまう人の気持ちがわかるわ〜。
ビールが六本木価格でなければサイコーです(笑)
ビルボードだけは何があっても通おう♡

ちなみにビルボード後は、乃木坂の魚真に行くのが定番です。
メンバー増員して、わいわい楽しい夜でした。

 

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この前スタジオ収録に行った、日テレ『LIVE MONSTER』(11/9 ON AIR)。
トークのとき最前列で、わたくしテレビにチラッと映ってました(ミーハー)。

イキウメ【片鱗】

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大好きな劇団イキウメの新作『片鱗』を、青山円形劇場で観てきました。

うーん!今日もすべてがすばらしい舞台であった!!
たぶん、2時間まばたきをしていないと思います。
劇作家・演出家の前川知大さん、天才だと思っています。
佐々木蔵之介の歌舞伎デビューで話題の来春のスーパー歌舞伎、作・演出を担当するそう。
新境地も楽しみです。

円形劇場のちょうど対角線に、真っ赤なニットの弥生さん(渡辺えり)が!
俳優の表情を見るべく乗り出しまくる弥生さん。
常に舞台上の役者の背後霊的に、弥生さんが視界に入って気になりまくりました(笑)
劇場でお見かけするのは3回目なんですが、
いつも気取らず隠れず、大声で楽しそうに話しているのですぐわかります(笑)

JAZZ NIGHT

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秋の夜長のJAZZ NIGHT。

お酒×音楽、サイコー。
フューチャリングゲストでCHARAも登場。
オレンジのロングワンピ&アップヘアが似合ってました。
‪Fried Pride‬よかったです。SHIHOさんのファンになりそう。

初の六本木STB139。
ビルボードやブルーノートのようなスタイルのライブレストランでしたが、
雰囲気もお料理もカジュアルな感じでした。
でも、あんまり音響がよくない気が。。。
鳥山さんのギターと鳥越さんのウッドベース、
以前聴いたのが音のよいホールだったからせいでしょうか。ちょっと残念。

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Premium 3Nights produced by 鳥山雄司
第三夜 MiKa Beyond Jazz ~Women's Liberation~
フィーチャリングゲスト:Chara(vo)、Fried Pride(vo&g)
スペシャルゲスト:中川英二郎(tb)
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Chara @ O-EAST

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今夜も私のカリスマでした。
モミーFUNK!まで出てくるとは。

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O-EAST presents 「Who Was In My Mirror ?」
Chara&delofamilia
渋谷O-EAST
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